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外伝 ~ヨツバ王国編~
ハヤテの撤退
「まさか……皆!!気を付けろ、コボルトの死骸の中に他の奴も混じっているかもしれない!!」
「えっ!?」
「何だって!?」
レナの言葉に冒険者達は周囲に倒れている魔物の死骸に視線を向けるが、ここが魔の草原であった事が災いし、周囲に無数の魔獣の死骸が並んでいた。しかも狩猟勝負のせいで魔物達は普段よりも数多くの死骸が形成されており、死骸の中に紛れて潜んでいる赤獣を選別する事は不可能に近い。
「ガアアッ!!」
「ぐあっ!?」
「なっ!?こ、こいつ……うわぁっ!!」
「そんなっ!?」
最悪の予想は的中し、死骸の中から数体のコボルトが動き出すと、真っ先に冒険者達へ攻撃を仕掛ける。通常のコボルト程度ならば対応できた冒険者達も、赤獣化した事によって能力が大幅に強化され、さらに狩猟勝負の影響で体力と魔力を削られていた冒険者達は苦戦を強いられる。
「このっ!!なんで当たらないんだよ!?」
「は、早い!?普通のコボルトの動きじゃないぞ!?」
「くそがっ、離れやがれ!!」
『ガアアアッ!!』
奇襲によって冷静さを欠いてしまった冒険者達に対してコボルトは動き回り、彼等を翻弄した。その間にも1体のコボルトがハヤテの元へ接近すると、彼女に背中を晒す。
「ガウッ!!」
『ちっ……私に指図するなレイビ!!』
「ガアアッ!!」
ハヤテは背中を向けてくるコボルトに怒鳴りつけるが、コボルトの方も抗議するかのように牙を剥き出しにして彼女に顔を近づける。その行為を見たレナはハヤテを逃がそうとしている事に気付き、二人を逃がさないために風の聖痕の力で強化した合成魔術を放つ。
「させるか……火炎刃!!」
『っ……!?』
右腕を突き出したレナは火属性と風属性と初級魔法と支援魔法の「付与強化」を組み合わせ、更に風の精霊の力を借りて強化した合成魔術を放つ。三日月の形を想像させる火炎の刃がハヤテとコボルトの元に放たれると、直後に爆発を引き起こす。
「うわっ!?」
「な、なんて威力の魔法……!?」
「あいつ、剣士じゃないのかよ!?」
あまりのレナの魔法の威力に冒険者達は驚かされるが、それを無視してレナは爆炎によって煙が生じた場所へ駆け出す。ここでハヤテを逃せば後々に不味い事態に陥る事は間違いなく、なんとしても彼女を仕留めるか、あるいは捕獲しなければならない。
「兜砕き!!」
煙に向けてレナは全身全霊の一撃を繰り出すと、大剣の空振りによって発生した剣圧によって煙が左右に切り裂かれるよう晴れるが、そこにはハヤテとコボルトの姿は存在せず、代わりに上空に人影が存在した。
『居合四式・輪!!』
「くっ!?」
上空にてコボルトの背中に乗ったハヤテが鞘から刀を引き抜き、円を描くようにレナに対して振り落とす。咄嗟に退魔刀で防ぐ事には成功したが、そのまま彼女が乗っているコボルトは退魔刀の刃を足場にして跳躍を行い、一目散に草原を駆け出す。
その様子を確認した他のコボルト達も冒険者達への攻撃を中断すると、彼女の後を追う様に移動を開始した。すぐに魔法が使える者達は追撃を行おうとしたが、残念ながらこれまでの連戦で殆どの魔術師が魔力を尽きていた。
『この勝負は預ける……だが、次は必ず決着を着ける!!』
「待て、ハヤテ!!シュンの奴も石像にされた事を知っているのか!?」
『……黙れ!!』
ロウガの最後の言葉にハヤテは怒りを露わにして怒鳴りつけると、そのままコボルトの背中に乗って退散した。すぐに何人かが追いかけようとしたが、真っ先にギンタロウが後を追う。
「待て、俺の領地でここまでの狼藉をしておきながら逃げられると思うか!!」
「ギンタロウさん!!俺も一緒に……」
「いや、少年は休んでいろ!!君はよくやったぞ!!」
レナもギンタロウに頼んで追いかけようとしたが、ギンタロウはそれを制して単独でハヤテの追跡を行う。位置的にギンタロウはレナと離れた場所に存在し、仮にレナを拾い上げるために時間を割いたらその隙にコボルト達を見失ってしまう可能性もあった。
他のケンタウロス族の兵士達もギンタロウの後に続き、コボルトに乗り込んだハヤテの追跡を行い、彼女が草原を抜け出す前に追いつこうとしたが、そんな彼等の前に森の方角から無数の魔物の群れが出現する。
「ギイイイッ!!」
「プギィイイッ!!」
「ウガァアアッ!!」
「何っ……ちぃっ!!今更樹肉の魔樹に反応して出てきたか!!」
草原内に存在する樹肉に反応して理性を失った魔物の群れが再び出現し、運が悪くギンタロウ達の進行方向へと現れた。ハヤテを乗せたコボルト達は魔物の群れに遭遇する前に草原を抜け出す事に成功して樹海の中に飛び込む。
「退けいっ!!魔物共が!!」
「将軍を援護しろ!!」
「ガアアッ!!」
「ギイイッ!!」
ギンタロウは必死に鉞を振り上げて魔物の群れを蹴散らそうとしたが、次々と樹海から樹肉を得るために理性を失った魔物の群れが出現し、ギンタロウ達を阻む――
「えっ!?」
「何だって!?」
レナの言葉に冒険者達は周囲に倒れている魔物の死骸に視線を向けるが、ここが魔の草原であった事が災いし、周囲に無数の魔獣の死骸が並んでいた。しかも狩猟勝負のせいで魔物達は普段よりも数多くの死骸が形成されており、死骸の中に紛れて潜んでいる赤獣を選別する事は不可能に近い。
「ガアアッ!!」
「ぐあっ!?」
「なっ!?こ、こいつ……うわぁっ!!」
「そんなっ!?」
最悪の予想は的中し、死骸の中から数体のコボルトが動き出すと、真っ先に冒険者達へ攻撃を仕掛ける。通常のコボルト程度ならば対応できた冒険者達も、赤獣化した事によって能力が大幅に強化され、さらに狩猟勝負の影響で体力と魔力を削られていた冒険者達は苦戦を強いられる。
「このっ!!なんで当たらないんだよ!?」
「は、早い!?普通のコボルトの動きじゃないぞ!?」
「くそがっ、離れやがれ!!」
『ガアアアッ!!』
奇襲によって冷静さを欠いてしまった冒険者達に対してコボルトは動き回り、彼等を翻弄した。その間にも1体のコボルトがハヤテの元へ接近すると、彼女に背中を晒す。
「ガウッ!!」
『ちっ……私に指図するなレイビ!!』
「ガアアッ!!」
ハヤテは背中を向けてくるコボルトに怒鳴りつけるが、コボルトの方も抗議するかのように牙を剥き出しにして彼女に顔を近づける。その行為を見たレナはハヤテを逃がそうとしている事に気付き、二人を逃がさないために風の聖痕の力で強化した合成魔術を放つ。
「させるか……火炎刃!!」
『っ……!?』
右腕を突き出したレナは火属性と風属性と初級魔法と支援魔法の「付与強化」を組み合わせ、更に風の精霊の力を借りて強化した合成魔術を放つ。三日月の形を想像させる火炎の刃がハヤテとコボルトの元に放たれると、直後に爆発を引き起こす。
「うわっ!?」
「な、なんて威力の魔法……!?」
「あいつ、剣士じゃないのかよ!?」
あまりのレナの魔法の威力に冒険者達は驚かされるが、それを無視してレナは爆炎によって煙が生じた場所へ駆け出す。ここでハヤテを逃せば後々に不味い事態に陥る事は間違いなく、なんとしても彼女を仕留めるか、あるいは捕獲しなければならない。
「兜砕き!!」
煙に向けてレナは全身全霊の一撃を繰り出すと、大剣の空振りによって発生した剣圧によって煙が左右に切り裂かれるよう晴れるが、そこにはハヤテとコボルトの姿は存在せず、代わりに上空に人影が存在した。
『居合四式・輪!!』
「くっ!?」
上空にてコボルトの背中に乗ったハヤテが鞘から刀を引き抜き、円を描くようにレナに対して振り落とす。咄嗟に退魔刀で防ぐ事には成功したが、そのまま彼女が乗っているコボルトは退魔刀の刃を足場にして跳躍を行い、一目散に草原を駆け出す。
その様子を確認した他のコボルト達も冒険者達への攻撃を中断すると、彼女の後を追う様に移動を開始した。すぐに魔法が使える者達は追撃を行おうとしたが、残念ながらこれまでの連戦で殆どの魔術師が魔力を尽きていた。
『この勝負は預ける……だが、次は必ず決着を着ける!!』
「待て、ハヤテ!!シュンの奴も石像にされた事を知っているのか!?」
『……黙れ!!』
ロウガの最後の言葉にハヤテは怒りを露わにして怒鳴りつけると、そのままコボルトの背中に乗って退散した。すぐに何人かが追いかけようとしたが、真っ先にギンタロウが後を追う。
「待て、俺の領地でここまでの狼藉をしておきながら逃げられると思うか!!」
「ギンタロウさん!!俺も一緒に……」
「いや、少年は休んでいろ!!君はよくやったぞ!!」
レナもギンタロウに頼んで追いかけようとしたが、ギンタロウはそれを制して単独でハヤテの追跡を行う。位置的にギンタロウはレナと離れた場所に存在し、仮にレナを拾い上げるために時間を割いたらその隙にコボルト達を見失ってしまう可能性もあった。
他のケンタウロス族の兵士達もギンタロウの後に続き、コボルトに乗り込んだハヤテの追跡を行い、彼女が草原を抜け出す前に追いつこうとしたが、そんな彼等の前に森の方角から無数の魔物の群れが出現する。
「ギイイイッ!!」
「プギィイイッ!!」
「ウガァアアッ!!」
「何っ……ちぃっ!!今更樹肉の魔樹に反応して出てきたか!!」
草原内に存在する樹肉に反応して理性を失った魔物の群れが再び出現し、運が悪くギンタロウ達の進行方向へと現れた。ハヤテを乗せたコボルト達は魔物の群れに遭遇する前に草原を抜け出す事に成功して樹海の中に飛び込む。
「退けいっ!!魔物共が!!」
「将軍を援護しろ!!」
「ガアアッ!!」
「ギイイッ!!」
ギンタロウは必死に鉞を振り上げて魔物の群れを蹴散らそうとしたが、次々と樹海から樹肉を得るために理性を失った魔物の群れが出現し、ギンタロウ達を阻む――
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