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外伝 ~ヨツバ王国編~
スパイの確保
「さてと、まずは他の仲間を見つけ出す前にお前の操作している魔獣を拘束させてもらうぞ」
「く、くそっ……ふざけるな!!」
「動かないでと言ったはずよ!!」
「ぐあっ!?」
反抗を試みようとしたアル・チウという名の男に対してシズネは剣の柄で頭部を叩きつけると、アル・チウは意識を失ったのか地面に倒れ込む。あわててダインが男の様子を調べると、気絶しただけなのか白目を剥いた状態で身体を痙攣させていた。
「うわぁっ……ちょっとやり過ぎたんじゃないの?」
「敵を相手に手加減する必要はないわ。それにこの男を取り逃がしたら他の斥候に私達の事を知らせていた可能性もあるもの」
「シズネの言う通りだ。だけど、気絶させたのはちょっと不味かったかも……」
「え?それってどういう……うわっ!?何だ!?」
アル・チウが意識を失ってから数秒後、屋根の方から激しい音が鳴り響き、建物の内側から全身が赤黒く染まったコボルトが姿を現す。
「ウォオオンッ!!」
「わああっ!?な、何でこんな所にこいつが!?」
「この男が使役してた赤獣だよ。多分、シズネが男を気絶に追い込んだ時に契約紋が解除されて解放されたんだろうね」
「……私の失敗ね」
魔物使いが使役する魔獣に刻んだ契約紋は、契約紋を刻んだ使役者が任意で解除するか、あるいは使役者が外部からの攻撃を受けて気絶すると解除する例もある。無論、魔物使いの力量が高い場合は簡単んいは契約紋は解除されない仕組みだが、レイビに斥候として送り込まれた者達は残念ながら魔物使いとしての力量は低かったらしく、気絶した際に使役していた魔獣を解放してしまったらしい。
どうやらアル・チウが使役していた魔獣は赤獣だったらしく、自由を取り戻した赤獣は建物から抜け出すと真っ先に地上のレナ達に視線を向け、牙を剥き出しにして襲い掛かる。
「ガアアッ!!」
「ひいいっ!?こっちに来る!!」
「ダイン、退いてなさい!!ここは私が……」
「いや、俺が何とかする」
上空から自分達に目掛けて降りてきた赤獣に対してレナは久々に拳を構えると、赤獣が降りてきた瞬間に勢いよく地面を両足で踏み込み、足の裏から足首、膝、股関節、腹部、胸、肩、肘、腕の順番に身体を回転及び加速させ、拳を撃ち込む。
「弾撃!!」
「ゲボォッ!?」
「わああっ!?殴り飛ばしたぁっ!?」
「……落ち着きなさいよ」
「ぷるぷるっ」
拳鬼と呼ばれた母親の血筋をしっかりと受け継いだレナの拳を腹部に受けたコボルトは血反吐を吐き散らしながら地面に倒れ込み、苦悶の表情を浮かべたまま意識を失ったのか動かなくなる。死んでいない事を確認するとレナは倒れているアル・チウを抱え上げ、ダインに声を掛ける。
「ダイン、影魔法でこいつを屋敷まで運ぶ事が出来る?」
「えっ!?僕がこいつを運ぶの!?」
「男の方はともかく、この赤獣まで連れて行くつもり?」
「殺してはいないから捕まえて弱点とか調べられるかもしれないからさ、とりあえずギンタロウさんの所に戻ろう」
「ええっ……こ、こんなのどうやって運べばいんだよ」
ダインは恐る恐る赤獣に近付き、完全に意識を失っている事を確認すると杖を構えて影魔法を発動させ、どうにか全身を拘束した状態で気絶中の赤獣の身体を操作して立ち上がらせる事に成功する。祖父のオウネンを倒していこう、ダインの影魔法は以前よりも強化され、意識を失っている相手も自由自在に動かせるようになっていた。
「ちょ、これ操作が難しい……あっ、不味いぶつかる!!」
「ギャインッ!?」
「ぎゃああっ!?やばっ、目を覚ました!!ちょっ、暴れるなって!!大人しくしろよ!?」
「相変わらず騒がしい男ね……これでいざというときは頼りになるのだから不思議だわ」
「ぷるるんっ」
悪戦苦闘しながらも赤獣を影魔法で操作して運び込むダインにスラミンを頭に乗せたシズネは呆れてしまうが、無事にレイビの配下を拘束する事に成功したレナ達はギンタロウの屋敷に急ぐ――
――数時間後、拘束したアル・チウから他の斥候の居場所を聞き出したギンタロウは即座に街中に潜んでいた斥候を全員捕縛し、牢獄へ送り込む。レナ達はレイビの配下を見つけ出した事を称賛され、ギンタロウから直々に礼を告げられる。
「いや、助かったぞ!!君達のお陰で遂にレイビの手下どもを捕まえる事に成功した!!礼を言う!!」
「……話は伺っていたけど、本当に騒がしい男ね」
「まあまあ、叔父さんは確かに声がデカいのが玉に瑕ですけど、凄くいい人なんですよ」
「そこ、聞こえてるぞ!!俺の声がデカいのは生まれつきだから諦めてくれ!!はっはっはっ!!」
ギンタロウとは改めて顔を合わせるシズネは彼のハイテンションぶりに若干引き気味だが、ギンタロウ本人は特に気にした風もなく、レナ達に感謝の言葉と捕まえた男から聞き出した情報を話す。
「く、くそっ……ふざけるな!!」
「動かないでと言ったはずよ!!」
「ぐあっ!?」
反抗を試みようとしたアル・チウという名の男に対してシズネは剣の柄で頭部を叩きつけると、アル・チウは意識を失ったのか地面に倒れ込む。あわててダインが男の様子を調べると、気絶しただけなのか白目を剥いた状態で身体を痙攣させていた。
「うわぁっ……ちょっとやり過ぎたんじゃないの?」
「敵を相手に手加減する必要はないわ。それにこの男を取り逃がしたら他の斥候に私達の事を知らせていた可能性もあるもの」
「シズネの言う通りだ。だけど、気絶させたのはちょっと不味かったかも……」
「え?それってどういう……うわっ!?何だ!?」
アル・チウが意識を失ってから数秒後、屋根の方から激しい音が鳴り響き、建物の内側から全身が赤黒く染まったコボルトが姿を現す。
「ウォオオンッ!!」
「わああっ!?な、何でこんな所にこいつが!?」
「この男が使役してた赤獣だよ。多分、シズネが男を気絶に追い込んだ時に契約紋が解除されて解放されたんだろうね」
「……私の失敗ね」
魔物使いが使役する魔獣に刻んだ契約紋は、契約紋を刻んだ使役者が任意で解除するか、あるいは使役者が外部からの攻撃を受けて気絶すると解除する例もある。無論、魔物使いの力量が高い場合は簡単んいは契約紋は解除されない仕組みだが、レイビに斥候として送り込まれた者達は残念ながら魔物使いとしての力量は低かったらしく、気絶した際に使役していた魔獣を解放してしまったらしい。
どうやらアル・チウが使役していた魔獣は赤獣だったらしく、自由を取り戻した赤獣は建物から抜け出すと真っ先に地上のレナ達に視線を向け、牙を剥き出しにして襲い掛かる。
「ガアアッ!!」
「ひいいっ!?こっちに来る!!」
「ダイン、退いてなさい!!ここは私が……」
「いや、俺が何とかする」
上空から自分達に目掛けて降りてきた赤獣に対してレナは久々に拳を構えると、赤獣が降りてきた瞬間に勢いよく地面を両足で踏み込み、足の裏から足首、膝、股関節、腹部、胸、肩、肘、腕の順番に身体を回転及び加速させ、拳を撃ち込む。
「弾撃!!」
「ゲボォッ!?」
「わああっ!?殴り飛ばしたぁっ!?」
「……落ち着きなさいよ」
「ぷるぷるっ」
拳鬼と呼ばれた母親の血筋をしっかりと受け継いだレナの拳を腹部に受けたコボルトは血反吐を吐き散らしながら地面に倒れ込み、苦悶の表情を浮かべたまま意識を失ったのか動かなくなる。死んでいない事を確認するとレナは倒れているアル・チウを抱え上げ、ダインに声を掛ける。
「ダイン、影魔法でこいつを屋敷まで運ぶ事が出来る?」
「えっ!?僕がこいつを運ぶの!?」
「男の方はともかく、この赤獣まで連れて行くつもり?」
「殺してはいないから捕まえて弱点とか調べられるかもしれないからさ、とりあえずギンタロウさんの所に戻ろう」
「ええっ……こ、こんなのどうやって運べばいんだよ」
ダインは恐る恐る赤獣に近付き、完全に意識を失っている事を確認すると杖を構えて影魔法を発動させ、どうにか全身を拘束した状態で気絶中の赤獣の身体を操作して立ち上がらせる事に成功する。祖父のオウネンを倒していこう、ダインの影魔法は以前よりも強化され、意識を失っている相手も自由自在に動かせるようになっていた。
「ちょ、これ操作が難しい……あっ、不味いぶつかる!!」
「ギャインッ!?」
「ぎゃああっ!?やばっ、目を覚ました!!ちょっ、暴れるなって!!大人しくしろよ!?」
「相変わらず騒がしい男ね……これでいざというときは頼りになるのだから不思議だわ」
「ぷるるんっ」
悪戦苦闘しながらも赤獣を影魔法で操作して運び込むダインにスラミンを頭に乗せたシズネは呆れてしまうが、無事にレイビの配下を拘束する事に成功したレナ達はギンタロウの屋敷に急ぐ――
――数時間後、拘束したアル・チウから他の斥候の居場所を聞き出したギンタロウは即座に街中に潜んでいた斥候を全員捕縛し、牢獄へ送り込む。レナ達はレイビの配下を見つけ出した事を称賛され、ギンタロウから直々に礼を告げられる。
「いや、助かったぞ!!君達のお陰で遂にレイビの手下どもを捕まえる事に成功した!!礼を言う!!」
「……話は伺っていたけど、本当に騒がしい男ね」
「まあまあ、叔父さんは確かに声がデカいのが玉に瑕ですけど、凄くいい人なんですよ」
「そこ、聞こえてるぞ!!俺の声がデカいのは生まれつきだから諦めてくれ!!はっはっはっ!!」
ギンタロウとは改めて顔を合わせるシズネは彼のハイテンションぶりに若干引き気味だが、ギンタロウ本人は特に気にした風もなく、レナ達に感謝の言葉と捕まえた男から聞き出した情報を話す。
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