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外伝 ~ヨツバ王国編~
ツバサの助言
『この手紙がギンタロウ将軍に無事に届いている事を祈り、私の現状を書き記します。カレハ王女の命令を受け、私は北聖将軍の再編成を行い、バルトロス王国から派遣される軍隊を警戒して待機するように命じられました。しかし、これはあくまでも私を王都から引き離すためのカレハ王女の策略である事は明白です』
手紙には現在のツバサの状況と彼女もカレハに不信を抱いている事が記され、冒頭の部分だけでも彼女がカレハの事を警戒している旨が記されていた。
『しかし、王命を受けた以上は私も立場上はカレハ王女に逆らう事は出来ません。また、王都内には私の配下を残しており、妹であるハヤテも傍にいます。私の方も常にカレハ王女が同行させた緑影の隊員と常日頃から監視されているので今まで連絡が取れませんでした』
カレハに警戒されたツバサは北聖将軍の引継ぎを任されるだけではなく、緑影によって監視され、しかも彼女の直属の部下は全員が王都で待機しているという。また、ツバサの妹であるハヤテもカレハの傍に存在する限り、彼女はカレハに逆らう事は出来ない。
部下と自分の妹の命を人質に取られた事に等しいツバサはカレハの命令通りに北聖将軍の編成を行い、来るはずがないバルトロス王国の軍隊の警戒を行わなければならない。彼女としてはもっと早い段階でギンタロウと連絡を取りたかったそうだが、立場上はツバサはカレハに表立って逆らう事は出来なかった。しかし、ギンタロウの方から連絡役が届けられた事で彼女はカレハの目的を書き記す。
『カレハ王女の目的はティナ様に代わり、この国を乗っ取る事です。そのためにまずは現六聖将の存在を邪魔に思い、自分に従った南聖将のレイビ以外の存在を排除しようとしている節があります。六聖将同士を敢えて争わせ、将が死亡すると同時に自分に忠誠を誓う者を新たな将軍へ迎え入れたのが証拠です。また、マリア様に関しては私も調べた結果、どうやら彼女は洗脳されているわけではなく、何らかの方法で別の人間に操られている可能性が高いと感じました』
ツバサの推察ではマリアは洗脳の類でカレハに強制的に従っているわけではなく、何者かの意思によって彼女は操られ、カレハに協力している可能性があった。その根拠としてツバサはマリアと会話を行ったとき、試しにハヅキの名前を口にしたという。
『マリア様と話をする機会が訪れた時、私はハヅキ様とアイラ様の名前を口にしました。しかし、この二人の名前を耳にしてもマリア様は特に反応を示さず、私が彼女が六聖将に就任したとき、亡き御父上も報われるだろうと語ってもマリア様は一言だけ礼を告げて立ち去りました。これは有り得ない事です、あの方が家族の事をどれだけ大切にしているのかは私はハヤテを通して知っています』
マリアは亡くなった父親を誰よりも尊敬し、姉であるアイラと母親のハヅキの事を愛していた。それにも関わらずに3人の名前を出してもマリアが何の反応も示さない事にツバサは疑問を抱き、そして父親の名前を語った時に彼女が別人であると確信した。
『別れ際に私はマリア様の父親の名前を敢えて誤った呼び方をして、六聖将の就任の報告も兼ねて墓参りへ赴くように促しました。しかし、マリア様は父親の名前を間違って呼ばれても気にした風もなく、それどころか墓参りに関しても「今は時間がない」という理由で断りました。この事からマリア様は明らかに何者かに操られていると確信しました』
ハヅキからマリアがどれだけ父親の事を愛していたのかを教えて貰っていたツバサだからこそ、マリアが父親の名前を誤って呼んでも怒らない事に違和感を抱く。また、マリアの父親はかなり前に亡くなり、彼の存在どころか名前を知っている者は少ない。
洗脳によって人を操る術はこの世界にも存在するが、記憶に関しては洗脳の力で完全に消す事は出来ず、家族愛が強いマリアが亡き父親や母親、そして最愛の姉の名前さえも忘れてしまったとは考えにくい。だが、彼女がマリア本人である事は間違いなく、実際に彼女は六聖将に就任する際にその圧倒的な力を見せつけた。
『どのような理由があるにしろ、もしも将軍がクレナイ将軍を打ち破り、王都へ攻め込む機会が恵まれたとしても現在の王都へは近づかないでください。マリア様が何者かに操られているとしても、その魔法の力は健在です。あのクレナイ将軍でさえも太刀打ちできぬ程の力を彼女は持っています』
――手紙にはつい先日、マリアが六聖将を就任したときの出来事も書き記され、カレハの公認の元で六聖将筆頭のクレナイとマリアは決闘を行う。その結果、勝利したのはマリアであり、しかも誰の目から見ても圧倒的な力であのクレナイを打ち破った経緯まで記されていた。
手紙には現在のツバサの状況と彼女もカレハに不信を抱いている事が記され、冒頭の部分だけでも彼女がカレハの事を警戒している旨が記されていた。
『しかし、王命を受けた以上は私も立場上はカレハ王女に逆らう事は出来ません。また、王都内には私の配下を残しており、妹であるハヤテも傍にいます。私の方も常にカレハ王女が同行させた緑影の隊員と常日頃から監視されているので今まで連絡が取れませんでした』
カレハに警戒されたツバサは北聖将軍の引継ぎを任されるだけではなく、緑影によって監視され、しかも彼女の直属の部下は全員が王都で待機しているという。また、ツバサの妹であるハヤテもカレハの傍に存在する限り、彼女はカレハに逆らう事は出来ない。
部下と自分の妹の命を人質に取られた事に等しいツバサはカレハの命令通りに北聖将軍の編成を行い、来るはずがないバルトロス王国の軍隊の警戒を行わなければならない。彼女としてはもっと早い段階でギンタロウと連絡を取りたかったそうだが、立場上はツバサはカレハに表立って逆らう事は出来なかった。しかし、ギンタロウの方から連絡役が届けられた事で彼女はカレハの目的を書き記す。
『カレハ王女の目的はティナ様に代わり、この国を乗っ取る事です。そのためにまずは現六聖将の存在を邪魔に思い、自分に従った南聖将のレイビ以外の存在を排除しようとしている節があります。六聖将同士を敢えて争わせ、将が死亡すると同時に自分に忠誠を誓う者を新たな将軍へ迎え入れたのが証拠です。また、マリア様に関しては私も調べた結果、どうやら彼女は洗脳されているわけではなく、何らかの方法で別の人間に操られている可能性が高いと感じました』
ツバサの推察ではマリアは洗脳の類でカレハに強制的に従っているわけではなく、何者かの意思によって彼女は操られ、カレハに協力している可能性があった。その根拠としてツバサはマリアと会話を行ったとき、試しにハヅキの名前を口にしたという。
『マリア様と話をする機会が訪れた時、私はハヅキ様とアイラ様の名前を口にしました。しかし、この二人の名前を耳にしてもマリア様は特に反応を示さず、私が彼女が六聖将に就任したとき、亡き御父上も報われるだろうと語ってもマリア様は一言だけ礼を告げて立ち去りました。これは有り得ない事です、あの方が家族の事をどれだけ大切にしているのかは私はハヤテを通して知っています』
マリアは亡くなった父親を誰よりも尊敬し、姉であるアイラと母親のハヅキの事を愛していた。それにも関わらずに3人の名前を出してもマリアが何の反応も示さない事にツバサは疑問を抱き、そして父親の名前を語った時に彼女が別人であると確信した。
『別れ際に私はマリア様の父親の名前を敢えて誤った呼び方をして、六聖将の就任の報告も兼ねて墓参りへ赴くように促しました。しかし、マリア様は父親の名前を間違って呼ばれても気にした風もなく、それどころか墓参りに関しても「今は時間がない」という理由で断りました。この事からマリア様は明らかに何者かに操られていると確信しました』
ハヅキからマリアがどれだけ父親の事を愛していたのかを教えて貰っていたツバサだからこそ、マリアが父親の名前を誤って呼んでも怒らない事に違和感を抱く。また、マリアの父親はかなり前に亡くなり、彼の存在どころか名前を知っている者は少ない。
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