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外伝 ~ヨツバ王国編~
採掘場での決戦
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「追いつきました!!」
「どういう状況だいこれは!!」
「うおおおっ!!」
遅れて到着したバル達も戦線に加わり、冒険者達はレナを守るために無数の赤獣の群れと交戦を行う。戦力的に考えればまだバル達の方が勝るはずだが、赤獣の中には採掘場へ向けて移動する個体も存在した。
「ウォオオンッ!!」
「いかん、奴等を採掘場へ向かわせるな!!今のあいつ等は抵抗出来ん!!」
「ここは我等に任せろ!!」
「将軍と共に!!」
「行くぞ!!」
採掘場へ向かおうとする赤獣に関してはギンタロウと側近の3人が請け負い、他の者達も援護を行う。一方でレナを守護するためにダインは杖を地面に突きさし、無数の赤獣を影魔法で振り払う。
「シャドウ・スリップ!!」
「ギャンッ!?」
「ウォンッ!?」
「ブフォッ!?」
「ダイン殿、こういう時は意外と頼りになるでござるな!?」
「意外ってどういう意味だよ!?」
乱戦においては実はダインの影魔法は有利に働き、しかも時間帯は影魔導士にとっては有利な深夜のため、最も影魔法の妨げとなる光が存在しない時間帯である。ダインはレナに近付いてくる赤獣の足元を振り払い、その隙に同じく乱戦でこそ真価を発揮するジャンヌの「回転剣技」が炸裂した。
「回転!!」
『ギャウッ!?』
ジャンヌが両手の旋斧を使用して高速回転を行いながら赤獣を蹴散らし、正面から突っ込んできた甲殻獣さえも吹き飛ばす。剣聖の中では若手で未熟と思われる彼女ではあるが、その剣の才は決してシズネやハヤテにも劣らない。レナと同様に成長し続けるタイプの剣士であり、彼女は赤獣の群れを蹴散らす。
他の者も負けておらず、シズネは雪月花の能力を使用して赤獣を凍り付かせ、ロウガは老体とは思えぬ速度で動き続けて敵を翻弄し、カゲマルとハンゾウも彼に続く。だが、いくら倒しても赤獣の群れが途切れる事はなく、流石に違和感を抱く者達も現れた。
「おい、どうなってんだ!?こいつら、全然数が減らねえぞ!?」
「有り得ん……まさか、今まで生み出した赤獣を全て引き連れているのか!?」
「ですが、赤獣は南方の領地の維持のために生み出した戦力のはずでは……ここで全てを使い切れば南方の管理も難しくなるのでは!?」
「敵もそれほど本気という事よ!!ここで私達を討てば東聖将の領地に残された者達だけでは対抗出来ない!!だからこの場で私達を……いや、東聖将の首を討とうとしているのよ!!」
東聖将の領地には3000の兵士が存在するが、それを統括しているはギンタロウはこの場に存在する。もしもギンタロウが死亡した場合、残された兵士達を統率する立場の人間はおらず、他の六聖将やカレハと対抗出来る人材は存在しない。
レイビは兵士を引き連れていない状態で採掘場へ現れたギンタロウ達をここで討ち取れば東の領地を攻め入らずに済み、しかも邪魔な他の冒険者も集まっているので一網打尽にしようとしているのは間違いない。普通の森人族の兵士ならば採掘場まで移動するのに時間が掛かり過ぎてしまうが、赤獣と化した魔獣達ならば密林の中でも自由に動け、早急にオロナ鉱山へ向かわせる事も難しくはなかった。
「このままでは埒があかん!!おい、小僧を起こしてすぐに退避の準備を整えろ!!」
「やれるもんならもうやってるよ!!けど、レナの奴がさっきから動かないんだ!!目は開いているけど、反応がないんだよ!!」
「何だと!?」
ダイン達もレナの空間魔法で他の援軍を呼び出そうとしたが、先ほどからレナに話しかけても反応はなく、既に意識が途切れかけている寸前だった。そんな状態のレナを狙って赤獣の群れが現れたのでダイン達は止む無く交戦していた。
「おい、馬鹿野郎!!さっさと起きやがれ!!こんな時になんで一番頼りになりそうな奴が動けないんだよ!?」
「レナ君!!僕の声が聞こえる!?」
「……駄目、凄い熱を出してる。これ以上に無理をさせれば死んじゃう」
「そんなっ!?」
コトミンがレナの身体に触れ、発熱が酷い事に気付き、このままではレナの命が危ない状態だった。どうにか意識を取り戻したとしても全員が避難する暇はなく、数百人の人間が東聖将の領地へ一瞬で戻れるはずがない。
「どうする!?このままではここにレイビの軍隊も到着するぞ!!我々も疲労している、勝ち目はない!!」
「どうにかレナ殿の体力を回復させる手段があれば……」
「おい、バル!!あんたはリンダみたいにレナを回復させる能力とかないのかよ!?」
「無茶言うんじゃないよ!!あたしの本職は剣士なんだよ!!待てよ……体力を回復させる?」
「何か心当たりが!?」
ダインの言葉に大剣を振り回していたバルが何かを思いついたように立ち止まり、ある噂を思い出す。
「そういえば前にマリアの奴からヨツバ王国にはどんな怪我も病気も体力さえも回復する事が出来る「精霊薬」とかいう薬があると聞いた事があるけど……」
「精霊薬!?伝説の回復薬の事か!?」
「あんなの只の迷信だろ!!」
「えっ……待って、その薬なら私持ってるかも!!」
バルの言葉にティナは思い出したように自分の胸元に取り付けていた収納石のペンダントを取り出し、神々しい光を放つ緑色の液体が入った小瓶を取り出す。
「どういう状況だいこれは!!」
「うおおおっ!!」
遅れて到着したバル達も戦線に加わり、冒険者達はレナを守るために無数の赤獣の群れと交戦を行う。戦力的に考えればまだバル達の方が勝るはずだが、赤獣の中には採掘場へ向けて移動する個体も存在した。
「ウォオオンッ!!」
「いかん、奴等を採掘場へ向かわせるな!!今のあいつ等は抵抗出来ん!!」
「ここは我等に任せろ!!」
「将軍と共に!!」
「行くぞ!!」
採掘場へ向かおうとする赤獣に関してはギンタロウと側近の3人が請け負い、他の者達も援護を行う。一方でレナを守護するためにダインは杖を地面に突きさし、無数の赤獣を影魔法で振り払う。
「シャドウ・スリップ!!」
「ギャンッ!?」
「ウォンッ!?」
「ブフォッ!?」
「ダイン殿、こういう時は意外と頼りになるでござるな!?」
「意外ってどういう意味だよ!?」
乱戦においては実はダインの影魔法は有利に働き、しかも時間帯は影魔導士にとっては有利な深夜のため、最も影魔法の妨げとなる光が存在しない時間帯である。ダインはレナに近付いてくる赤獣の足元を振り払い、その隙に同じく乱戦でこそ真価を発揮するジャンヌの「回転剣技」が炸裂した。
「回転!!」
『ギャウッ!?』
ジャンヌが両手の旋斧を使用して高速回転を行いながら赤獣を蹴散らし、正面から突っ込んできた甲殻獣さえも吹き飛ばす。剣聖の中では若手で未熟と思われる彼女ではあるが、その剣の才は決してシズネやハヤテにも劣らない。レナと同様に成長し続けるタイプの剣士であり、彼女は赤獣の群れを蹴散らす。
他の者も負けておらず、シズネは雪月花の能力を使用して赤獣を凍り付かせ、ロウガは老体とは思えぬ速度で動き続けて敵を翻弄し、カゲマルとハンゾウも彼に続く。だが、いくら倒しても赤獣の群れが途切れる事はなく、流石に違和感を抱く者達も現れた。
「おい、どうなってんだ!?こいつら、全然数が減らねえぞ!?」
「有り得ん……まさか、今まで生み出した赤獣を全て引き連れているのか!?」
「ですが、赤獣は南方の領地の維持のために生み出した戦力のはずでは……ここで全てを使い切れば南方の管理も難しくなるのでは!?」
「敵もそれほど本気という事よ!!ここで私達を討てば東聖将の領地に残された者達だけでは対抗出来ない!!だからこの場で私達を……いや、東聖将の首を討とうとしているのよ!!」
東聖将の領地には3000の兵士が存在するが、それを統括しているはギンタロウはこの場に存在する。もしもギンタロウが死亡した場合、残された兵士達を統率する立場の人間はおらず、他の六聖将やカレハと対抗出来る人材は存在しない。
レイビは兵士を引き連れていない状態で採掘場へ現れたギンタロウ達をここで討ち取れば東の領地を攻め入らずに済み、しかも邪魔な他の冒険者も集まっているので一網打尽にしようとしているのは間違いない。普通の森人族の兵士ならば採掘場まで移動するのに時間が掛かり過ぎてしまうが、赤獣と化した魔獣達ならば密林の中でも自由に動け、早急にオロナ鉱山へ向かわせる事も難しくはなかった。
「このままでは埒があかん!!おい、小僧を起こしてすぐに退避の準備を整えろ!!」
「やれるもんならもうやってるよ!!けど、レナの奴がさっきから動かないんだ!!目は開いているけど、反応がないんだよ!!」
「何だと!?」
ダイン達もレナの空間魔法で他の援軍を呼び出そうとしたが、先ほどからレナに話しかけても反応はなく、既に意識が途切れかけている寸前だった。そんな状態のレナを狙って赤獣の群れが現れたのでダイン達は止む無く交戦していた。
「おい、馬鹿野郎!!さっさと起きやがれ!!こんな時になんで一番頼りになりそうな奴が動けないんだよ!?」
「レナ君!!僕の声が聞こえる!?」
「……駄目、凄い熱を出してる。これ以上に無理をさせれば死んじゃう」
「そんなっ!?」
コトミンがレナの身体に触れ、発熱が酷い事に気付き、このままではレナの命が危ない状態だった。どうにか意識を取り戻したとしても全員が避難する暇はなく、数百人の人間が東聖将の領地へ一瞬で戻れるはずがない。
「どうする!?このままではここにレイビの軍隊も到着するぞ!!我々も疲労している、勝ち目はない!!」
「どうにかレナ殿の体力を回復させる手段があれば……」
「おい、バル!!あんたはリンダみたいにレナを回復させる能力とかないのかよ!?」
「無茶言うんじゃないよ!!あたしの本職は剣士なんだよ!!待てよ……体力を回復させる?」
「何か心当たりが!?」
ダインの言葉に大剣を振り回していたバルが何かを思いついたように立ち止まり、ある噂を思い出す。
「そういえば前にマリアの奴からヨツバ王国にはどんな怪我も病気も体力さえも回復する事が出来る「精霊薬」とかいう薬があると聞いた事があるけど……」
「精霊薬!?伝説の回復薬の事か!?」
「あんなの只の迷信だろ!!」
「えっ……待って、その薬なら私持ってるかも!!」
バルの言葉にティナは思い出したように自分の胸元に取り付けていた収納石のペンダントを取り出し、神々しい光を放つ緑色の液体が入った小瓶を取り出す。
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