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外伝 ~ヨツバ王国編~
5人の代表者
「では集まった5人で誰が統率者になるのかを決めてくれ!!決定する方法は君達に任せよう!!」
「まさかこんな結果になるとはな……」
「全くだ」
「たく、面倒だね……あたしに入れた奴等は後でお仕置きしないとね」
5人の代表者は集まるとお互いの顔を見合い、誰が代表に決めるのかをまずは話し合いで決める。仮にも代表に選ばれた者が一時的にとはいえ、全ての冒険者の指示を与える立場を得られる事を考えれば慎重に決めなければならない。
「それで?一体誰が統率者になるんだい?まずは自分こそ統率者に相応しいという奴が居たら手を挙げな」
「……何故、お前が仕切るのだ黒虎のギルドマスターよ」
「うるさいね、いいからさっさと手を上げな」
自分は統率者に選ばれるのは御免だとばかりにバルは仕切ると、彼女の言葉を聞いて挙手する者は誰も居なかった。全員が他の人間から推薦された立場とはいえ、自分こそが統率者に相応しいと考える者はいないらしい。
「おいおい、何で誰も手を上げないんだい?ロウガの爺さん、あんた年長者だろ?ここは年上が引っ張るべきじゃないのかい?」
「年寄扱いするな!!貴様もいい年齢だろう!!」
「まあまあ……」
「あの……私はやはり辞退させて頂きます。とてもではないですが、私如きが統率者になるなんて……」
「……まずは全員落ち着け」
喧嘩を始めるバルとロウガをレナが宥め、ジャンヌが困った表情を浮かべる中、ガンモが呆れた表情を浮かべながら全員を落ち着かせる。
「まず、お互いの自己紹介を始めたらどうだ?お前達は顔見知りかもしれんが、俺はお前等の事は噂でしか聞いた事はない」
「あたしもあんたの噂はよく耳にしているよ。ギガンの奴からもよく聞かされていたからね」
「ふんっ……まあ、いいだろう」
ガンモの言葉に全員が納得すると、改めて各々が自己紹介をする事になった。まずは最初に言い出しっぺのガンモから名乗りを行う。
「俺の名前はガンモ、職業は重騎士と格闘家だ。牙竜のギルドに努めてから20年は経つ。階級はAランクだ」
「重騎士?」
「あたし達が扱う大剣みたいな重量感のある武器や装備を身に着けて戦う事に特化した騎士職さ。ゴウライと同じ職業だね」
「そう言う事だ。盾騎士の防衛力、槍騎士の攻撃力はないが両者の職業の中間に位置する職業だと考えればいい」
騎士の職業も複数存在し、例えば最強の剣士であるゴウライは「重騎士」と呼ばれる職業である。攻撃能力は低いが防御に特化した「盾騎士」攻撃力は優れているが防御面が弱い「槍騎士」他にも習得条件が難しい「聖騎士」なども存在する。
牙竜のギルドに努めるガンモは20年以上も冒険者稼業を行うベテランの巨人族の戦士で実力は高い。実際に牙竜のAランク冒険者の中でも頭一つとびぬけた戦闘力を誇り、過去に冒険者集団で牙竜の討伐を果たした実績もあった。
「なら、次はあたしの番だね。黒虎のギルドマスターのバルだよ。職業は剣士と格闘家さ、階級は元Aランクだよ」
「あれ?Aランクなの?てっきり、Sランクぐらい昇格してたと思ったけど……」
「あたしをマリアやアイラさんと一緒にするんじゃないよ!!Sランクなんて冒険者の中でもあの二人のように天賦の才に恵まれた人間にしか与えられない階級なんだよ!!」
レナはバルが現役時代だった頃はSランクの冒険者だと思っていたが、実際の所はバルはAランクで引退していたらしい。
「次は儂か……名前はロウガ、職業は剣士と狩人、階級はAランクだ。一応は剣聖の称号を持つ」
「獣の剣聖か……お前とは巡り合う機会は滅多になかったが、噂はよく耳にしている」
「ふん、目上の者に対して随分な態度だな?」
「年上と目上は違うと思うがな」
「おいおい、何であんたらそんなに喧嘩腰なんだい!!止めな、馬鹿っ!!」
ロウガの言葉にガンモは皮肉を言い返すと、二人はお互いに視線を向けて火花を散らせる。慌ててバルが間に入って止めると、ジャンヌも慌てて場の雰囲気を変えるために自己紹介を行う。
「つ、次は私ですね?私の名前はジャンヌ、職業は騎士の固有職です。階級はAランクですが、他の剣聖の皆さんと比べてもAランクに昇格して日は浅いと思います」
「ジャンヌよ、謙遜するんじゃない。お前の才能と実力は俺も他の者もよく知っておる、お前はいずれ剣聖の頂点に立つ逸材だとマリア様もおっしゃられていた事を忘れるな」
「そんな……私など、ゴウライ様やハヤテ様と比べてもまだまだ足元にも及びません!!」
「あまり自分を卑下するな、お前と同世代の剣士の中で才能という点においてはお前を勝る者はいないのだぞ」
「おっと、そいつは聞き捨てならないね。それならどうして闘技祭の時にうちの弟子がその嬢ちゃんに勝てたんだい?才能と実力という点ならアイラさんの実の息子であるレナだって負けてないよ!!」
「あれ、何で急にうちの子が凄いみたいな自慢話になってきたの?」
ジャンヌの剣の才能を褒め称えるロウガに対してバルが反論すると、彼は不満そうな表情を浮かべてレナを見つめ、明らかな敵意を抱いた様子で口を開く。
「……確かにお前が強い事は認めよう。あの大将軍であるミドルを打ち破ったという実績がある事も忘れてはいない。だが……こいつは剣鬼だ。いずれ我々の敵になり得る存在になるかもしれないという事を忘れるな」
「剣鬼……だと?」
「はっ!!何を言うかと思えば……剣鬼だからどうしたっていうんだい?あたしだってマリアさんだってそう呼ばれていた時期もあるんだ。呼び名なんかどうだっていいだろう?」
「違う!!この男は……いずれ、人殺しの欲に溺れ、いずれ悪鬼と化す!!剣鬼とはそういう存在なのだ!!」
ロウガは興奮したように言い返すと、他の者達は黙り込み、レナは頭を掻く。ロウガがどうして「剣鬼」という存在を極端に警戒しているのかはレナ達には分からないが、以前にシュンと共に剣鬼の存在の危険性をロウガから教わったジャンヌは恐る恐る口を開く。
「ろ、ロウガ様……レナ様が剣鬼であるとどうして言い切れるのですか?私が知る限り、レナ様は決して人を斬る事に対して快楽を得るような危険な御方になるとは思えないのですが」
「そうだよ!!だいたい、こいつはそもそも魔術師なんだよ!?剣鬼になんてなるわけないだろうが!!」
「魔術師だからこそおかしいとは思わんのか!?何故、ただの魔術師がこの年齢であれほどの剣技を身に着ける事が出来た!!もしも剣の才能に恵まれていたというのならば剣士として生まれるはず!!なのにこいつは魔術師のみでありながら我々剣聖を退く程の実力を身に着けた!!これまでの歴史上、剣士や騎士以外の職業の人間が剣聖の領域に至ったという事例はない!!即ち、こいつが魔術師でありながら剣を極める事が出来るのは別の要因があるという事だ!!」
「別の要因……?」
「儂が調べた限り、歴史上で剣鬼と呼ばれた存在の中には職業が剣士や騎士に該当しない人間も存在したという。つまり、こいつが魔術師でありながら剣を極める事が出来たのは剣鬼である事に違いない!!正直に答えろ、お前は誰を殺してその力を手に入れた!!」
「っ……!!」
ロウガの言葉にレナは唇を噛み締め、自分が「剣鬼」の領域に至った日の事を思い出す。実の家族のように慕っていたアリアを殺した日、レナは「剣鬼」の称号を得た。その事を思い出したレナは無意識に拳を握り締めると、今まで黙って聞いていた他の者が即座に反論する。
「まさかこんな結果になるとはな……」
「全くだ」
「たく、面倒だね……あたしに入れた奴等は後でお仕置きしないとね」
5人の代表者は集まるとお互いの顔を見合い、誰が代表に決めるのかをまずは話し合いで決める。仮にも代表に選ばれた者が一時的にとはいえ、全ての冒険者の指示を与える立場を得られる事を考えれば慎重に決めなければならない。
「それで?一体誰が統率者になるんだい?まずは自分こそ統率者に相応しいという奴が居たら手を挙げな」
「……何故、お前が仕切るのだ黒虎のギルドマスターよ」
「うるさいね、いいからさっさと手を上げな」
自分は統率者に選ばれるのは御免だとばかりにバルは仕切ると、彼女の言葉を聞いて挙手する者は誰も居なかった。全員が他の人間から推薦された立場とはいえ、自分こそが統率者に相応しいと考える者はいないらしい。
「おいおい、何で誰も手を上げないんだい?ロウガの爺さん、あんた年長者だろ?ここは年上が引っ張るべきじゃないのかい?」
「年寄扱いするな!!貴様もいい年齢だろう!!」
「まあまあ……」
「あの……私はやはり辞退させて頂きます。とてもではないですが、私如きが統率者になるなんて……」
「……まずは全員落ち着け」
喧嘩を始めるバルとロウガをレナが宥め、ジャンヌが困った表情を浮かべる中、ガンモが呆れた表情を浮かべながら全員を落ち着かせる。
「まず、お互いの自己紹介を始めたらどうだ?お前達は顔見知りかもしれんが、俺はお前等の事は噂でしか聞いた事はない」
「あたしもあんたの噂はよく耳にしているよ。ギガンの奴からもよく聞かされていたからね」
「ふんっ……まあ、いいだろう」
ガンモの言葉に全員が納得すると、改めて各々が自己紹介をする事になった。まずは最初に言い出しっぺのガンモから名乗りを行う。
「俺の名前はガンモ、職業は重騎士と格闘家だ。牙竜のギルドに努めてから20年は経つ。階級はAランクだ」
「重騎士?」
「あたし達が扱う大剣みたいな重量感のある武器や装備を身に着けて戦う事に特化した騎士職さ。ゴウライと同じ職業だね」
「そう言う事だ。盾騎士の防衛力、槍騎士の攻撃力はないが両者の職業の中間に位置する職業だと考えればいい」
騎士の職業も複数存在し、例えば最強の剣士であるゴウライは「重騎士」と呼ばれる職業である。攻撃能力は低いが防御に特化した「盾騎士」攻撃力は優れているが防御面が弱い「槍騎士」他にも習得条件が難しい「聖騎士」なども存在する。
牙竜のギルドに努めるガンモは20年以上も冒険者稼業を行うベテランの巨人族の戦士で実力は高い。実際に牙竜のAランク冒険者の中でも頭一つとびぬけた戦闘力を誇り、過去に冒険者集団で牙竜の討伐を果たした実績もあった。
「なら、次はあたしの番だね。黒虎のギルドマスターのバルだよ。職業は剣士と格闘家さ、階級は元Aランクだよ」
「あれ?Aランクなの?てっきり、Sランクぐらい昇格してたと思ったけど……」
「あたしをマリアやアイラさんと一緒にするんじゃないよ!!Sランクなんて冒険者の中でもあの二人のように天賦の才に恵まれた人間にしか与えられない階級なんだよ!!」
レナはバルが現役時代だった頃はSランクの冒険者だと思っていたが、実際の所はバルはAランクで引退していたらしい。
「次は儂か……名前はロウガ、職業は剣士と狩人、階級はAランクだ。一応は剣聖の称号を持つ」
「獣の剣聖か……お前とは巡り合う機会は滅多になかったが、噂はよく耳にしている」
「ふん、目上の者に対して随分な態度だな?」
「年上と目上は違うと思うがな」
「おいおい、何であんたらそんなに喧嘩腰なんだい!!止めな、馬鹿っ!!」
ロウガの言葉にガンモは皮肉を言い返すと、二人はお互いに視線を向けて火花を散らせる。慌ててバルが間に入って止めると、ジャンヌも慌てて場の雰囲気を変えるために自己紹介を行う。
「つ、次は私ですね?私の名前はジャンヌ、職業は騎士の固有職です。階級はAランクですが、他の剣聖の皆さんと比べてもAランクに昇格して日は浅いと思います」
「ジャンヌよ、謙遜するんじゃない。お前の才能と実力は俺も他の者もよく知っておる、お前はいずれ剣聖の頂点に立つ逸材だとマリア様もおっしゃられていた事を忘れるな」
「そんな……私など、ゴウライ様やハヤテ様と比べてもまだまだ足元にも及びません!!」
「あまり自分を卑下するな、お前と同世代の剣士の中で才能という点においてはお前を勝る者はいないのだぞ」
「おっと、そいつは聞き捨てならないね。それならどうして闘技祭の時にうちの弟子がその嬢ちゃんに勝てたんだい?才能と実力という点ならアイラさんの実の息子であるレナだって負けてないよ!!」
「あれ、何で急にうちの子が凄いみたいな自慢話になってきたの?」
ジャンヌの剣の才能を褒め称えるロウガに対してバルが反論すると、彼は不満そうな表情を浮かべてレナを見つめ、明らかな敵意を抱いた様子で口を開く。
「……確かにお前が強い事は認めよう。あの大将軍であるミドルを打ち破ったという実績がある事も忘れてはいない。だが……こいつは剣鬼だ。いずれ我々の敵になり得る存在になるかもしれないという事を忘れるな」
「剣鬼……だと?」
「はっ!!何を言うかと思えば……剣鬼だからどうしたっていうんだい?あたしだってマリアさんだってそう呼ばれていた時期もあるんだ。呼び名なんかどうだっていいだろう?」
「違う!!この男は……いずれ、人殺しの欲に溺れ、いずれ悪鬼と化す!!剣鬼とはそういう存在なのだ!!」
ロウガは興奮したように言い返すと、他の者達は黙り込み、レナは頭を掻く。ロウガがどうして「剣鬼」という存在を極端に警戒しているのかはレナ達には分からないが、以前にシュンと共に剣鬼の存在の危険性をロウガから教わったジャンヌは恐る恐る口を開く。
「ろ、ロウガ様……レナ様が剣鬼であるとどうして言い切れるのですか?私が知る限り、レナ様は決して人を斬る事に対して快楽を得るような危険な御方になるとは思えないのですが」
「そうだよ!!だいたい、こいつはそもそも魔術師なんだよ!?剣鬼になんてなるわけないだろうが!!」
「魔術師だからこそおかしいとは思わんのか!?何故、ただの魔術師がこの年齢であれほどの剣技を身に着ける事が出来た!!もしも剣の才能に恵まれていたというのならば剣士として生まれるはず!!なのにこいつは魔術師のみでありながら我々剣聖を退く程の実力を身に着けた!!これまでの歴史上、剣士や騎士以外の職業の人間が剣聖の領域に至ったという事例はない!!即ち、こいつが魔術師でありながら剣を極める事が出来るのは別の要因があるという事だ!!」
「別の要因……?」
「儂が調べた限り、歴史上で剣鬼と呼ばれた存在の中には職業が剣士や騎士に該当しない人間も存在したという。つまり、こいつが魔術師でありながら剣を極める事が出来たのは剣鬼である事に違いない!!正直に答えろ、お前は誰を殺してその力を手に入れた!!」
「っ……!!」
ロウガの言葉にレナは唇を噛み締め、自分が「剣鬼」の領域に至った日の事を思い出す。実の家族のように慕っていたアリアを殺した日、レナは「剣鬼」の称号を得た。その事を思い出したレナは無意識に拳を握り締めると、今まで黙って聞いていた他の者が即座に反論する。
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