文字の大きさ
大
中
小
741 / 2,093
外伝 ~ヨツバ王国編~
屋敷への襲撃
「エリナ、お前は王女様の護衛役だという事を自覚しているのか?そもそも主人が男性と一緒に布団に眠ろうとしているのを止めないとは何事だ!!」
「いや、すいませんっす。実はあたしの方が先に兄貴の隣に寝ていて、その後にティナ様が潜り込んだようで……」
「そっちの方が問題だが!?」
「まあまあ、そんなに怒らないでよ~」
「王女様、貴女は自分の立場をもう少し理解してください……」
ティナとエリナの行動にラナは頭を抑え、正統な王位継承者という自覚が足りないティナにラナは呆れてしまう。もしもこの事を他の緑影の面子にでも知られれば王族としての威厳は失墜し、士気が低下してしまう可能性もある。ラナは心を鬼にして二人に説教を行おうとした時、エリナが唐突に立ち上がって天井の様子を伺う。
「っ……!?」
「エリナ?どうかしたの?」
「どうした……これは!?」
エリナの行動にティナは首を傾げ、ラナも訝しげな表情を浮かべるが、すぐに彼女も天井から殺気を感じ取り、ティナを抱きしめてその場に伏せる。エリナは師匠から受け取った「黒弓」を取り出し、天井へ向けて撃ち込む。
「そこぉっ!!」
『ぐあっ!?』
天井に撃ち込まれた矢はそのまま屋根を貫通し、窓の外から悲鳴が響くと屋根の上から誰かが落ちていく。その様子を確認したラナは敵襲だと判断し、竹で作り出した笛を吹いて敵襲の合図を行う。
「姫様!!ラナさん!!兄貴を連れてここから逃げますよ!!」
「分かった、レナの方は任せろ!!」
「え、えっ!?何が起きてるの!?」
「王女様、ともかくここを離れましょう!!」
ティナは混乱するが、エリナは黒弓を構えてラナと共に横たわっているレナを持ち上げ、部屋を抜け出す。笛の音を聞いて屋敷の人間たちも何事かと駆けつけ、ギンタロウの妻であるリョウコも娘のヨウコを抱えて姿を現す。
「ラナ様!!今の竹笛は……」
「敵襲です!!既に賊は屋敷の内部に侵入しています!!警戒態勢に入ってください!!」
「分かりました!!皆の者、戦闘準備!!」
『はっ!!』
「お~!!」
リョウコの言葉に屋敷の使用人達は即座に動き、武装を整える。彼等はただの使用人ではなく、ギンタロウから直々に戦闘指導を受けた兵士でもあり、リョウコの言葉に従って屋敷内に侵入してきた賊の捜索を行う。エリナはレナとティナを任せると外に赴き、庭に待機しているウルたちにも危険を知らせる。
「アイン、ミノ!!ティナ様を任せるっす!!」
「キュロロッ!!」
「ブモォッ!!」
エリナの言葉を聞いて緊急事態だと察したアインとミノは屋敷の中に入り込み、主人であるティナの護衛へ向かう。それを確認したエリナはウルの姿を探すと、既にウルはユニコと共に屋敷内に入り込んでいた侵入者と交戦していた。
「ガアアッ!!」
「ヒヒィンッ!!」
「ちいっ……この化物共がっ!!」
「相手にするな!!ティナ王女を探せ!!」
どうやら敵の正体は一般人に変装した獣人族らしく、彼等はウルとユニコに遮られて屋敷の中へ入り込む事が出来ず、武器を振り回して牽制を行う。その二人の姿を見たエリナは黒弓を構え、4本の矢を同時に射出して両方の両足を射抜く。
「そこっ!!」
「ぎゃああっ!?」
「ぐあっ!?」
一度の射出で見事にエリナは侵入者の足を貫いて動きを封じると、今度は屋根の方に視線を向け、既に屋根に上っていた他の侵入者の姿を発見する。
屋根の上には数人の獣人族の男達が駆け抜け、各々が一般人の恰好をしていた。この屋敷は緑影や東聖将軍の兵士が守備を任されているにも関わらずに侵入を果たしている辺り、侵入者も相当な手練れだと考えられた。しかし、エリナも並みの武人ではなく、彼女は北聖将から受け取った黒弓を構えて次々と侵入者へ撃ち込む。
「連射!!」
「ぐあっ!?」
「うぐっ!?」
「があっ!?」
次々と侵入者に向けてエリナは矢を撃ち込み、矢筒から新しい矢を取り出して反撃の隙を与えず仕留めていく。北聖将の作り出した黒弓は彼女の腕に馴染み、エリナは堪らずに歯を食いしばる。ここまで手に馴染む武器を作ってくれた北聖将のハシラが死亡したという噂は彼女も耳にしており、彼女は涙を我慢しながら矢を放つ。
(師匠……出来ればあたしの成長を見て欲しかったです!!)
師に感謝しながらエリナは屋敷を一周して侵入者に矢を放つ間、違和感を感じとる。思っていたよりも屋敷内へ侵入してきた敵に歯応えが感じられず、むしろあまりの手応えの無さに罠ではないかと疑ってしまう。冷静に考えればどうして屋敷を守護していたはずの緑影や兵士の姿が見えない事に疑問を抱いたエリナは屋敷の屋根の上へ跳躍し、外の様子を伺う。
「こ、これは……!?」
そして彼女が見た物は屋敷の外で数十人の兵士と緑影の暗殺者たちが倒れている事に気付き、既に屋敷を守護していた者達が倒されている事に気付いた彼女は、急いでティナの元へ向かう。
「いや、すいませんっす。実はあたしの方が先に兄貴の隣に寝ていて、その後にティナ様が潜り込んだようで……」
「そっちの方が問題だが!?」
「まあまあ、そんなに怒らないでよ~」
「王女様、貴女は自分の立場をもう少し理解してください……」
ティナとエリナの行動にラナは頭を抑え、正統な王位継承者という自覚が足りないティナにラナは呆れてしまう。もしもこの事を他の緑影の面子にでも知られれば王族としての威厳は失墜し、士気が低下してしまう可能性もある。ラナは心を鬼にして二人に説教を行おうとした時、エリナが唐突に立ち上がって天井の様子を伺う。
「っ……!?」
「エリナ?どうかしたの?」
「どうした……これは!?」
エリナの行動にティナは首を傾げ、ラナも訝しげな表情を浮かべるが、すぐに彼女も天井から殺気を感じ取り、ティナを抱きしめてその場に伏せる。エリナは師匠から受け取った「黒弓」を取り出し、天井へ向けて撃ち込む。
「そこぉっ!!」
『ぐあっ!?』
天井に撃ち込まれた矢はそのまま屋根を貫通し、窓の外から悲鳴が響くと屋根の上から誰かが落ちていく。その様子を確認したラナは敵襲だと判断し、竹で作り出した笛を吹いて敵襲の合図を行う。
「姫様!!ラナさん!!兄貴を連れてここから逃げますよ!!」
「分かった、レナの方は任せろ!!」
「え、えっ!?何が起きてるの!?」
「王女様、ともかくここを離れましょう!!」
ティナは混乱するが、エリナは黒弓を構えてラナと共に横たわっているレナを持ち上げ、部屋を抜け出す。笛の音を聞いて屋敷の人間たちも何事かと駆けつけ、ギンタロウの妻であるリョウコも娘のヨウコを抱えて姿を現す。
「ラナ様!!今の竹笛は……」
「敵襲です!!既に賊は屋敷の内部に侵入しています!!警戒態勢に入ってください!!」
「分かりました!!皆の者、戦闘準備!!」
『はっ!!』
「お~!!」
リョウコの言葉に屋敷の使用人達は即座に動き、武装を整える。彼等はただの使用人ではなく、ギンタロウから直々に戦闘指導を受けた兵士でもあり、リョウコの言葉に従って屋敷内に侵入してきた賊の捜索を行う。エリナはレナとティナを任せると外に赴き、庭に待機しているウルたちにも危険を知らせる。
「アイン、ミノ!!ティナ様を任せるっす!!」
「キュロロッ!!」
「ブモォッ!!」
エリナの言葉を聞いて緊急事態だと察したアインとミノは屋敷の中に入り込み、主人であるティナの護衛へ向かう。それを確認したエリナはウルの姿を探すと、既にウルはユニコと共に屋敷内に入り込んでいた侵入者と交戦していた。
「ガアアッ!!」
「ヒヒィンッ!!」
「ちいっ……この化物共がっ!!」
「相手にするな!!ティナ王女を探せ!!」
どうやら敵の正体は一般人に変装した獣人族らしく、彼等はウルとユニコに遮られて屋敷の中へ入り込む事が出来ず、武器を振り回して牽制を行う。その二人の姿を見たエリナは黒弓を構え、4本の矢を同時に射出して両方の両足を射抜く。
「そこっ!!」
「ぎゃああっ!?」
「ぐあっ!?」
一度の射出で見事にエリナは侵入者の足を貫いて動きを封じると、今度は屋根の方に視線を向け、既に屋根に上っていた他の侵入者の姿を発見する。
屋根の上には数人の獣人族の男達が駆け抜け、各々が一般人の恰好をしていた。この屋敷は緑影や東聖将軍の兵士が守備を任されているにも関わらずに侵入を果たしている辺り、侵入者も相当な手練れだと考えられた。しかし、エリナも並みの武人ではなく、彼女は北聖将から受け取った黒弓を構えて次々と侵入者へ撃ち込む。
「連射!!」
「ぐあっ!?」
「うぐっ!?」
「があっ!?」
次々と侵入者に向けてエリナは矢を撃ち込み、矢筒から新しい矢を取り出して反撃の隙を与えず仕留めていく。北聖将の作り出した黒弓は彼女の腕に馴染み、エリナは堪らずに歯を食いしばる。ここまで手に馴染む武器を作ってくれた北聖将のハシラが死亡したという噂は彼女も耳にしており、彼女は涙を我慢しながら矢を放つ。
(師匠……出来ればあたしの成長を見て欲しかったです!!)
師に感謝しながらエリナは屋敷を一周して侵入者に矢を放つ間、違和感を感じとる。思っていたよりも屋敷内へ侵入してきた敵に歯応えが感じられず、むしろあまりの手応えの無さに罠ではないかと疑ってしまう。冷静に考えればどうして屋敷を守護していたはずの緑影や兵士の姿が見えない事に疑問を抱いたエリナは屋敷の屋根の上へ跳躍し、外の様子を伺う。
「こ、これは……!?」
そして彼女が見た物は屋敷の外で数十人の兵士と緑影の暗殺者たちが倒れている事に気付き、既に屋敷を守護していた者達が倒されている事に気付いた彼女は、急いでティナの元へ向かう。
感想 5,097
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
真の皇帝は俺です ~面倒だから幼なじみに帝位を任せていたら、婚約者に捨てられました。正体を明かしたら全員後悔してももう遅い~
皇帝の仕事が面倒だったレインは、信頼する幼なじみアレクシスに表向きの皇帝を任せ、自身は陰から帝国を支えていた。
だがある日、婚約者エミリアは「権力も将来性もない」と彼を見限り婚約破棄を宣言する。
しかし彼女は知らなかった。
帝国を動かしていた真の支配者が誰なのかを。
これは全てを持ちながら隠していた男と、見るべきものを見失った者たちの後悔の物語。
スキルを奪われてお詫びチートをもらったので余生を楽しく……過ごさせてくれ
異世界に召喚されたその日、巻き込まれた青年に俺が得るはずだったスキルを奪われた。
お詫びとしてチートスキルを授かった俺は、第二の人生くらい好きに生きようと旅に出る。
行き着いた先は、寂れた町の場末の酒場だ。
なぜか客は男ばかりだが、日雇い冒険者や恐妻家の肉屋たちとの気楽な毎日は悪くない。
……ただ一人、どう見ても貴族のような美青年がこの地味な酒場へ通ってくる理由だけは、さっぱりわからない。
「お前らツケはやめろ」
そんな穏やかな日々を送っていたはずなのに、ある日、酒場へ厄介な依頼が舞い込んできた――。
他サイトでも掲載しています。
不定期更新です。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
コミカライズ企画進行中です!!
3巻発売です!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&3巻出版!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、コミカライズ決定いたしました!現在企画進行中!!そしてオリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
12日には、楽天koboにおいてファンタジー5位となりました!皆様のおかげです!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(3巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
夏にはいよいよコミカライズ連載開始予定です!乞うご期待!!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
オリコンランキングライトノベル 週間BOOKランキング 18位(2025年9月29日付)