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外伝 ~ヨツバ王国編~
ティナと魔獣の快進撃
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「むううっ……レナたんをこんな目に遭わせるなんて酷い!!私、兵士の人達に怒ってくるね!!」
「いや、怒ってくるって……俺は大丈夫だからさ」
レナはティナを落ち着かせようとしたが、急に酷い立ち眩みに襲われ、身体が倒れてしまう。それを見たティナは慌ててレナを受け止めると、身体が高熱を帯びている事に気付く。
「ううっ……!?」
「レナたん!?やっぱり大丈夫なんかじゃないよ!!」
「ティナ様、兄貴はあたしたちに任せて下さい!!だからティナ様は安全な場所で……」
「……もう我慢できない」
「え、ティナ様?」
ティナはレナをエリナに預けると、彼女の傍にアインとミノが近寄り、契約を交わしている主人の意思を読み取ったように跪く。その光景を見て他の者達はティナの様子がいつもと違う事に気付き、彼女は頂上へ続く山道を見て決意したように頷く。
「エリナ、レナたんを任せるね……」
「ティナ様?あの、どうしたんですか?なんかいつもよりぴりぴりしてません?」
「私だって怒る時は……怒るんだよ」
「ひっ!?」
「な、何だいこの緊張感は……!?」
「ま、不味い……この気配は俺が妻を怒らせたときと同じだ!!」
エリナにレナを預けたティナは普段の彼女ならば考えられない程の「威圧」を放ち、その威圧を感じ取った者達は冷や汗を流す。武人であるバルやギンタロウでさえも彼女から放たれる圧力を感じ取り、全員が動揺してしまう。
――アインとミノを従えたティナは山道に視線を向けると、全員に顔を振り向く。その彼女の顔を見た者達は何故かティナの背後に仁王像のような筋骨隆々の森人族の男性の姿が思い浮かんだ。
「私……もう、怒ったよ」
「ティナ、様?」
「私はもう怒ったよ!!とっても起こったよ~!!」
「ウォオオンッ!!」
「キュロロロッ!!」
「ブモォオオオッ!!」
「ヒヒィンッ!!」
「「ぷるるるんっ!!」」
ティナは叫び声をあげると同時に魔獣達が騒ぎ出し、一斉に山道を駆け上る。スラミンとヒトミンさえも興奮したかのように後に続き、ティナと魔獣達は山道を一気に駆け上って頂上へ向かう。
「え!?ちょ、ティナ王女様!?危険です、戻ってきてください!!」
「いかん!!すぐに王女様を止めろ!!」
「王女様!!戻ってきてください!!」
慌てて他の者達が彼女を止めようとしたが、ティナは白狼種のウルやユニコーンのユニコと同等の速度で駆け抜け、山道を巡回していた警備の兵士達に見つかってしまう。
「ん……な、何だ!?」
「ま、魔獣!?どうしてこんな場所に……」
「おい、こっちに来るぞ!?」
オロナ鉱山を守備する兵士達はティナと彼女に従うように並行する魔獣達の姿を見て驚愕し、一体何が起きているのか理解出来ずに慌てて戦闘体勢に入ろうとしたが、ティナは坂道を一気に登って兵士達の元へ突進する。
「退いてっ!!」
「うわぁっ!?」
「な、何だぁっ!?」
「ぎゃああっ!!」
ティナを止めようとした兵士達は彼女が突き出した掌を受けた途端に吹き飛び、次々と転倒して坂道を転がり落ちていく。しかも転倒した後にティナの後に続いた魔獣達に踏みつぶされ、兵士達の悲鳴が山中に響く。
「ウォオオンッ!!」
「キュロロッ!!」
「ブモォッ!!」
「ヒヒンッ!!」
「な、何なんだこいつらはぁっ!?」
「やめっ……こっちにくるなぁああっ!!」
白狼種、サイクロプス、ミノタウロス、ユニコーンという魔物の中でも危険度が高い魔獣達が迫りくる光景に兵士達は悲鳴をあげて逃げ惑う中、暴走したティナを止めるために他の者達も慌てて追いかけた。
「てぃ、ティナ様!!落ち着いて下さい、止まってぇええっ!!」
「ほら、お菓子をあげるから落ち着いて欲しいでござる!?」
「なんという速度だ……俺達、和国の忍者にも匹敵するぞ!?」
ティナを止めるためにエリナは大声を上げるが、先頭を走るティナは彼女の声が聞こえていないのか山道を駆け上る。その光景を見てギンタロウは何かを思い出したかの様に叫ぶ。
「駄目だ、あの状態のティナ王女は止める事は出来んぞ!!」
「ど、どういう事ですか!?あの状態とは一体何ですか!?」
「昔、一度だけティナ王女があのような状態に陥った事を俺は見た事がある!!デブリ国王が他の王族の方々を連れて狩猟に出かけた際、ティナ王女が当時可愛がっていた一角兎の子供がコボルトに襲われて怪我をした!!その時、ティナ王女が今のような状態に陥ってコボルトを追いかけ回した事がある!!しかもティナ王女はその時まだ5才だったはずだ!!」
「嘘でしょう!?」
5才の子供だったティナがコボルトを追いかけ回したという話を聞いて他の者達は激しく動揺するが、ギンタロウによると彼女は子供の頃から並外れた身体能力と魔力を持ち合わせていたという。
「いや、怒ってくるって……俺は大丈夫だからさ」
レナはティナを落ち着かせようとしたが、急に酷い立ち眩みに襲われ、身体が倒れてしまう。それを見たティナは慌ててレナを受け止めると、身体が高熱を帯びている事に気付く。
「ううっ……!?」
「レナたん!?やっぱり大丈夫なんかじゃないよ!!」
「ティナ様、兄貴はあたしたちに任せて下さい!!だからティナ様は安全な場所で……」
「……もう我慢できない」
「え、ティナ様?」
ティナはレナをエリナに預けると、彼女の傍にアインとミノが近寄り、契約を交わしている主人の意思を読み取ったように跪く。その光景を見て他の者達はティナの様子がいつもと違う事に気付き、彼女は頂上へ続く山道を見て決意したように頷く。
「エリナ、レナたんを任せるね……」
「ティナ様?あの、どうしたんですか?なんかいつもよりぴりぴりしてません?」
「私だって怒る時は……怒るんだよ」
「ひっ!?」
「な、何だいこの緊張感は……!?」
「ま、不味い……この気配は俺が妻を怒らせたときと同じだ!!」
エリナにレナを預けたティナは普段の彼女ならば考えられない程の「威圧」を放ち、その威圧を感じ取った者達は冷や汗を流す。武人であるバルやギンタロウでさえも彼女から放たれる圧力を感じ取り、全員が動揺してしまう。
――アインとミノを従えたティナは山道に視線を向けると、全員に顔を振り向く。その彼女の顔を見た者達は何故かティナの背後に仁王像のような筋骨隆々の森人族の男性の姿が思い浮かんだ。
「私……もう、怒ったよ」
「ティナ、様?」
「私はもう怒ったよ!!とっても起こったよ~!!」
「ウォオオンッ!!」
「キュロロロッ!!」
「ブモォオオオッ!!」
「ヒヒィンッ!!」
「「ぷるるるんっ!!」」
ティナは叫び声をあげると同時に魔獣達が騒ぎ出し、一斉に山道を駆け上る。スラミンとヒトミンさえも興奮したかのように後に続き、ティナと魔獣達は山道を一気に駆け上って頂上へ向かう。
「え!?ちょ、ティナ王女様!?危険です、戻ってきてください!!」
「いかん!!すぐに王女様を止めろ!!」
「王女様!!戻ってきてください!!」
慌てて他の者達が彼女を止めようとしたが、ティナは白狼種のウルやユニコーンのユニコと同等の速度で駆け抜け、山道を巡回していた警備の兵士達に見つかってしまう。
「ん……な、何だ!?」
「ま、魔獣!?どうしてこんな場所に……」
「おい、こっちに来るぞ!?」
オロナ鉱山を守備する兵士達はティナと彼女に従うように並行する魔獣達の姿を見て驚愕し、一体何が起きているのか理解出来ずに慌てて戦闘体勢に入ろうとしたが、ティナは坂道を一気に登って兵士達の元へ突進する。
「退いてっ!!」
「うわぁっ!?」
「な、何だぁっ!?」
「ぎゃああっ!!」
ティナを止めようとした兵士達は彼女が突き出した掌を受けた途端に吹き飛び、次々と転倒して坂道を転がり落ちていく。しかも転倒した後にティナの後に続いた魔獣達に踏みつぶされ、兵士達の悲鳴が山中に響く。
「ウォオオンッ!!」
「キュロロッ!!」
「ブモォッ!!」
「ヒヒンッ!!」
「な、何なんだこいつらはぁっ!?」
「やめっ……こっちにくるなぁああっ!!」
白狼種、サイクロプス、ミノタウロス、ユニコーンという魔物の中でも危険度が高い魔獣達が迫りくる光景に兵士達は悲鳴をあげて逃げ惑う中、暴走したティナを止めるために他の者達も慌てて追いかけた。
「てぃ、ティナ様!!落ち着いて下さい、止まってぇええっ!!」
「ほら、お菓子をあげるから落ち着いて欲しいでござる!?」
「なんという速度だ……俺達、和国の忍者にも匹敵するぞ!?」
ティナを止めるためにエリナは大声を上げるが、先頭を走るティナは彼女の声が聞こえていないのか山道を駆け上る。その光景を見てギンタロウは何かを思い出したかの様に叫ぶ。
「駄目だ、あの状態のティナ王女は止める事は出来んぞ!!」
「ど、どういう事ですか!?あの状態とは一体何ですか!?」
「昔、一度だけティナ王女があのような状態に陥った事を俺は見た事がある!!デブリ国王が他の王族の方々を連れて狩猟に出かけた際、ティナ王女が当時可愛がっていた一角兎の子供がコボルトに襲われて怪我をした!!その時、ティナ王女が今のような状態に陥ってコボルトを追いかけ回した事がある!!しかもティナ王女はその時まだ5才だったはずだ!!」
「嘘でしょう!?」
5才の子供だったティナがコボルトを追いかけ回したという話を聞いて他の者達は激しく動揺するが、ギンタロウによると彼女は子供の頃から並外れた身体能力と魔力を持ち合わせていたという。
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