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外伝 ~ヨツバ王国編~
東壁街へ撤退
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「ハンゾウ、お前よく無事だったな……どうやって石化から逃れたんだ?」
「それは……兄者が拙者を救ってくれたのでござる」
「カゲマルが……?」
ハンゾウによると彼女は自分を助かったのはカゲマルとアヤメのお陰だと話し、最初に異変を感じ取ったのはカゲマルだった。彼は周囲の人間たちが石化を始める直前に異変に気付き、ハンゾウとアヤメに警告を行う。
『二人とも、目を閉じろ!!いや、地面へもぐって身を隠せ!!』
『兄者!?それはどういう……』
『承知したでござる!!』
カゲマルの言葉にアヤメは動揺して理由を問い質そうとしたが、長年の付き合いでハンゾウはこのような場面でのカゲマルの言葉は疑わず、即座に彼の言う通りに地面へ潜り込む。その結果、彼女だけは石化を逃れられたが、アヤメの方は反応が遅れたせいか間に合わず、カゲマルと共に石化してしまう。
二人の石像を前にしてハンゾウは悔し気な表情を浮かべるが、コトミンとダインも同じ気持ちを抱き、一体何が起きたのか理解できなかった。一瞬にして数千人の人間が石化されてしまったという事実に3人は疑問を抱かずにはいられない。
「くそっ!!キラウの奴、一体どうやってこんな人数の石化させたんだよ!!あいつと視線を合わせていない奴だっていたはずなのに!!」
「そもそも位置的にもキラウの姿を確認出来なかった御仁まで石化されたという点が気にかかるでござる……数十人の魔眼の持ち主が拙者たちを取り囲むように配置されているのならばともかく、キラウ一人だけで全員を石化させたとは思いにくいでござるが……」
「……もしかして、視線を合わせなくても相手を石化できる能力を持っていたとか?」
「いや、それはあり得ない!!石化の魔眼を持つメドゥーサだってそんな真似は出来ないはずだ!!いくらキラウが魔眼の力を使いこなせるようになったとしても、本来の持ち主であるメドゥーサ以上の能力は使えないはずだよ!!」
「ぷるぷるっ……」
キラウがどのような手段で数千人規模の人間を石化させたのかは気になるが、現状ではそれを確かめる術はなく、3人の他に石化を免れた人間は存在しないようだった。
「何にしても、ここに残るのはまずいでござる……ここは東壁街へ引き換えし、報告を行うしかないでござる」
「そ、そうだな……けど、どうしてキラウの奴は守備将軍まで石化させたんだ?キラウはヨツバ王国に取り込まれたんじゃなかったのか?」
「その点は拙者も気になるでござるが、今は引き返すのが先決でござる。道中の敵は拙者が引き受けるので急いで退散するでござる」
「分かった。スラミン、行こう」
「ぷるるっ……」
コトミンはスラミンを呼び寄せると、スラミンは石化されたシズネとゴンゾウを一瞥し、悲しそうな表情を浮かべる。出来る事ならば連れて行きたいところだが、石像全てを運び出す手段はなく、仕方なく草原へ残していくしかない。
「大丈夫、必ず後で向かえに行く……だから今だけはお別れしよう」
「ぷるんっ」
スラミンはコトミンの言葉に頷き、寂しそうに彼女に抱き上げられるとダインとハンゾウと共に魔の草原を立ち去る。結局、本日の勝敗は両軍がキラウによって石化される事で引き分けに終わり、東聖将軍も守備将軍も壊滅してしまう――
――同時刻、ティナとエリナの看病を受けているレナの元に緑影を従えるラナが訪れる。彼女は同じ布団の中に潜り込んでレナに抱き着いた状態で眠りこけるティナとエリナの姿を見て呆れてしまう。
「ううっ……マシュマロが、マシュマロが押し寄せてくるっす」
「えへへ……もふもふだぁっ」
「う~ん……」
「何をしてるんだこいつらは……」
ティナの豊満な胸元にエリナは顔を挟まれ、その二人の下敷きになっているレナは呻き声をあげ、その様子を見たラナは呆れながらもティナ達を起こす。
「王女様、起きてください!!おい、エリナ!!見張り役のお前まで寝てどうする!?」
「はっ!?も、もふもふ~!!」
「ちょ、王女様!?それはもふもふではありません、私の胸で……あいててっ!?」
「あれ、本当だ……もふもふじゃなくてぷにぷにだった」
寝ぼけたティナに抱き着かれたラナは悲鳴をあげ、外見からは想像もできない怪力を誇る彼女に抱きしめられて骨が軋む。異変に気付いたエリナは目を覚ますと、腕を伸ばして部屋の中に入って来たラナに顔を向ける。
「あれ、どうかしたんすか……定期報告は夜でしたよね?」
「お前はまだ寝ぼけているのか!!東聖将が命懸けでこの街を守ろうと動いているのに王国四騎士の貴様が眠りこけてどうする!!」
「いや、すいません。ここの所、全然寝てなくて……それで、何か急変はありましたか?」
「はあ……今の所、連絡はまだ届いていない」
ラナが率いる緑影の隊員を何人か派遣させ、魔の草原の様子を調べさせているが、未だに連絡は届いてはいなかった。だが、万が一の場合を想定してラナはティナ王女だけでも守護するために訪れたという。
※作者の「最弱職の初級魔術師」が完結しました。
レナ「お疲れ様ルノ君、今までよく頑張ったね」(^ω^)b
ルノ「ありがとう。レナ君もこれからも頑張ってね」( ´ω`)b
リーリス「最弱職は不遇職の300~400年前の世界観ですからね。若かりし頃のデブリさんや、大迷宮の白竜の幼少期なども出ています」(・ω・)
アイリス「最弱職の完結記念として私も作者からこのボタンを奪い返してきましたよ!!さあ、今日は4話は更新しますよ」( ・`ω・´)ノ公開ボタン
カタナヅキ「今回だけだぞ……」(;´・ω・)
※1時まで連続投稿します!!
「それは……兄者が拙者を救ってくれたのでござる」
「カゲマルが……?」
ハンゾウによると彼女は自分を助かったのはカゲマルとアヤメのお陰だと話し、最初に異変を感じ取ったのはカゲマルだった。彼は周囲の人間たちが石化を始める直前に異変に気付き、ハンゾウとアヤメに警告を行う。
『二人とも、目を閉じろ!!いや、地面へもぐって身を隠せ!!』
『兄者!?それはどういう……』
『承知したでござる!!』
カゲマルの言葉にアヤメは動揺して理由を問い質そうとしたが、長年の付き合いでハンゾウはこのような場面でのカゲマルの言葉は疑わず、即座に彼の言う通りに地面へ潜り込む。その結果、彼女だけは石化を逃れられたが、アヤメの方は反応が遅れたせいか間に合わず、カゲマルと共に石化してしまう。
二人の石像を前にしてハンゾウは悔し気な表情を浮かべるが、コトミンとダインも同じ気持ちを抱き、一体何が起きたのか理解できなかった。一瞬にして数千人の人間が石化されてしまったという事実に3人は疑問を抱かずにはいられない。
「くそっ!!キラウの奴、一体どうやってこんな人数の石化させたんだよ!!あいつと視線を合わせていない奴だっていたはずなのに!!」
「そもそも位置的にもキラウの姿を確認出来なかった御仁まで石化されたという点が気にかかるでござる……数十人の魔眼の持ち主が拙者たちを取り囲むように配置されているのならばともかく、キラウ一人だけで全員を石化させたとは思いにくいでござるが……」
「……もしかして、視線を合わせなくても相手を石化できる能力を持っていたとか?」
「いや、それはあり得ない!!石化の魔眼を持つメドゥーサだってそんな真似は出来ないはずだ!!いくらキラウが魔眼の力を使いこなせるようになったとしても、本来の持ち主であるメドゥーサ以上の能力は使えないはずだよ!!」
「ぷるぷるっ……」
キラウがどのような手段で数千人規模の人間を石化させたのかは気になるが、現状ではそれを確かめる術はなく、3人の他に石化を免れた人間は存在しないようだった。
「何にしても、ここに残るのはまずいでござる……ここは東壁街へ引き換えし、報告を行うしかないでござる」
「そ、そうだな……けど、どうしてキラウの奴は守備将軍まで石化させたんだ?キラウはヨツバ王国に取り込まれたんじゃなかったのか?」
「その点は拙者も気になるでござるが、今は引き返すのが先決でござる。道中の敵は拙者が引き受けるので急いで退散するでござる」
「分かった。スラミン、行こう」
「ぷるるっ……」
コトミンはスラミンを呼び寄せると、スラミンは石化されたシズネとゴンゾウを一瞥し、悲しそうな表情を浮かべる。出来る事ならば連れて行きたいところだが、石像全てを運び出す手段はなく、仕方なく草原へ残していくしかない。
「大丈夫、必ず後で向かえに行く……だから今だけはお別れしよう」
「ぷるんっ」
スラミンはコトミンの言葉に頷き、寂しそうに彼女に抱き上げられるとダインとハンゾウと共に魔の草原を立ち去る。結局、本日の勝敗は両軍がキラウによって石化される事で引き分けに終わり、東聖将軍も守備将軍も壊滅してしまう――
――同時刻、ティナとエリナの看病を受けているレナの元に緑影を従えるラナが訪れる。彼女は同じ布団の中に潜り込んでレナに抱き着いた状態で眠りこけるティナとエリナの姿を見て呆れてしまう。
「ううっ……マシュマロが、マシュマロが押し寄せてくるっす」
「えへへ……もふもふだぁっ」
「う~ん……」
「何をしてるんだこいつらは……」
ティナの豊満な胸元にエリナは顔を挟まれ、その二人の下敷きになっているレナは呻き声をあげ、その様子を見たラナは呆れながらもティナ達を起こす。
「王女様、起きてください!!おい、エリナ!!見張り役のお前まで寝てどうする!?」
「はっ!?も、もふもふ~!!」
「ちょ、王女様!?それはもふもふではありません、私の胸で……あいててっ!?」
「あれ、本当だ……もふもふじゃなくてぷにぷにだった」
寝ぼけたティナに抱き着かれたラナは悲鳴をあげ、外見からは想像もできない怪力を誇る彼女に抱きしめられて骨が軋む。異変に気付いたエリナは目を覚ますと、腕を伸ばして部屋の中に入って来たラナに顔を向ける。
「あれ、どうかしたんすか……定期報告は夜でしたよね?」
「お前はまだ寝ぼけているのか!!東聖将が命懸けでこの街を守ろうと動いているのに王国四騎士の貴様が眠りこけてどうする!!」
「いや、すいません。ここの所、全然寝てなくて……それで、何か急変はありましたか?」
「はあ……今の所、連絡はまだ届いていない」
ラナが率いる緑影の隊員を何人か派遣させ、魔の草原の様子を調べさせているが、未だに連絡は届いてはいなかった。だが、万が一の場合を想定してラナはティナ王女だけでも守護するために訪れたという。
※作者の「最弱職の初級魔術師」が完結しました。
レナ「お疲れ様ルノ君、今までよく頑張ったね」(^ω^)b
ルノ「ありがとう。レナ君もこれからも頑張ってね」( ´ω`)b
リーリス「最弱職は不遇職の300~400年前の世界観ですからね。若かりし頃のデブリさんや、大迷宮の白竜の幼少期なども出ています」(・ω・)
アイリス「最弱職の完結記念として私も作者からこのボタンを奪い返してきましたよ!!さあ、今日は4話は更新しますよ」( ・`ω・´)ノ公開ボタン
カタナヅキ「今回だけだぞ……」(;´・ω・)
※1時まで連続投稿します!!
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