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外伝 ~ヨツバ王国編~
反撃準備
――七影をレナが倒してから翌日の朝、コトミン達がどうにか東壁街へ引き返す。魔の草原へ移動する際はケンタウロス族の背中に乗って移動していたので徒歩の場合だと予想以上に時間は掛かったが、3人はレナが目を覚ました事に非常に喜ぶ。
最も状況的には最悪と言っても過言ではなく、東聖将軍と守備将軍は石化された事によって壊滅した。引き分けに近い結果となったが、これで東壁街を守護する兵士達はいなくなり、もしも王都から新たな討伐軍を派遣された場合は手の打ちようがない。
ギンタロウの妻であるリョウコが彼の代理として残された東壁街の戦力を集めて会議を行うが、集まったのは数十名の兵士と冒険者だけであり、この状況では街を防衛する事も難しい。もしも大群が攻めてきた場合、いくら防衛に優れた東壁街だろうと対抗する手段はなかった。
「……これからどうすればいいのか、誰か案があったら躊躇なくお答えください」
『…………』
リョウコの言葉に誰一人として口を開かず、室内は重苦しい雰囲気に満たされる。案を出せと言われてもこの最悪な状況で何が出来るのかと大半の人間が考えてしまい、打開案など簡単に思いつくはずがない。しかし、無意味に時間を過ごせば過ごす程に状況は不利に陥ってくる。
「その前に一応は報告を……七影は全員捕縛する事に成功したが、やはり王都の方ではマリア様が六聖将に就任し、正式にハヅキ家の当主へ就くことをカレハ王女が民衆にも大々的に広めているようです」
「つまり、マリアは本当に敵に回ったというのか?」
「そこまではまだ……しかし、マリア様の性格を考えればカレハ王女に味方するなど有り得ない。何か、事情があって従っている可能性もありますが……」
「しかし、もしも本当にマリアが敵に寝返っていた場合、我々に勝ち目はないぞ。奴は最強のS級魔導士を務めた女だ」
戦力的にもヨツバ王国側の方が有利にも関わらず、更にマリアが本当に敵に回ったとしたらレナ達に勝ち目はない。彼女は間違いなくバルトロス王国の中で最強の魔術師である事は間違いなく、彼女一人で万を超える軍隊を駆逐する力を持つ。
しかし、現在のヨツバ王国も六聖将の半数近くを失って戦力が落ちている事は間違いなく、もう王都に残された戦力と言えばキラウ、ハヤテ、マリア、そして数千の兵士だけである。また、キラウに関しては少々気になる点があった。
「それにしてもキラウとやらはどうして味方である守備将軍までも石化された?奴はカレハの指示に従っているのではないのか?」
「確かにその点は気になるでござる。どうしてわざわざ両軍の兵士を石化させたのか……そもそもどうやって数千人の兵士を一瞬で石化させたのかも気になるでござる」
「……そこは私も気になった」
「僕もだよ。あいつ、どうやってあんな大勢の人間を石化させたんだ?」
マリアも脅威しなければならないが、キラウに関しても彼女以上に警戒しなければならず、数千人の兵士を短い時間で石化させた方法が未だに判明していない。キラウの持つ「石化の魔眼」はあくまでも視線を交わした人間にしか石化できず、いくらキラウといっても魔眼の持ち主であるメドゥーサ以上に石化の能力を使いこなせるはずがない。
『……アイリス、俺が寝ている間になんか色々とあったみたいだけど解説してくれる』
『はいはい、分かりましたよ』
会議中にレナはアイリスと交信を行い、自分が気を失っている間の出来事をアイリスに教えて貰うと、彼女は最後にキラウがどのような手段で数千人の兵士を石化させたのかを伝える。真相を知ったレナは会議室の面々に自分が推察した風に演じて意見を伝える。
「アンデッド、じゃないかな?」
「アンデッド……?」
「一体何を言い出すんだよレナ?アンデッドがどうかしたのか?」
「何か思いついたのでござるか?」
レナの言葉にコトミン達は不思議そうに顔を向けると、アイリスから教わった情報を頼りにレナは自分が考察するふりを行いながら説明を行う。
「つまり、キラウは死霊術を使って大勢のアンデッドを蘇らせたんでしょ?そして兵士達はアンデッドの存在に気付いてしまった。それが答えなんじゃないかな?」
「どういう意味だ?アンデッドに気付いたからと言って何故、石化したというんだ?」
「確か死霊術は死体に闇属性の魔力を送り込んで操る魔法だよね?」
「あ、ああ……死霊人形を生み出す場合は死霊石という道具を使うんだけど、短期間の間なら一流の死霊使いなら道具を使わずに死体をアンデッドに変貌させる事が出来るはずだよ」
闇属性の魔法に詳しいダインによるとキラウが操作した兵士達のアンデッドは彼女が魔力を送り込んで動かしていた事は間違いなく、そのアンデッドにキラウの力が一部とはいえ宿っていた事が原因だとレナは伝える。
「多分だけど、石化された大半の人間は操られていたアンデッドと視線を合わせたんじゃないのかな?もしもキラウが自分の操作するアンデッドにも石化の魔眼と同じ効力を与える事が出来たとしたら……」
「まさか、数百体のアンデッドに石化の魔眼の力が宿ったというのか!?」
「突拍子もない話に思えるでござるが……確かにその方法なら数千人の兵士が石化された事も納得できるでござる」
戦場で数百人のアンデッドが出現すれば誰もがそちらに注意を引くのは当たり前であり、数百人の眼が存在すれば数千人の人間を石化させる事は不可能ではない。レナの言葉に全員が納得した表情を浮かべ、有り得ない話ではなかった。
最も状況的には最悪と言っても過言ではなく、東聖将軍と守備将軍は石化された事によって壊滅した。引き分けに近い結果となったが、これで東壁街を守護する兵士達はいなくなり、もしも王都から新たな討伐軍を派遣された場合は手の打ちようがない。
ギンタロウの妻であるリョウコが彼の代理として残された東壁街の戦力を集めて会議を行うが、集まったのは数十名の兵士と冒険者だけであり、この状況では街を防衛する事も難しい。もしも大群が攻めてきた場合、いくら防衛に優れた東壁街だろうと対抗する手段はなかった。
「……これからどうすればいいのか、誰か案があったら躊躇なくお答えください」
『…………』
リョウコの言葉に誰一人として口を開かず、室内は重苦しい雰囲気に満たされる。案を出せと言われてもこの最悪な状況で何が出来るのかと大半の人間が考えてしまい、打開案など簡単に思いつくはずがない。しかし、無意味に時間を過ごせば過ごす程に状況は不利に陥ってくる。
「その前に一応は報告を……七影は全員捕縛する事に成功したが、やはり王都の方ではマリア様が六聖将に就任し、正式にハヅキ家の当主へ就くことをカレハ王女が民衆にも大々的に広めているようです」
「つまり、マリアは本当に敵に回ったというのか?」
「そこまではまだ……しかし、マリア様の性格を考えればカレハ王女に味方するなど有り得ない。何か、事情があって従っている可能性もありますが……」
「しかし、もしも本当にマリアが敵に寝返っていた場合、我々に勝ち目はないぞ。奴は最強のS級魔導士を務めた女だ」
戦力的にもヨツバ王国側の方が有利にも関わらず、更にマリアが本当に敵に回ったとしたらレナ達に勝ち目はない。彼女は間違いなくバルトロス王国の中で最強の魔術師である事は間違いなく、彼女一人で万を超える軍隊を駆逐する力を持つ。
しかし、現在のヨツバ王国も六聖将の半数近くを失って戦力が落ちている事は間違いなく、もう王都に残された戦力と言えばキラウ、ハヤテ、マリア、そして数千の兵士だけである。また、キラウに関しては少々気になる点があった。
「それにしてもキラウとやらはどうして味方である守備将軍までも石化された?奴はカレハの指示に従っているのではないのか?」
「確かにその点は気になるでござる。どうしてわざわざ両軍の兵士を石化させたのか……そもそもどうやって数千人の兵士を一瞬で石化させたのかも気になるでござる」
「……そこは私も気になった」
「僕もだよ。あいつ、どうやってあんな大勢の人間を石化させたんだ?」
マリアも脅威しなければならないが、キラウに関しても彼女以上に警戒しなければならず、数千人の兵士を短い時間で石化させた方法が未だに判明していない。キラウの持つ「石化の魔眼」はあくまでも視線を交わした人間にしか石化できず、いくらキラウといっても魔眼の持ち主であるメドゥーサ以上に石化の能力を使いこなせるはずがない。
『……アイリス、俺が寝ている間になんか色々とあったみたいだけど解説してくれる』
『はいはい、分かりましたよ』
会議中にレナはアイリスと交信を行い、自分が気を失っている間の出来事をアイリスに教えて貰うと、彼女は最後にキラウがどのような手段で数千人の兵士を石化させたのかを伝える。真相を知ったレナは会議室の面々に自分が推察した風に演じて意見を伝える。
「アンデッド、じゃないかな?」
「アンデッド……?」
「一体何を言い出すんだよレナ?アンデッドがどうかしたのか?」
「何か思いついたのでござるか?」
レナの言葉にコトミン達は不思議そうに顔を向けると、アイリスから教わった情報を頼りにレナは自分が考察するふりを行いながら説明を行う。
「つまり、キラウは死霊術を使って大勢のアンデッドを蘇らせたんでしょ?そして兵士達はアンデッドの存在に気付いてしまった。それが答えなんじゃないかな?」
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「多分だけど、石化された大半の人間は操られていたアンデッドと視線を合わせたんじゃないのかな?もしもキラウが自分の操作するアンデッドにも石化の魔眼と同じ効力を与える事が出来たとしたら……」
「まさか、数百体のアンデッドに石化の魔眼の力が宿ったというのか!?」
「突拍子もない話に思えるでござるが……確かにその方法なら数千人の兵士が石化された事も納得できるでござる」
戦場で数百人のアンデッドが出現すれば誰もがそちらに注意を引くのは当たり前であり、数百人の眼が存在すれば数千人の人間を石化させる事は不可能ではない。レナの言葉に全員が納得した表情を浮かべ、有り得ない話ではなかった。
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