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外伝 ~ヨツバ王国編~
最強の剣鬼VS居合の剣聖
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レナとハヤテは向かい合った瞬間、二人はお互いの武器を握り締め、初手から渾身の一撃を放つため、レナは全身全霊の一撃を繰り出し、ハヤテも自分が誇る最強の剣技を放つ。
「一刀両断」
『居合一式、斬』
正面から振り下ろされた退魔刀の刃に対してハヤテは鞘から引き抜いた刀を放ち、最強の剣撃と神速の斬撃が交じり合った瞬間、激しい金属音と衝撃波が周囲に襲い掛かる。結果としては引き分けに終わり、お互いの身体が弾かれるように後退る。
「くっ……!?」
『馬鹿なっ……!?』
レナもハヤテも自分の武器が弾かれたという事実に動揺を隠せず、確実に相手を仕留めるつもりで放った一撃だったが、どちらも腕を痺れた程度で傷一つ負わずに引き下がってしまう。レナは震える腕で退魔刀を構えながらハヤテを見据え、冷や汗を流す。
これまでにレナが相手してきた剣士の中でもハヤテの斬撃は早く、恐らくはミドルやゴウライでさえも上回る速度で攻撃を繰り出せるだろう。ハヤテの方も確実に仕留めるつもりで放った攻撃を真正面から跳ね返したレナに対して脅威を抱いたのか額に汗を滲ませていた。
『私の刀を受けて生き残る奴がいるなんて……ゴウライ以来だ』
「案外、結構あんたの剣を受けても生き残れる奴はいると思うよ?」
『戯言を……ほざくな!!』
レナの言葉を挑発と受け取ったハヤテは鞘に刀を戻し、七大魔剣「青嵐」の力を発揮するため、意識を集中させる。彼女は弟子のシュンと異なり、攻撃の際に生じさせる「風の斬撃」は単発でしか生み出せない。彼女の斬撃はシュンの斬撃よりも威力は高いが、鞘から刀を引き抜く「抜刀」や「居合」の戦技を発動させなければ斬撃を繰り出せない弱点が存在した。
シュンは剣を振るだけで刀身に纏わせた風の魔力を斬撃へと変換させて攻撃を行えるが、ハヤテの場合は彼のように器用な真似は出来ず、そもそも森人族でありながら彼女は魔法を不得手としていた。特に精霊魔法に関しては風の精霊を呼び集め、自分の攻撃の補助を行う程度の事しか出来ず、だからこそ彼女は攻撃の度に精霊を呼び集めるために時間が掛かってしまう。
ハヤテやシュンの生み出す「風の斬撃」の正式名称は「斬波」と呼ばれ、この斬波を扱える森人族の剣士は限りなく少なく、ヨツバ王国中を探したとしても5人も存在しない。刀身に風の魔力を纏わせるだけではなく、それを斬撃へと変化させて攻撃を行う技術は習得するのに最低でも数十年の月日を費やす必要があった。
(私の斬波は発動するのに時間が掛かる……けど、この青嵐を使えば時間を短縮するだけでなく威力を最大限に強化出来る)
ハヤテは自分が握りしめる七大魔剣「青嵐」に視線を向け、この魔剣を使用する間は彼女の斬波は最大限に強化され、更に短時間での発動を行えた。
「居合ニ式・連斬!!」
「くっ!?」
レナに向けてハヤテは鞘から引き抜いた刀を「十」の文字を想像させる斬撃を放ち、二つに重なった斬波に対してレナは退魔刀を地面に突きさして受け止める。
「うおおおっ!!」
退魔刀の頑丈さと耐久性を生かしてハヤテの斬撃を受け止め、そのまま地面を抉りながら数メートルほど後退すると斬波の効果が薄れ、消散させる事に成功した。それを見たハヤテは舌打ちを行い、先ほどから幾度も攻撃を加えたにも関わらずに刃毀れどころか掠り傷さえ追わないレナの退魔刀の硬度に苛立つ。
(あの大剣、普通じゃないのか?ミスリル程度の武器なら破壊出来る私の斬波を受けて無傷なんて……許せない!!)
自分の攻撃を受けても無傷を誇るレナの退魔刀に対してハヤテは無性に対抗心を抱き、彼女は青嵐の能力を発揮させ、刀身に竜巻を纏わせた状態で刃を繰り出す。
『秘剣、撃嵐!!』
「なんだ!?」
「た、竜巻!?」
「不味い、離れろっ!!」
ハヤテが剣を振りぬいた瞬間、刀身に渦巻いていた竜巻が放たれ、正面に存在する全ての物を薙ぎ払う。慌てて軌道上に存在した者達は竜巻から逃れるために逃げ惑うが、レナは迫りくる竜巻に対して右手を向けて風の聖痕を発動させた。
「消えろっ!!」
『なんだと!?』
レナが叫んだ瞬間、風の聖痕の力によってハヤテの生み出した竜巻は消散し、それを見たハヤテは目を見開く。だが、その隙を逃さずにレナは瞬動術を発動させて彼女との距離を縮めると、腰に差していた反鏡剣を引き抜いて繰り出す。
「抜刀!!」
『ぐぅっ!?』
鞘から剣を引き抜く際に刃を加速させて攻撃を加えたレナに対し、ハヤテは咄嗟に青嵐で受け止めるが、それを見越してレナはもう片方の大剣を反鏡剣に叩きつける。
「うおおっ!!」
『このっ……流水!!』
「くっ!?」
鍔迫り合いの状態から力尽くで押し返そうとしたレナに対し、咄嗟にハヤテは相手の攻撃を誘導して反撃を繰り出す流水の戦技を発動させ、逆にレナの身体を押し返して弾き飛ばす。しかし、距離を取る前にレナは両手の剣を構えると、先に覚えた戦技を発動させた。
「剣舞!!」
『なっ……馬鹿なっ!?』
両手に剣を握り締めた状態でレナは接近すると、無数の斬撃を繰り出す。ハヤテの目には残像を生み出す程の速度でレナが攻撃を繰り出しているようにしか見えず、彼女は全ての斬撃を防ぎきれないと判断して上空へ跳躍して回避するしかなかった。
「つうっ……やっぱり、まだ両手は無理があったか」
『剣舞まで扱えるとは……お前の事を舐めていた』
「まだまだ!!」
レナは両手が痺れる感覚に襲われながらも後方へ移動したハヤテに振り返り、攻撃を緩めずに今度は両手に紅色の魔力を滲ませ、突進する。
「飛剣!!」
『流水……くっ!?』
瞬動術を利用してハヤテに接近したレナは両手の剣を別々の方向から振りぬくと、ハヤテは流水の戦技を発動させて攻撃の軌道を反らそうとしたが、別方向から繰り出された退魔刀と反鏡剣を弾く事が精いっぱいでハヤテは地面に倒れ込む。完全ではないとはいえ、攻撃を返されたレナも体勢を崩すが、ハヤテよりも先にレナは追撃を加えた。
「加速剣撃……兜割り!!」
『あぐぅっ!?』
「や、やった!!」
ハヤテが起き上がる前にレナの振り下ろした退魔刀が彼女に衝突し、反射的に青嵐で退魔刀の刃を受け止める事には成功したが衝撃までは殺しきれず、ハヤテは呻き声をあげる。
「うおおおっ!!」
『ぐぅうっ……!?』
「や、止めろ!!殺すつもりか!?」
レナは退魔刀を押し込み、このままハヤテの身体を押し潰す勢いだった。それを見た氷雨の冒険者が止めようとしたが、それを牙竜の冒険者が抑えつけた。
「何を言っている!!奴は敵だぞ!?このまま止めを刺すべきだ!!」
「そんなっ!?」
「さっき奴自身が言っていただろう!!もうお前たちの事は仲間ではないと!!ここで殺さなければ我々が危ないんだぞ!!」
「そ、それは……」
牙竜の冒険者の言葉に止めに入ろうとした冒険者達は戸惑い、先ほど自分達に躊躇なく攻撃をしてきたハヤテの行動を思い出す。ここでレナを止めればハヤテに今度こそ殺されてしまうかもしれず、だからといって今まで仲間として行動していたハヤテを見殺しにする事が正しい事なのかと葛藤する。
冒険者達が考えている間にもレナは片腕で握り締めていた退魔刀の刃を両手に持ち替え、青嵐の力を利用して刀身に風の魔力を纏わせて押し上げようとしてくるハヤテを抑えつけた。
※申し訳ありませんが、明日からは2000文字に戻させてもらいます。余裕を取り戻せれば文字数を元に戻します。
「一刀両断」
『居合一式、斬』
正面から振り下ろされた退魔刀の刃に対してハヤテは鞘から引き抜いた刀を放ち、最強の剣撃と神速の斬撃が交じり合った瞬間、激しい金属音と衝撃波が周囲に襲い掛かる。結果としては引き分けに終わり、お互いの身体が弾かれるように後退る。
「くっ……!?」
『馬鹿なっ……!?』
レナもハヤテも自分の武器が弾かれたという事実に動揺を隠せず、確実に相手を仕留めるつもりで放った一撃だったが、どちらも腕を痺れた程度で傷一つ負わずに引き下がってしまう。レナは震える腕で退魔刀を構えながらハヤテを見据え、冷や汗を流す。
これまでにレナが相手してきた剣士の中でもハヤテの斬撃は早く、恐らくはミドルやゴウライでさえも上回る速度で攻撃を繰り出せるだろう。ハヤテの方も確実に仕留めるつもりで放った攻撃を真正面から跳ね返したレナに対して脅威を抱いたのか額に汗を滲ませていた。
『私の刀を受けて生き残る奴がいるなんて……ゴウライ以来だ』
「案外、結構あんたの剣を受けても生き残れる奴はいると思うよ?」
『戯言を……ほざくな!!』
レナの言葉を挑発と受け取ったハヤテは鞘に刀を戻し、七大魔剣「青嵐」の力を発揮するため、意識を集中させる。彼女は弟子のシュンと異なり、攻撃の際に生じさせる「風の斬撃」は単発でしか生み出せない。彼女の斬撃はシュンの斬撃よりも威力は高いが、鞘から刀を引き抜く「抜刀」や「居合」の戦技を発動させなければ斬撃を繰り出せない弱点が存在した。
シュンは剣を振るだけで刀身に纏わせた風の魔力を斬撃へと変換させて攻撃を行えるが、ハヤテの場合は彼のように器用な真似は出来ず、そもそも森人族でありながら彼女は魔法を不得手としていた。特に精霊魔法に関しては風の精霊を呼び集め、自分の攻撃の補助を行う程度の事しか出来ず、だからこそ彼女は攻撃の度に精霊を呼び集めるために時間が掛かってしまう。
ハヤテやシュンの生み出す「風の斬撃」の正式名称は「斬波」と呼ばれ、この斬波を扱える森人族の剣士は限りなく少なく、ヨツバ王国中を探したとしても5人も存在しない。刀身に風の魔力を纏わせるだけではなく、それを斬撃へと変化させて攻撃を行う技術は習得するのに最低でも数十年の月日を費やす必要があった。
(私の斬波は発動するのに時間が掛かる……けど、この青嵐を使えば時間を短縮するだけでなく威力を最大限に強化出来る)
ハヤテは自分が握りしめる七大魔剣「青嵐」に視線を向け、この魔剣を使用する間は彼女の斬波は最大限に強化され、更に短時間での発動を行えた。
「居合ニ式・連斬!!」
「くっ!?」
レナに向けてハヤテは鞘から引き抜いた刀を「十」の文字を想像させる斬撃を放ち、二つに重なった斬波に対してレナは退魔刀を地面に突きさして受け止める。
「うおおおっ!!」
退魔刀の頑丈さと耐久性を生かしてハヤテの斬撃を受け止め、そのまま地面を抉りながら数メートルほど後退すると斬波の効果が薄れ、消散させる事に成功した。それを見たハヤテは舌打ちを行い、先ほどから幾度も攻撃を加えたにも関わらずに刃毀れどころか掠り傷さえ追わないレナの退魔刀の硬度に苛立つ。
(あの大剣、普通じゃないのか?ミスリル程度の武器なら破壊出来る私の斬波を受けて無傷なんて……許せない!!)
自分の攻撃を受けても無傷を誇るレナの退魔刀に対してハヤテは無性に対抗心を抱き、彼女は青嵐の能力を発揮させ、刀身に竜巻を纏わせた状態で刃を繰り出す。
『秘剣、撃嵐!!』
「なんだ!?」
「た、竜巻!?」
「不味い、離れろっ!!」
ハヤテが剣を振りぬいた瞬間、刀身に渦巻いていた竜巻が放たれ、正面に存在する全ての物を薙ぎ払う。慌てて軌道上に存在した者達は竜巻から逃れるために逃げ惑うが、レナは迫りくる竜巻に対して右手を向けて風の聖痕を発動させた。
「消えろっ!!」
『なんだと!?』
レナが叫んだ瞬間、風の聖痕の力によってハヤテの生み出した竜巻は消散し、それを見たハヤテは目を見開く。だが、その隙を逃さずにレナは瞬動術を発動させて彼女との距離を縮めると、腰に差していた反鏡剣を引き抜いて繰り出す。
「抜刀!!」
『ぐぅっ!?』
鞘から剣を引き抜く際に刃を加速させて攻撃を加えたレナに対し、ハヤテは咄嗟に青嵐で受け止めるが、それを見越してレナはもう片方の大剣を反鏡剣に叩きつける。
「うおおっ!!」
『このっ……流水!!』
「くっ!?」
鍔迫り合いの状態から力尽くで押し返そうとしたレナに対し、咄嗟にハヤテは相手の攻撃を誘導して反撃を繰り出す流水の戦技を発動させ、逆にレナの身体を押し返して弾き飛ばす。しかし、距離を取る前にレナは両手の剣を構えると、先に覚えた戦技を発動させた。
「剣舞!!」
『なっ……馬鹿なっ!?』
両手に剣を握り締めた状態でレナは接近すると、無数の斬撃を繰り出す。ハヤテの目には残像を生み出す程の速度でレナが攻撃を繰り出しているようにしか見えず、彼女は全ての斬撃を防ぎきれないと判断して上空へ跳躍して回避するしかなかった。
「つうっ……やっぱり、まだ両手は無理があったか」
『剣舞まで扱えるとは……お前の事を舐めていた』
「まだまだ!!」
レナは両手が痺れる感覚に襲われながらも後方へ移動したハヤテに振り返り、攻撃を緩めずに今度は両手に紅色の魔力を滲ませ、突進する。
「飛剣!!」
『流水……くっ!?』
瞬動術を利用してハヤテに接近したレナは両手の剣を別々の方向から振りぬくと、ハヤテは流水の戦技を発動させて攻撃の軌道を反らそうとしたが、別方向から繰り出された退魔刀と反鏡剣を弾く事が精いっぱいでハヤテは地面に倒れ込む。完全ではないとはいえ、攻撃を返されたレナも体勢を崩すが、ハヤテよりも先にレナは追撃を加えた。
「加速剣撃……兜割り!!」
『あぐぅっ!?』
「や、やった!!」
ハヤテが起き上がる前にレナの振り下ろした退魔刀が彼女に衝突し、反射的に青嵐で退魔刀の刃を受け止める事には成功したが衝撃までは殺しきれず、ハヤテは呻き声をあげる。
「うおおおっ!!」
『ぐぅうっ……!?』
「や、止めろ!!殺すつもりか!?」
レナは退魔刀を押し込み、このままハヤテの身体を押し潰す勢いだった。それを見た氷雨の冒険者が止めようとしたが、それを牙竜の冒険者が抑えつけた。
「何を言っている!!奴は敵だぞ!?このまま止めを刺すべきだ!!」
「そんなっ!?」
「さっき奴自身が言っていただろう!!もうお前たちの事は仲間ではないと!!ここで殺さなければ我々が危ないんだぞ!!」
「そ、それは……」
牙竜の冒険者の言葉に止めに入ろうとした冒険者達は戸惑い、先ほど自分達に躊躇なく攻撃をしてきたハヤテの行動を思い出す。ここでレナを止めればハヤテに今度こそ殺されてしまうかもしれず、だからといって今まで仲間として行動していたハヤテを見殺しにする事が正しい事なのかと葛藤する。
冒険者達が考えている間にもレナは片腕で握り締めていた退魔刀の刃を両手に持ち替え、青嵐の力を利用して刀身に風の魔力を纏わせて押し上げようとしてくるハヤテを抑えつけた。
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◆ ◆ ◆
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話数は少ないですが、その割には文量が多いので暇なら読んでやって下さい。
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