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外伝 ~ヨツバ王国編~
氷雨の冒険者との合流
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「狙いをギンタロウに定めろ!!他の者は後回しだ!!」
「はっ!!近づけさせません!!」
ハシラの指示に従って兵士達は弓矢を下ろし、精霊魔法の準備を始める。大分距離を詰められたがそれでも兵士達の攻撃の方が早く、風の精霊を呼び集めて小規模の竜巻を生み出す。
『風よ!!嵐となりて我が敵を打ち払え!!』
兵士達が力を合わせて生み出した竜巻の障壁がギンタロウとレナの前方を阻み、迫りくる竜巻に向けてギンタロウは吹き飛ばされないように鉞を地面に突き立てると、レナは右腕に意識を集中させて風の聖痕を発動させた。
(相手の呼び集めた精霊を拡散させる……聖痕の使い手に精霊は逆らえないはず!!)
事前にアイリスから教わった「風の聖痕」の使い方を思い出したレナは自分の力を信じ、迫りくる竜巻に掌を伸ばす。その直後に聖痕が光り輝くと竜巻を形成していた風の精霊が散らばり、竜巻が消散して道を開く。その光景に誰もが圧倒され、自分達の生み出した竜巻が無効化された事に驚きを隠せない。
「なっ!?我々の魔法が……!?」
「無効化されただと!?ただの人間に!?」
「有り得ん!!そんな馬鹿な……」
「落ち着け!!奴等が来るぞ!!」
「うおおおおおおっ!!」
竜巻が消失した事で邪魔者もなくギンタロウは軍隊に突入すると、両手の鉞を振り翳して兵士達を薙ぎ払う。その圧倒的な腕力から繰り出される攻撃に兵士達は成す術もなく蹴散らされ、次々と吹き飛ばされた。
「円斧!!」
「ぎゃあああっ!?」
「精霊よ、我が身をまも……うわぁっ!?」
「な、なんて力だ!?」
戦技を発動させて鉞を振り回しながらギンタロウは次々と兵士達を薙ぎ倒すと、その様子を見て居たハシラは舌打ちし、出来れば接近する前に仕留めたかったが近づかれた以上は仕方なく接近戦へ切り替える。
「油断するな!!敵はギンタロウだけではないぞ!!戦闘に備えろ!!」
『うおおおおおっ!!』
ギンタロウに続いてケンタウロス隊が後に続き、情勢が一気に東聖将軍側へ流れ込む。接近戦ならばケンタウロス達の方が圧倒的に有利であり、普段から魔物の狩猟で鍛え上げられた彼等が相手ではハシラの弓兵部隊では分が悪い。弓矢は接近戦には不向きな武器のため、数の利があったとしてもケンタウロス隊の方が有利だった。
しかもケンタウロスの背中に乗り込んだ者達も一人一人が手練れで油断出来ず、彼等は北聖将の精鋭の兵士を相手に一歩も引かずに先頭を繰り広げていく。
「おらぁっ!!森人族の軍隊の兵士というのはこの程度か!?これなら普段から戦っているゴブリン共の方が手応えがあるぞ!!」
「どうしたどうした!!てめえらの力はこの程度かぁっ!?」
「この軟弱者がぁっ!!」
「な、なんだこいつ等!?なんで人間の癖に、こんなに強いんだ!?」
ケンタウロスに運ばれた武芸者の戦闘力を目の当たりにした兵士達は戸惑いを隠せず、ケンタウロスだけではなく彼等も一般人離れした強さを誇り、徐々に前線の兵士が倒されていく。
「何なのだこいつらの強さは……まさか、一般人ではないのか!?」
「あ、なんか偉そうな人を発見!!螺旋槍!!」
「うおおっ!?」
戦闘の最中にハシラに向けて螺旋回転をする槍が突き出され、咄嗟に攻撃を回避する事に成功したが、ハシラの目の前には赤髪が特徴的な少女が現れる。少女の傍には大盾を構えた男と獣人族の少年も立ち、ハシラを取り囲む。
「モリモ、ガロ!!多分この人が偉い人だよ!!」
「しゃあっ!!良く見つけたミナ!!」
「おい、待て二人とも!!迂闊に近づくんじゃない!!」
「お前達は……そうか、この強さは冒険者だな?」
ハシラは目の前に現れた3人組の恰好と実力を見てヨツバ王国内には存在しない「冒険者」と呼ばれる存在だと気づく。彼も噂を耳にした程度だが、他国では魔物を狩猟する事を生業とした冒険者と呼ばれる職業が存在する事を思い出し、森人族以外の種族の者がここまでの強さを手にしている事から他に説明がつかない。
ヨツバ王国では基本的には兵士は森人族で構成され、例外があるとすればギンタロウのような身体能力に特化した種族の者ならば兵士として認められる事がある。だが、基本的にはヨツバ王国の兵士の中に森人族以外の種族の兵士は限りなく少ない。それにも関わらずにハシラが遭遇した3人の戦闘力は熟練の兵士の戦闘力を上回り、普段から戦闘に明け暮れている人間の動きだった。
「ミナ、モリモ!!こいつは俺がやる……あいつばかりに手柄を上げさせるかよ!!」
「あ!?ガロ駄目だよ!!連携を崩したら……」
「馬鹿!!お前はどうしていつも調子に乗るんだ!?」
「うるせえっ!!」
ガロは両手の短剣を握り締めるとハシラに向けて接近し、彼が大弓を装備している事を確認して上空に跳躍する。接近戦では弓よりも刃物の方が圧倒的に有利だと考えた上での行動だろうが、六聖将に選ばれた男の実力をガロは見誤ってしまう。
「それは浅はかだぞ小僧!!」
「ぐあっ!?」
「ガロ!!」
正面から飛び掛かって来たガロに対してハシラは腕を伸ばすと彼の首元を掴み、そのまま馬上からガロの肉体を地面に放り投げる。咄嗟に獣人族持ち前の身軽さで着地に成功したガロだが、ハシラは愛馬に鞭を打つとガロの顔面に馬の蹄が飛ぶ。
「ヒヒンッ!!」
「あがぁっ!?」
「もう、何やってんのさガロ!?」
「だから言わんこっちゃねぇ……」
白馬の蹄に叩きつけられたガロを咄嗟にモリモが受け止めると、ミナが少し怒った風に駆け付ける。その様子を確認したハシラは周囲の様子を伺うと、彼等以外にもケンタウロスによって運び込まれた者達によって兵士達が一方的にやられていく姿を見て彼等も3人と同じように冒険者と呼ばれる存在だと知る。
「そうか……ギンタロウは他国の冒険者を味方にしていたというのか。しかし、どうやってそんな事を……」
冒険者の人数はハシラが把握出来る限りでも数十人は存在するが、ギンタロウがいつの間に領地内に彼等を招き入れたのか疑問を抱く。北聖将である自分が軍隊を動かしてからギンタロウの領地に辿り着くまでの数日の間にギンタロウが他国の冒険者を招き入れたとは考えにくく、前々からギンタロウは彼等冒険者を招いていた可能性が高い。
だが、どうしてギンタロウが冒険者を事前に招き入れた理由が分からず、領地内の戦力の増強のために冒険者を雇ったのかとハシラは考えたが、そもそも普通の兵士と違って冒険者はあくまでも依頼を引き受けて仕事を行う立場なので永続的に従う存在ではない。第一にこれだけの腕利きの冒険者を呼び寄せる事自体が難しく、ギンタロウは自分の知らない方法で外部との連絡手段や移動経路を確保しているのかとハシラは戦慄する。
(ギンタロウめ、一体どうやってこれほどの戦力を……いや、今は考えている余裕はない。このままではこちらの被害が増すばかりだ!!)
人数の差は3倍以上が存在するとはいえ、接近戦ではギンタロウの部隊と冒険者達の方が有利のため、ハシラはいち早くこの状況を脱するために兵士達に指示を出す。
「全軍、陣まで撤退せよ!!殿は俺が勤める!!」
「撤退!?」
「逃がすと思ってんのかてめえっ……うおっ!?」
撤退という言葉に兵士達は即座に反応し、戦闘を中断して逃走を開始する。その様子を見たガロが鼻血を噴き出しながらも追撃を加えようとした時、ハシラが大弓を構えて矢を放つ。
「はっ!!近づけさせません!!」
ハシラの指示に従って兵士達は弓矢を下ろし、精霊魔法の準備を始める。大分距離を詰められたがそれでも兵士達の攻撃の方が早く、風の精霊を呼び集めて小規模の竜巻を生み出す。
『風よ!!嵐となりて我が敵を打ち払え!!』
兵士達が力を合わせて生み出した竜巻の障壁がギンタロウとレナの前方を阻み、迫りくる竜巻に向けてギンタロウは吹き飛ばされないように鉞を地面に突き立てると、レナは右腕に意識を集中させて風の聖痕を発動させた。
(相手の呼び集めた精霊を拡散させる……聖痕の使い手に精霊は逆らえないはず!!)
事前にアイリスから教わった「風の聖痕」の使い方を思い出したレナは自分の力を信じ、迫りくる竜巻に掌を伸ばす。その直後に聖痕が光り輝くと竜巻を形成していた風の精霊が散らばり、竜巻が消散して道を開く。その光景に誰もが圧倒され、自分達の生み出した竜巻が無効化された事に驚きを隠せない。
「なっ!?我々の魔法が……!?」
「無効化されただと!?ただの人間に!?」
「有り得ん!!そんな馬鹿な……」
「落ち着け!!奴等が来るぞ!!」
「うおおおおおおっ!!」
竜巻が消失した事で邪魔者もなくギンタロウは軍隊に突入すると、両手の鉞を振り翳して兵士達を薙ぎ払う。その圧倒的な腕力から繰り出される攻撃に兵士達は成す術もなく蹴散らされ、次々と吹き飛ばされた。
「円斧!!」
「ぎゃあああっ!?」
「精霊よ、我が身をまも……うわぁっ!?」
「な、なんて力だ!?」
戦技を発動させて鉞を振り回しながらギンタロウは次々と兵士達を薙ぎ倒すと、その様子を見て居たハシラは舌打ちし、出来れば接近する前に仕留めたかったが近づかれた以上は仕方なく接近戦へ切り替える。
「油断するな!!敵はギンタロウだけではないぞ!!戦闘に備えろ!!」
『うおおおおおっ!!』
ギンタロウに続いてケンタウロス隊が後に続き、情勢が一気に東聖将軍側へ流れ込む。接近戦ならばケンタウロス達の方が圧倒的に有利であり、普段から魔物の狩猟で鍛え上げられた彼等が相手ではハシラの弓兵部隊では分が悪い。弓矢は接近戦には不向きな武器のため、数の利があったとしてもケンタウロス隊の方が有利だった。
しかもケンタウロスの背中に乗り込んだ者達も一人一人が手練れで油断出来ず、彼等は北聖将の精鋭の兵士を相手に一歩も引かずに先頭を繰り広げていく。
「おらぁっ!!森人族の軍隊の兵士というのはこの程度か!?これなら普段から戦っているゴブリン共の方が手応えがあるぞ!!」
「どうしたどうした!!てめえらの力はこの程度かぁっ!?」
「この軟弱者がぁっ!!」
「な、なんだこいつ等!?なんで人間の癖に、こんなに強いんだ!?」
ケンタウロスに運ばれた武芸者の戦闘力を目の当たりにした兵士達は戸惑いを隠せず、ケンタウロスだけではなく彼等も一般人離れした強さを誇り、徐々に前線の兵士が倒されていく。
「何なのだこいつらの強さは……まさか、一般人ではないのか!?」
「あ、なんか偉そうな人を発見!!螺旋槍!!」
「うおおっ!?」
戦闘の最中にハシラに向けて螺旋回転をする槍が突き出され、咄嗟に攻撃を回避する事に成功したが、ハシラの目の前には赤髪が特徴的な少女が現れる。少女の傍には大盾を構えた男と獣人族の少年も立ち、ハシラを取り囲む。
「モリモ、ガロ!!多分この人が偉い人だよ!!」
「しゃあっ!!良く見つけたミナ!!」
「おい、待て二人とも!!迂闊に近づくんじゃない!!」
「お前達は……そうか、この強さは冒険者だな?」
ハシラは目の前に現れた3人組の恰好と実力を見てヨツバ王国内には存在しない「冒険者」と呼ばれる存在だと気づく。彼も噂を耳にした程度だが、他国では魔物を狩猟する事を生業とした冒険者と呼ばれる職業が存在する事を思い出し、森人族以外の種族の者がここまでの強さを手にしている事から他に説明がつかない。
ヨツバ王国では基本的には兵士は森人族で構成され、例外があるとすればギンタロウのような身体能力に特化した種族の者ならば兵士として認められる事がある。だが、基本的にはヨツバ王国の兵士の中に森人族以外の種族の兵士は限りなく少ない。それにも関わらずにハシラが遭遇した3人の戦闘力は熟練の兵士の戦闘力を上回り、普段から戦闘に明け暮れている人間の動きだった。
「ミナ、モリモ!!こいつは俺がやる……あいつばかりに手柄を上げさせるかよ!!」
「あ!?ガロ駄目だよ!!連携を崩したら……」
「馬鹿!!お前はどうしていつも調子に乗るんだ!?」
「うるせえっ!!」
ガロは両手の短剣を握り締めるとハシラに向けて接近し、彼が大弓を装備している事を確認して上空に跳躍する。接近戦では弓よりも刃物の方が圧倒的に有利だと考えた上での行動だろうが、六聖将に選ばれた男の実力をガロは見誤ってしまう。
「それは浅はかだぞ小僧!!」
「ぐあっ!?」
「ガロ!!」
正面から飛び掛かって来たガロに対してハシラは腕を伸ばすと彼の首元を掴み、そのまま馬上からガロの肉体を地面に放り投げる。咄嗟に獣人族持ち前の身軽さで着地に成功したガロだが、ハシラは愛馬に鞭を打つとガロの顔面に馬の蹄が飛ぶ。
「ヒヒンッ!!」
「あがぁっ!?」
「もう、何やってんのさガロ!?」
「だから言わんこっちゃねぇ……」
白馬の蹄に叩きつけられたガロを咄嗟にモリモが受け止めると、ミナが少し怒った風に駆け付ける。その様子を確認したハシラは周囲の様子を伺うと、彼等以外にもケンタウロスによって運び込まれた者達によって兵士達が一方的にやられていく姿を見て彼等も3人と同じように冒険者と呼ばれる存在だと知る。
「そうか……ギンタロウは他国の冒険者を味方にしていたというのか。しかし、どうやってそんな事を……」
冒険者の人数はハシラが把握出来る限りでも数十人は存在するが、ギンタロウがいつの間に領地内に彼等を招き入れたのか疑問を抱く。北聖将である自分が軍隊を動かしてからギンタロウの領地に辿り着くまでの数日の間にギンタロウが他国の冒険者を招き入れたとは考えにくく、前々からギンタロウは彼等冒険者を招いていた可能性が高い。
だが、どうしてギンタロウが冒険者を事前に招き入れた理由が分からず、領地内の戦力の増強のために冒険者を雇ったのかとハシラは考えたが、そもそも普通の兵士と違って冒険者はあくまでも依頼を引き受けて仕事を行う立場なので永続的に従う存在ではない。第一にこれだけの腕利きの冒険者を呼び寄せる事自体が難しく、ギンタロウは自分の知らない方法で外部との連絡手段や移動経路を確保しているのかとハシラは戦慄する。
(ギンタロウめ、一体どうやってこれほどの戦力を……いや、今は考えている余裕はない。このままではこちらの被害が増すばかりだ!!)
人数の差は3倍以上が存在するとはいえ、接近戦ではギンタロウの部隊と冒険者達の方が有利のため、ハシラはいち早くこの状況を脱するために兵士達に指示を出す。
「全軍、陣まで撤退せよ!!殿は俺が勤める!!」
「撤退!?」
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撤退という言葉に兵士達は即座に反応し、戦闘を中断して逃走を開始する。その様子を見たガロが鼻血を噴き出しながらも追撃を加えようとした時、ハシラが大弓を構えて矢を放つ。
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