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外伝 ~ヨツバ王国編~
最強の六聖将、出動
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「北聖将のハシラ様が死亡した以上、バルトロス王国への使者は遅れません。一刻も早く、北方の領地の混乱を収めるため、代わりとなる人材を送る必要があります。その役目を果たせるのはハシラ様と同格の六聖将でなければ務まりません」
「国王代理、その役目は俺が行う」
『おおっ……!!』
クレナイが名乗り上げると玉座の間に存在した家臣達は安心した表情を浮かべ、六聖将の筆頭を務める彼ならばハシラの代わりに北方の領地の統治も行えるだろう。仮にバルトロス王国の軍隊が押し寄せてきたとしてもクレナイならば食い止める所か撃退さえも出来るだろうと信じられていた。
六聖将の中でも武力が優れているのはクレナイで間違いなく、彼は六聖将の中でも最も古株で功績を残した人物である。強さという一点に置いてはクレナイを上回る存在はアトラス大森林には存在せず、彼の息子であるアカイ、剣聖のハヤテ、護衛隊長のリンダでさえもクレナイには及ばない。
「いえ、それは認められません。クレナイ様には別の任務があります。ここはツバサさんに出向いてもらいましょう」
「何?」
「私が……ですか!?」
しかし、カレハはクレナイが北方の領地へ向かう事を認めず、ツバサを指名して彼の代わりに統治を行うように命じた。ツバサはまさか王族の護衛役を務める自分がそのような任務を与えられるとは思わず、咄嗟に反対してしまう。
「カレハ様、私は防護将です。王族の護衛を行うのが私の使命であり、しかも東聖将が反旗を翻したと考えられる以上、カレハ様の護衛の任を他の者に任せるわけにはいきません!!」
「ツバサさん、貴女の言い分は間違ってはいませんが、北聖将が亡くなった以上は北方の領地を放置するわけにはいきません。もしもバルトロス王国が軍隊を派遣した場合、統制が取れていない北聖将の軍隊では返り討ちにされてしまう可能性があります。しかし、東聖将は裏切り、南聖将とは連絡が取れず、西聖将はそもそも動かす事は出来ません。ならば六聖将で動けるのは貴女とクレナイだけです」
「国王代理、それならば何故に我が出向くのを拒まれる?我がツバサよりも北の領地の守護が不適任であるというのか」
カレハの言葉にクレナイも異議を申し立て、どうして自分よりも若手であるツバサをヨツバ王国の中でも重要拠点である北方の領地の統治を任せるのかと納得がいかなかった。だが、そんな二人に対してカレハは全く動じずに理由を話す。
「クレナイ様を向かわせない理由はクレナイ様には別の任務を与えたいのです。その任務の内容はツバサさんでは果たせるのか不安があるため、六聖将の筆頭であるクレナイ様にしか頼めない内容なのです」
「任務、とは?」
「……六聖将クレナイに王命として宣言します。貴方は王都に滞在する自軍の兵隊を引き連れ、明後日中に東聖将の討伐を命じます」
「なっ……!?」
「王命……!?」
王命という言葉を口にした瞬間、玉座の間に存在した全員が衝撃を受けたように冷や汗を流す。ヨツバ王国に置いて「王命」とは絶対的な命令を意味しており、これを断れば処刑を下される程に重要な命令だった。しかし、王命を与える事が出来るのはあくまでも国王の立場に存在する者だけである。本来は王位継承権を奪われたカレハに王命を発言する資格はないが、現在のヨツバ王国を統治しているのはカレハだった。
(王命を告げたという事は、やはりカレハ王女の狙いは国王の座に就く事……即ち、自分が国王である事を宣言したという事!!本来ならば許される発言ではありません……しかし、この状況では口出し出来ない)
ツバサは王命を堂々と宣言したカレハに異議を申し立てる事は出来ず、実際にこの国を支配しているのはカレハであった。彼女はアトラス大森林内に存在するただ一人の王族として君臨し、クレナイに命令を与えた。
「無論、私はあくまでも国王代理……本来ならば王命を宣言出来る立場ではありません。しかし、国王である私の父や他の弟と妹が無事である保証がない以上、この国を継承出来るのはこの私だけとなります。勿論、他の王族が安全が確認された場合はすぐに私は国王代理の座を譲渡しましょう。ですが、現時点で他の王族の行方が掴めない以上、この国を管理するのは私です。誰か、異論はありますか?」
『…………』
カレハの言葉に家臣達は何も反論は出来ず、ヨツバ王国に置いて王族という存在は国の権力を全て掴んでおり、彼女が王位継承権を剥奪された存在だとしても王族である事は変わりなく、臣下である以上はツバサもクレナイも表立って逆らう事は出来ない。
「……承知した。このクレナイ、王命に従って東聖将の討伐へ向かう事を誓う」
「クレナイ殿……!?」
クレナイはカレハの前で跪き、王命を引き受ける。その姿を見てツバサは動揺するが、そんな彼女に対してもカレハは改めて命令を下す。
「国王代理、その役目は俺が行う」
『おおっ……!!』
クレナイが名乗り上げると玉座の間に存在した家臣達は安心した表情を浮かべ、六聖将の筆頭を務める彼ならばハシラの代わりに北方の領地の統治も行えるだろう。仮にバルトロス王国の軍隊が押し寄せてきたとしてもクレナイならば食い止める所か撃退さえも出来るだろうと信じられていた。
六聖将の中でも武力が優れているのはクレナイで間違いなく、彼は六聖将の中でも最も古株で功績を残した人物である。強さという一点に置いてはクレナイを上回る存在はアトラス大森林には存在せず、彼の息子であるアカイ、剣聖のハヤテ、護衛隊長のリンダでさえもクレナイには及ばない。
「いえ、それは認められません。クレナイ様には別の任務があります。ここはツバサさんに出向いてもらいましょう」
「何?」
「私が……ですか!?」
しかし、カレハはクレナイが北方の領地へ向かう事を認めず、ツバサを指名して彼の代わりに統治を行うように命じた。ツバサはまさか王族の護衛役を務める自分がそのような任務を与えられるとは思わず、咄嗟に反対してしまう。
「カレハ様、私は防護将です。王族の護衛を行うのが私の使命であり、しかも東聖将が反旗を翻したと考えられる以上、カレハ様の護衛の任を他の者に任せるわけにはいきません!!」
「ツバサさん、貴女の言い分は間違ってはいませんが、北聖将が亡くなった以上は北方の領地を放置するわけにはいきません。もしもバルトロス王国が軍隊を派遣した場合、統制が取れていない北聖将の軍隊では返り討ちにされてしまう可能性があります。しかし、東聖将は裏切り、南聖将とは連絡が取れず、西聖将はそもそも動かす事は出来ません。ならば六聖将で動けるのは貴女とクレナイだけです」
「国王代理、それならば何故に我が出向くのを拒まれる?我がツバサよりも北の領地の守護が不適任であるというのか」
カレハの言葉にクレナイも異議を申し立て、どうして自分よりも若手であるツバサをヨツバ王国の中でも重要拠点である北方の領地の統治を任せるのかと納得がいかなかった。だが、そんな二人に対してカレハは全く動じずに理由を話す。
「クレナイ様を向かわせない理由はクレナイ様には別の任務を与えたいのです。その任務の内容はツバサさんでは果たせるのか不安があるため、六聖将の筆頭であるクレナイ様にしか頼めない内容なのです」
「任務、とは?」
「……六聖将クレナイに王命として宣言します。貴方は王都に滞在する自軍の兵隊を引き連れ、明後日中に東聖将の討伐を命じます」
「なっ……!?」
「王命……!?」
王命という言葉を口にした瞬間、玉座の間に存在した全員が衝撃を受けたように冷や汗を流す。ヨツバ王国に置いて「王命」とは絶対的な命令を意味しており、これを断れば処刑を下される程に重要な命令だった。しかし、王命を与える事が出来るのはあくまでも国王の立場に存在する者だけである。本来は王位継承権を奪われたカレハに王命を発言する資格はないが、現在のヨツバ王国を統治しているのはカレハだった。
(王命を告げたという事は、やはりカレハ王女の狙いは国王の座に就く事……即ち、自分が国王である事を宣言したという事!!本来ならば許される発言ではありません……しかし、この状況では口出し出来ない)
ツバサは王命を堂々と宣言したカレハに異議を申し立てる事は出来ず、実際にこの国を支配しているのはカレハであった。彼女はアトラス大森林内に存在するただ一人の王族として君臨し、クレナイに命令を与えた。
「無論、私はあくまでも国王代理……本来ならば王命を宣言出来る立場ではありません。しかし、国王である私の父や他の弟と妹が無事である保証がない以上、この国を継承出来るのはこの私だけとなります。勿論、他の王族が安全が確認された場合はすぐに私は国王代理の座を譲渡しましょう。ですが、現時点で他の王族の行方が掴めない以上、この国を管理するのは私です。誰か、異論はありますか?」
『…………』
カレハの言葉に家臣達は何も反論は出来ず、ヨツバ王国に置いて王族という存在は国の権力を全て掴んでおり、彼女が王位継承権を剥奪された存在だとしても王族である事は変わりなく、臣下である以上はツバサもクレナイも表立って逆らう事は出来ない。
「……承知した。このクレナイ、王命に従って東聖将の討伐へ向かう事を誓う」
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