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外伝 ~ヨツバ王国編~
仲間達の実力
「こ、こうなったらやってやる!!今の僕は強いんだ……シャドウ・ケルベロス!!」
「おおっ!?新技!?」
ダインは杖を突き出した瞬間、以前は狼の頭を想像させる闇属性の魔力の塊を放っていたが、今回はケルベロスを想像させる三つの頭を持つ黒犬を生み出す。外見はドーベルマンと酷似しており、ダインの放った三つ頭の黒犬は正面から近づいてきたゴブリンの3体に噛みつく。
「ギイイッ!?」
「ギィアッ!?」
「ギギィッ!?」
黒犬に噛みつかれたゴブリン達は生命力を乱されてその場に昏倒し、地面に倒れたまま動かなくなる。以前のシャドウ・バイトの魔法よりも格段に威力も性能も上昇しているため、仲間達はダインの成長ぶりに驚く。
「凄いダイン!!いつの間にこんな魔法を……」
「ふふっ……どうだ!!僕の力は……うわわっ!?残りが来た!?助けてレナぁっ!?」
「ちょ、途中まで格好良かったのに!?」
「プギィイイイッ!!」
ゴブリンを3体昏倒させる事には成功したが、連発は出来ないのか他の魔物が押し寄せるとダインは情けない声を上げてレナの後ろに隠れる。その様子にエリナは呆れてしまうが、ゴンゾウが皆を守るように前に出ると咆哮を放つ。
「俺が敵を引き寄せる……うおおおおっ!!」
『ッ……!?』
ゴンゾウが大声を上げた瞬間、周囲の魔物達は一瞬だけ硬直し、ゴンゾウに注意を引く。最近になって覚えた「咆哮」と呼ばれる新しい能力で大声を上げる事で敵の注意を引く技能スキルだった。魔物達は標的をゴンゾウに定めると、彼に向けて突進してきた。
「プギィイイッ!!」
「ガアアッ!!」
「乱打!!」
オークとコボルトが同時に飛び掛かった瞬間、ゴンゾウは両拳を構えるとボクシングのジャブのように一瞬にして数発の拳を撃ち込み、2体を吹き飛ばす。レナも素手の時は使用する戦技ではあるが、ゴンゾウの場合は巨人族の怪力と格闘家としての技術も合わさり、拳を叩きつけられた箇所は陥没する程の威力を誇る。
「プギャアッ!?」
「ギャアッ!?」
「ギギ……ギギィイイッ!!」
「ガアアッ!!」
2体の魔物が吹き飛ばされても他の魔物は気にした様子も見せず、倒れた魔物を踏み台にしてゴンゾウに向かう。普通の魔物ならばゴンゾウの力を見せつけられれば委縮するはずだが、樹肉の魔力に取り付かれた魔物達は理性も失い、敵を襲う。
迫りくる魔物の群れに対してゴンゾウは防御を固めて仲間を守ろうとした時、コトミンは前に出るとスラミンを胸元に抱えて地面に大量の水を放つ。
「スラミン、放水」
「ぷるっしゃあああっ!!」
『ギィイイイッ!?』
大量の水をスラミンの口から解き放たれ、冷水を浴びた魔物達は怯んでしまい、視界も一瞬だが奪われた。どうやらスラミンに事前に水属性の魔石を食べさせる事で冷たい水を大量に放水する事が出来るらしく、更にコトミンはスラミンを抱えた状態で掌を前に構えると、水を掴み取って「槍」の形に変形させて投擲する。
「人魚族の秘技、水槍」
「ガアッ!?」
「うわ、コトミン格好いい!!」
槍の形をした水がコボルトの顔面を打ち抜き、そのまま地面へ転倒させる。流石に本物の槍程の威力はないようだが、コボルトは脳震盪を起こしたのか目を覚ます様子はない。やがてスラミンが放水を負える頃には水浸しになった魔物達で溢れ、地面も濡れて泥と化して足元の体勢を崩す。
「ギイイッ……!?」
「プギィッ……!?」
「ガアアッ……!?」
「もう動けないようっすね、でも止めを刺します!!」
エリナは師匠から受け取ったボーガンを腕に装着すると、矢筒から大量の矢を握り締め、次々と撃ち抜く。一度の射撃に3発は放ち、それでいながら魔物達の急所を確実に撃ち抜く。
「連射!!」
「ギィアアアッ!?」
「プギャアッ!?」
「ウガァッ!?」
「おおっ……皆、頼りになるな」
自分が手を出す暇もなく魔物達を一掃した仲間達の姿にレナは心強さを覚える一方、自分一人だけ何もしなかった事に後ろめたさを感じた時、奥の方から大型の魔獣が姿を現した。
「ウオオオオッ……!!」
「ちょ、この草原ってトロールまでいるのか!?」
「また面倒な奴が来ましたね……トロールはオークよりも分厚い脂肪に覆われて矢も上手く当たらないっす」
「トロールか……強敵という程ではないが、このぬかるんだ地面では足元の踏ん張りが効かない。こちらに来るまで待つしかないか」
「むうっ……スラミンが頑張り過ぎた」
「ぷるぷるっ……」
スラミンの放水によって魔物達の足止めには成功したが、その際に地面に水浸しにした事で足元が緩みやすくなり、接近戦に不利が生じた。大量の水を吐き出した事で萎れたスラミンが申し訳なさそうな声を上げるが、それに対してレナは慰めるように頭を撫でるとトロールに向けて退魔刀を構える。
「いや、スラミンはよくやったよ。後は俺に任せて」
「兄貴?この距離で何をするんですか?」
「いいから見てなよ……トロールか、昔は倒すのに苦労させられたな」
「ウウッ……オオオオッ!!」
トロールは地面がぬかるんでいようと気にせずにレナ達の元へ駆けつけ、握りしめた棍棒を振り回す。その光景を見てレナは冒険者ギルドに入ったばかりの頃にトロールに苦戦した事を思い出しながらも退魔刀を構える。あの頃よりも自分がどれほど成長しているのか確かめると、全力で挑む事にした。
足場は濡れているので「縮地」などの移動術は使用できず、敵がわざわざこちらの地面にまで接近するまで待つという手段もあった。だが、体格差や武器のリーチに関してはトロールの方が上回るため、接近戦は僅かながらにレナの不利になる。ならば狙うとしたらトロールが塗れ湿った地面を移動中の今が絶好の好機だと判断したレナは魔物達の死骸に視線を向け、退魔刀を抱えた状態で駆け出す。
(この地面なら撃剣の技術は使えない……なら、加速剣撃で威力を高めて一撃で仕留める!!)
得意とする「瞬動術」の能力を発動させたレナは加速した状態で跳躍を行い、魔物の死骸を足場にしてトロールへと接近する。そのあまりの速さは常人では視界に捉えきれず、トロールも接近するレナを見ても早すぎて反応が間に合わず、目を見開く事しか出来なかった。
「――旋風!!」
「ウオッ……!?」
次の瞬間、レナはトロールの目の前で退魔刀を横薙ぎに振り払うと、トロールの頭部を切り裂き、胴体と首を二つに分かれて地面に倒れ込む。頭だけの状態になったトロールは自分が切られたという事実を理解した時には既に命はなく、痛みを感じる暇もなく呆気に取られた表情で死んでしまう。
「おっとっと……飛びすぎちゃったよ」
『戦技「飛剣」を習得しました』
「あれ、久しぶりにこの画面が出てきたな……新しい戦技を覚えちゃったよ」
地面に着陸したレナの視界に新しい能力を覚えた画面が表示され、ここに来て「飛剣」という戦技を覚えたらしい。内容は跳躍状態で斬撃を放つ戦技らしく、本来は獣人族向けの戦技ではあるが、レナの並外れた身体能力と剣の技術によって覚えたらしい。
「よし、これで全部倒したみたいだし……皆、先に行こうか!!」
『…………』
「あれ……どうしたの皆?」
何事もなかったようにレナは目的地の大樹を指差して仲間を誘うが、その様子を見たコトミン達は何とも言えない表情を浮かべ、自分達とレナの力の差を思い知らされ、本当に自分達が彼の手伝いをする必要があるのか、そもそもレナ一人だけで事足りるのではないかと考えてしまう。
「おおっ!?新技!?」
ダインは杖を突き出した瞬間、以前は狼の頭を想像させる闇属性の魔力の塊を放っていたが、今回はケルベロスを想像させる三つの頭を持つ黒犬を生み出す。外見はドーベルマンと酷似しており、ダインの放った三つ頭の黒犬は正面から近づいてきたゴブリンの3体に噛みつく。
「ギイイッ!?」
「ギィアッ!?」
「ギギィッ!?」
黒犬に噛みつかれたゴブリン達は生命力を乱されてその場に昏倒し、地面に倒れたまま動かなくなる。以前のシャドウ・バイトの魔法よりも格段に威力も性能も上昇しているため、仲間達はダインの成長ぶりに驚く。
「凄いダイン!!いつの間にこんな魔法を……」
「ふふっ……どうだ!!僕の力は……うわわっ!?残りが来た!?助けてレナぁっ!?」
「ちょ、途中まで格好良かったのに!?」
「プギィイイイッ!!」
ゴブリンを3体昏倒させる事には成功したが、連発は出来ないのか他の魔物が押し寄せるとダインは情けない声を上げてレナの後ろに隠れる。その様子にエリナは呆れてしまうが、ゴンゾウが皆を守るように前に出ると咆哮を放つ。
「俺が敵を引き寄せる……うおおおおっ!!」
『ッ……!?』
ゴンゾウが大声を上げた瞬間、周囲の魔物達は一瞬だけ硬直し、ゴンゾウに注意を引く。最近になって覚えた「咆哮」と呼ばれる新しい能力で大声を上げる事で敵の注意を引く技能スキルだった。魔物達は標的をゴンゾウに定めると、彼に向けて突進してきた。
「プギィイイッ!!」
「ガアアッ!!」
「乱打!!」
オークとコボルトが同時に飛び掛かった瞬間、ゴンゾウは両拳を構えるとボクシングのジャブのように一瞬にして数発の拳を撃ち込み、2体を吹き飛ばす。レナも素手の時は使用する戦技ではあるが、ゴンゾウの場合は巨人族の怪力と格闘家としての技術も合わさり、拳を叩きつけられた箇所は陥没する程の威力を誇る。
「プギャアッ!?」
「ギャアッ!?」
「ギギ……ギギィイイッ!!」
「ガアアッ!!」
2体の魔物が吹き飛ばされても他の魔物は気にした様子も見せず、倒れた魔物を踏み台にしてゴンゾウに向かう。普通の魔物ならばゴンゾウの力を見せつけられれば委縮するはずだが、樹肉の魔力に取り付かれた魔物達は理性も失い、敵を襲う。
迫りくる魔物の群れに対してゴンゾウは防御を固めて仲間を守ろうとした時、コトミンは前に出るとスラミンを胸元に抱えて地面に大量の水を放つ。
「スラミン、放水」
「ぷるっしゃあああっ!!」
『ギィイイイッ!?』
大量の水をスラミンの口から解き放たれ、冷水を浴びた魔物達は怯んでしまい、視界も一瞬だが奪われた。どうやらスラミンに事前に水属性の魔石を食べさせる事で冷たい水を大量に放水する事が出来るらしく、更にコトミンはスラミンを抱えた状態で掌を前に構えると、水を掴み取って「槍」の形に変形させて投擲する。
「人魚族の秘技、水槍」
「ガアッ!?」
「うわ、コトミン格好いい!!」
槍の形をした水がコボルトの顔面を打ち抜き、そのまま地面へ転倒させる。流石に本物の槍程の威力はないようだが、コボルトは脳震盪を起こしたのか目を覚ます様子はない。やがてスラミンが放水を負える頃には水浸しになった魔物達で溢れ、地面も濡れて泥と化して足元の体勢を崩す。
「ギイイッ……!?」
「プギィッ……!?」
「ガアアッ……!?」
「もう動けないようっすね、でも止めを刺します!!」
エリナは師匠から受け取ったボーガンを腕に装着すると、矢筒から大量の矢を握り締め、次々と撃ち抜く。一度の射撃に3発は放ち、それでいながら魔物達の急所を確実に撃ち抜く。
「連射!!」
「ギィアアアッ!?」
「プギャアッ!?」
「ウガァッ!?」
「おおっ……皆、頼りになるな」
自分が手を出す暇もなく魔物達を一掃した仲間達の姿にレナは心強さを覚える一方、自分一人だけ何もしなかった事に後ろめたさを感じた時、奥の方から大型の魔獣が姿を現した。
「ウオオオオッ……!!」
「ちょ、この草原ってトロールまでいるのか!?」
「また面倒な奴が来ましたね……トロールはオークよりも分厚い脂肪に覆われて矢も上手く当たらないっす」
「トロールか……強敵という程ではないが、このぬかるんだ地面では足元の踏ん張りが効かない。こちらに来るまで待つしかないか」
「むうっ……スラミンが頑張り過ぎた」
「ぷるぷるっ……」
スラミンの放水によって魔物達の足止めには成功したが、その際に地面に水浸しにした事で足元が緩みやすくなり、接近戦に不利が生じた。大量の水を吐き出した事で萎れたスラミンが申し訳なさそうな声を上げるが、それに対してレナは慰めるように頭を撫でるとトロールに向けて退魔刀を構える。
「いや、スラミンはよくやったよ。後は俺に任せて」
「兄貴?この距離で何をするんですか?」
「いいから見てなよ……トロールか、昔は倒すのに苦労させられたな」
「ウウッ……オオオオッ!!」
トロールは地面がぬかるんでいようと気にせずにレナ達の元へ駆けつけ、握りしめた棍棒を振り回す。その光景を見てレナは冒険者ギルドに入ったばかりの頃にトロールに苦戦した事を思い出しながらも退魔刀を構える。あの頃よりも自分がどれほど成長しているのか確かめると、全力で挑む事にした。
足場は濡れているので「縮地」などの移動術は使用できず、敵がわざわざこちらの地面にまで接近するまで待つという手段もあった。だが、体格差や武器のリーチに関してはトロールの方が上回るため、接近戦は僅かながらにレナの不利になる。ならば狙うとしたらトロールが塗れ湿った地面を移動中の今が絶好の好機だと判断したレナは魔物達の死骸に視線を向け、退魔刀を抱えた状態で駆け出す。
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「――旋風!!」
「ウオッ……!?」
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「おっとっと……飛びすぎちゃったよ」
『戦技「飛剣」を習得しました』
「あれ、久しぶりにこの画面が出てきたな……新しい戦技を覚えちゃったよ」
地面に着陸したレナの視界に新しい能力を覚えた画面が表示され、ここに来て「飛剣」という戦技を覚えたらしい。内容は跳躍状態で斬撃を放つ戦技らしく、本来は獣人族向けの戦技ではあるが、レナの並外れた身体能力と剣の技術によって覚えたらしい。
「よし、これで全部倒したみたいだし……皆、先に行こうか!!」
『…………』
「あれ……どうしたの皆?」
何事もなかったようにレナは目的地の大樹を指差して仲間を誘うが、その様子を見たコトミン達は何とも言えない表情を浮かべ、自分達とレナの力の差を思い知らされ、本当に自分達が彼の手伝いをする必要があるのか、そもそもレナ一人だけで事足りるのではないかと考えてしまう。
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