文字の大きさ
大
中
小
716 / 2,093
外伝 ~ヨツバ王国編~
最強の六聖将、出動
「北聖将のハシラ様が死亡した以上、バルトロス王国への使者は遅れません。一刻も早く、北方の領地の混乱を収めるため、代わりとなる人材を送る必要があります。その役目を果たせるのはハシラ様と同格の六聖将でなければ務まりません」
「国王代理、その役目は俺が行う」
『おおっ……!!』
クレナイが名乗り上げると玉座の間に存在した家臣達は安心した表情を浮かべ、六聖将の筆頭を務める彼ならばハシラの代わりに北方の領地の統治も行えるだろう。仮にバルトロス王国の軍隊が押し寄せてきたとしてもクレナイならば食い止める所か撃退さえも出来るだろうと信じられていた。
六聖将の中でも武力が優れているのはクレナイで間違いなく、彼は六聖将の中でも最も古株で功績を残した人物である。強さという一点に置いてはクレナイを上回る存在はアトラス大森林には存在せず、彼の息子であるアカイ、剣聖のハヤテ、護衛隊長のリンダでさえもクレナイには及ばない。
「いえ、それは認められません。クレナイ様には別の任務があります。ここはツバサさんに出向いてもらいましょう」
「何?」
「私が……ですか!?」
しかし、カレハはクレナイが北方の領地へ向かう事を認めず、ツバサを指名して彼の代わりに統治を行うように命じた。ツバサはまさか王族の護衛役を務める自分がそのような任務を与えられるとは思わず、咄嗟に反対してしまう。
「カレハ様、私は防護将です。王族の護衛を行うのが私の使命であり、しかも東聖将が反旗を翻したと考えられる以上、カレハ様の護衛の任を他の者に任せるわけにはいきません!!」
「ツバサさん、貴女の言い分は間違ってはいませんが、北聖将が亡くなった以上は北方の領地を放置するわけにはいきません。もしもバルトロス王国が軍隊を派遣した場合、統制が取れていない北聖将の軍隊では返り討ちにされてしまう可能性があります。しかし、東聖将は裏切り、南聖将とは連絡が取れず、西聖将はそもそも動かす事は出来ません。ならば六聖将で動けるのは貴女とクレナイだけです」
「国王代理、それならば何故に我が出向くのを拒まれる?我がツバサよりも北の領地の守護が不適任であるというのか」
カレハの言葉にクレナイも異議を申し立て、どうして自分よりも若手であるツバサをヨツバ王国の中でも重要拠点である北方の領地の統治を任せるのかと納得がいかなかった。だが、そんな二人に対してカレハは全く動じずに理由を話す。
「クレナイ様を向かわせない理由はクレナイ様には別の任務を与えたいのです。その任務の内容はツバサさんでは果たせるのか不安があるため、六聖将の筆頭であるクレナイ様にしか頼めない内容なのです」
「任務、とは?」
「……六聖将クレナイに王命として宣言します。貴方は王都に滞在する自軍の兵隊を引き連れ、明後日中に東聖将の討伐を命じます」
「なっ……!?」
「王命……!?」
王命という言葉を口にした瞬間、玉座の間に存在した全員が衝撃を受けたように冷や汗を流す。ヨツバ王国に置いて「王命」とは絶対的な命令を意味しており、これを断れば処刑を下される程に重要な命令だった。しかし、王命を与える事が出来るのはあくまでも国王の立場に存在する者だけである。本来は王位継承権を奪われたカレハに王命を発言する資格はないが、現在のヨツバ王国を統治しているのはカレハだった。
(王命を告げたという事は、やはりカレハ王女の狙いは国王の座に就く事……即ち、自分が国王である事を宣言したという事!!本来ならば許される発言ではありません……しかし、この状況では口出し出来ない)
ツバサは王命を堂々と宣言したカレハに異議を申し立てる事は出来ず、実際にこの国を支配しているのはカレハであった。彼女はアトラス大森林内に存在するただ一人の王族として君臨し、クレナイに命令を与えた。
「無論、私はあくまでも国王代理……本来ならば王命を宣言出来る立場ではありません。しかし、国王である私の父や他の弟と妹が無事である保証がない以上、この国を継承出来るのはこの私だけとなります。勿論、他の王族が安全が確認された場合はすぐに私は国王代理の座を譲渡しましょう。ですが、現時点で他の王族の行方が掴めない以上、この国を管理するのは私です。誰か、異論はありますか?」
『…………』
カレハの言葉に家臣達は何も反論は出来ず、ヨツバ王国に置いて王族という存在は国の権力を全て掴んでおり、彼女が王位継承権を剥奪された存在だとしても王族である事は変わりなく、臣下である以上はツバサもクレナイも表立って逆らう事は出来ない。
「……承知した。このクレナイ、王命に従って東聖将の討伐へ向かう事を誓う」
「クレナイ殿……!?」
クレナイはカレハの前で跪き、王命を引き受ける。その姿を見てツバサは動揺するが、そんな彼女に対してもカレハは改めて命令を下す。
「国王代理、その役目は俺が行う」
『おおっ……!!』
クレナイが名乗り上げると玉座の間に存在した家臣達は安心した表情を浮かべ、六聖将の筆頭を務める彼ならばハシラの代わりに北方の領地の統治も行えるだろう。仮にバルトロス王国の軍隊が押し寄せてきたとしてもクレナイならば食い止める所か撃退さえも出来るだろうと信じられていた。
六聖将の中でも武力が優れているのはクレナイで間違いなく、彼は六聖将の中でも最も古株で功績を残した人物である。強さという一点に置いてはクレナイを上回る存在はアトラス大森林には存在せず、彼の息子であるアカイ、剣聖のハヤテ、護衛隊長のリンダでさえもクレナイには及ばない。
「いえ、それは認められません。クレナイ様には別の任務があります。ここはツバサさんに出向いてもらいましょう」
「何?」
「私が……ですか!?」
しかし、カレハはクレナイが北方の領地へ向かう事を認めず、ツバサを指名して彼の代わりに統治を行うように命じた。ツバサはまさか王族の護衛役を務める自分がそのような任務を与えられるとは思わず、咄嗟に反対してしまう。
「カレハ様、私は防護将です。王族の護衛を行うのが私の使命であり、しかも東聖将が反旗を翻したと考えられる以上、カレハ様の護衛の任を他の者に任せるわけにはいきません!!」
「ツバサさん、貴女の言い分は間違ってはいませんが、北聖将が亡くなった以上は北方の領地を放置するわけにはいきません。もしもバルトロス王国が軍隊を派遣した場合、統制が取れていない北聖将の軍隊では返り討ちにされてしまう可能性があります。しかし、東聖将は裏切り、南聖将とは連絡が取れず、西聖将はそもそも動かす事は出来ません。ならば六聖将で動けるのは貴女とクレナイだけです」
「国王代理、それならば何故に我が出向くのを拒まれる?我がツバサよりも北の領地の守護が不適任であるというのか」
カレハの言葉にクレナイも異議を申し立て、どうして自分よりも若手であるツバサをヨツバ王国の中でも重要拠点である北方の領地の統治を任せるのかと納得がいかなかった。だが、そんな二人に対してカレハは全く動じずに理由を話す。
「クレナイ様を向かわせない理由はクレナイ様には別の任務を与えたいのです。その任務の内容はツバサさんでは果たせるのか不安があるため、六聖将の筆頭であるクレナイ様にしか頼めない内容なのです」
「任務、とは?」
「……六聖将クレナイに王命として宣言します。貴方は王都に滞在する自軍の兵隊を引き連れ、明後日中に東聖将の討伐を命じます」
「なっ……!?」
「王命……!?」
王命という言葉を口にした瞬間、玉座の間に存在した全員が衝撃を受けたように冷や汗を流す。ヨツバ王国に置いて「王命」とは絶対的な命令を意味しており、これを断れば処刑を下される程に重要な命令だった。しかし、王命を与える事が出来るのはあくまでも国王の立場に存在する者だけである。本来は王位継承権を奪われたカレハに王命を発言する資格はないが、現在のヨツバ王国を統治しているのはカレハだった。
(王命を告げたという事は、やはりカレハ王女の狙いは国王の座に就く事……即ち、自分が国王である事を宣言したという事!!本来ならば許される発言ではありません……しかし、この状況では口出し出来ない)
ツバサは王命を堂々と宣言したカレハに異議を申し立てる事は出来ず、実際にこの国を支配しているのはカレハであった。彼女はアトラス大森林内に存在するただ一人の王族として君臨し、クレナイに命令を与えた。
「無論、私はあくまでも国王代理……本来ならば王命を宣言出来る立場ではありません。しかし、国王である私の父や他の弟と妹が無事である保証がない以上、この国を継承出来るのはこの私だけとなります。勿論、他の王族が安全が確認された場合はすぐに私は国王代理の座を譲渡しましょう。ですが、現時点で他の王族の行方が掴めない以上、この国を管理するのは私です。誰か、異論はありますか?」
『…………』
カレハの言葉に家臣達は何も反論は出来ず、ヨツバ王国に置いて王族という存在は国の権力を全て掴んでおり、彼女が王位継承権を剥奪された存在だとしても王族である事は変わりなく、臣下である以上はツバサもクレナイも表立って逆らう事は出来ない。
「……承知した。このクレナイ、王命に従って東聖将の討伐へ向かう事を誓う」
「クレナイ殿……!?」
クレナイはカレハの前で跪き、王命を引き受ける。その姿を見てツバサは動揺するが、そんな彼女に対してもカレハは改めて命令を下す。
感想 5,097
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『ベルンハルト・フォン・バーデンは平穏に暮らしたい』
GamaFrog男爵家三男、ベルンハルト・フォン・バーデン。
家督継承権はなく、本来ならどこかの官職に就くか、他家へ仕えるか、婿入りするか――そんな将来が待っているはずだった。
しかしベルは少しだけ優秀すぎた。
小遣い稼ぎのつもりで始めた商売は成功し、気付けば父親より金を持ち、長男より領地経営に詳しく、次男より商売が上手くなっていた。
本人に出しゃばる気はない。
ただ普通に生きていただけだ。
それでも、優秀すぎる三男の存在は家族との距離を少しずつ広げていった。
家に居場所がなくなった。
だからベルは学園へ来た。
貴族だから一応入学した。
家にいるより気楽だったから。
静かに暮らしたかったから。
寄付金を積んで手に入れた広い寮部屋で、本を読み、昼寝をし、卒業後は適当な文官になって平穏に生きる
そのはずだった。
だが現実は違った。
男装令嬢に懐かれ。
王太子に目を付けられ。
商会には囲い込まれ。
気付けば平穏はどこへやら。
本人はただ平穏に暮らしたいだけ。
周囲はなぜか放っておいてくれない。
これは、面倒事を嫌う規格外の天才が、静かな人生を目指して失敗し続ける物語である。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
真の皇帝は俺です ~面倒だから幼なじみに帝位を任せていたら、婚約者に捨てられました。正体を明かしたら全員後悔してももう遅い~
由香皇帝の仕事が面倒だったレインは、信頼する幼なじみアレクシスに表向きの皇帝を任せ、自身は陰から帝国を支えていた。
だがある日、婚約者エミリアは「権力も将来性もない」と彼を見限り婚約破棄を宣言する。
しかし彼女は知らなかった。
帝国を動かしていた真の支配者が誰なのかを。
これは全てを持ちながら隠していた男と、見るべきものを見失った者たちの後悔の物語。
クラス全員で異世界召喚されたが、俺だけ教室に取り残されたのでとりあえず帰宅した
中山(ほ) クラス全員で異世界召喚されたが、先生と俺が残っていた。
魔法もチートスキルもステータス画面すら表示されない、ただの「残され損」
異世界に行けなかった俺を待っていたのは、世知辛い現実だった。
AI使用状況
GoogleのGeminiさん使ってます〜
誤字脱字チェックと調べ物お願いしてます
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。