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外伝 ~ヨツバ王国編~
最上級魔法 〈クリエイト〉
「流石ですね……森人族の熟練の魔術師であろうと極めるのに50年は掛かると言われている複数魔法さえも扱えるなんて、しかも3つも同時に展開する魔術師はヨツバ王国の歴史上でも数人といません」
「ぐっ……この程度!!」
マリアの魔法を受けたクレナイではあったが、寸前に大剣で防いだことで致命傷は避けたらしく、竜巻の力で正面か発せられた電撃をある程度は別方向へ誘導する。それでも身体が麻痺を起こし、しばらくは動けそうになかった。その様子を見たマリアは杖を構えると地面へ突き刺す。
「サンドストーム」
「広域魔法!?」
「いかん、全員避難しろ!!」
土属性と風属性の魔法を複合させ、砂嵐を引き起こす。砲撃魔法よりも更に上位に位置する広域魔法をマリアは難なく発動させると、王城に砂煙が舞う。クレナイも竜巻は扱うが、彼女の場合は出力が桁違いであり、彼は吹き飛ばされないように大剣を地面に突き刺して抵抗する。
「ぬうっ……舐めるな!!」
しかし、六聖将筆頭の意地なのかクレナイは身体の感覚を取り戻すと起き上がり、大剣に纏わせた竜巻を斬撃へと変化させて砂嵐を切り裂く。その結果、砂煙が晴れて周囲の光景が確認出来るようになったが、マリアの姿は存在しなかった。
「何!?何処へ消えた!!逃げ出したか!!」
「しょ、将軍……後ろです!!」
「何だと!?」
審判役であるツバサがクレナイの後方を見て唖然とした表情を浮かべ、他の者達もクレナイの背後に存在する物体を見上げて呆気に取られた表情を浮かべていた。そんな彼等の反応を見てクレナイは振り返ると、そこには巨大な物体が何時の間にか存在した。
クレナイの後方には巨大な土砂が形成され、恐らくは先ほどのマリアの広域魔法で裏庭の地面から集まった物だと思うが、その頂点には何時の間にかマリアが存在した。彼女は杖を土塊に突き刺した瞬間、魔術師の中でもレベル70を超え、あらゆる魔法を極めた人間にしか扱えない最上位の魔法を発動させた。
「最上級魔法……クリエイト」
マリアの握り締めた杖が光り輝いた瞬間、魔石が砕け散り、破片が土塊の中に飲み込まれた。その直後、巨大な土塊が徐々に動き出すと、全体の形が変形し、やがて巨大な人型の巨人へと変異する。
『オオオオオッ……!!』
「アースゴーレム、攻撃開始」
全長が7、8メートルを超える巨大なゴーレムを生み出したマリアはクレナイへ向けて攻撃をするように指示を出すと、アースゴーレムと呼ばれた巨大ゴーレムは拳を振り翳し、クレナイへ向けて叩き込む。
『オアアッ!!』
「このっ……ゴーレム如きにこの俺が後れを取ると思っているのか!!」
ゴーレムを生み出した事にはクレナイも驚かされたが、すぐに彼は怒りの表情を抱き、大剣でゴーレムの拳を受け止めようとした。しかし、刃が触れる寸前にゴーレムの拳が左右に分かれると、刃の部分だけを素通りして二つに分かれた拳がクレナイの身体に衝突した。
『オオオオッ!!』
「がはぁっ!?」
「しょ、将軍!?」
「そんな馬鹿な!!一体何が起きた!?」
「拳が途中で二つに分かれたように見えたが……」
最強の六聖将であるクレナイが吹き飛ばされ、そのまま城壁に叩きつけられた光景に家臣は騒ぎ出し、ツバサでさえも何が起きたのか一瞬理解できなかった。だが、クレナイが攻撃を受け止めようとした時にアースゴーレムの拳が分裂して刃を交わして彼の肉体のみに攻撃を仕掛けた事に気付く。
アースゴーレムは岩石や煉瓦で構成された「ロックゴーレム」「ブロックゴーレム」とは異なり、肉体は土砂で形成されている。性質的には「サンドゴーレム」に近いが、サンドゴーレムの場合は全体が砂で構成されているのに対してアースゴーレムの場合は砂だけでなく、土や石も多分に含んでいる。
攻撃の際にアースゴーレムは全身の土砂を自由自在に変形し、土砂を練り固める事で硬質化したり、場合によっては分裂を行う能力を持つ。謂わばスライムのような変形能力を手に入れた最強のゴーレムと言える。そのアースゴーレムを作り出したマリアは壁際に吹き飛ばされたクレナイに視線を向け、追撃を加えようとした。
「アースゴーレム……追撃」
「ぐうっ……舐めるなっ!!」
「そこまで!!」
迫りくるアースゴーレムに対してクレナイは血を流しながらも立ち向かおうとしたが、ツバサが二人の間に割り込み、両者に手を伸ばす。その姿を見てクレナイは大剣を止め、マリアもアースゴーレムの攻撃を中断させる。決闘を中断させたツバサはカレハに振り返り、これ以上の続行は認められない事を伝える。
「カレハ様!!マリア様の実力は十分に分かりました……これ以上に決闘を続ければクレナイ様とマリア様のどちらかが命を落としかねません!!」
「ツバサ!!余計な真似はするな!!」
「いいえ、ツバサさんの言う事は間違ってはおりません。味方同士、これ以上に争っても意味はありません。クレナイ将軍もマリアの力を認めて下さいますね?」
「ぐっ……!!」
「…………」
決闘を中断されたクレナイは悔し気な表情を浮かべながらマリアを見上げるが、そんな彼に対してマリアは無表情のままアースゴーレムを解除させると、カレハの前に跪く。その姿を見てカレハは笑みを浮かべ、ツバサは大きな不安を抱く。
これが数日前に王都で起きた出来事であり、マリアは実力を示して六聖将入りを果たし、そして現在は王都を守るただひとりの将軍としてカレハの傍に控えていた――
「ぐっ……この程度!!」
マリアの魔法を受けたクレナイではあったが、寸前に大剣で防いだことで致命傷は避けたらしく、竜巻の力で正面か発せられた電撃をある程度は別方向へ誘導する。それでも身体が麻痺を起こし、しばらくは動けそうになかった。その様子を見たマリアは杖を構えると地面へ突き刺す。
「サンドストーム」
「広域魔法!?」
「いかん、全員避難しろ!!」
土属性と風属性の魔法を複合させ、砂嵐を引き起こす。砲撃魔法よりも更に上位に位置する広域魔法をマリアは難なく発動させると、王城に砂煙が舞う。クレナイも竜巻は扱うが、彼女の場合は出力が桁違いであり、彼は吹き飛ばされないように大剣を地面に突き刺して抵抗する。
「ぬうっ……舐めるな!!」
しかし、六聖将筆頭の意地なのかクレナイは身体の感覚を取り戻すと起き上がり、大剣に纏わせた竜巻を斬撃へと変化させて砂嵐を切り裂く。その結果、砂煙が晴れて周囲の光景が確認出来るようになったが、マリアの姿は存在しなかった。
「何!?何処へ消えた!!逃げ出したか!!」
「しょ、将軍……後ろです!!」
「何だと!?」
審判役であるツバサがクレナイの後方を見て唖然とした表情を浮かべ、他の者達もクレナイの背後に存在する物体を見上げて呆気に取られた表情を浮かべていた。そんな彼等の反応を見てクレナイは振り返ると、そこには巨大な物体が何時の間にか存在した。
クレナイの後方には巨大な土砂が形成され、恐らくは先ほどのマリアの広域魔法で裏庭の地面から集まった物だと思うが、その頂点には何時の間にかマリアが存在した。彼女は杖を土塊に突き刺した瞬間、魔術師の中でもレベル70を超え、あらゆる魔法を極めた人間にしか扱えない最上位の魔法を発動させた。
「最上級魔法……クリエイト」
マリアの握り締めた杖が光り輝いた瞬間、魔石が砕け散り、破片が土塊の中に飲み込まれた。その直後、巨大な土塊が徐々に動き出すと、全体の形が変形し、やがて巨大な人型の巨人へと変異する。
『オオオオオッ……!!』
「アースゴーレム、攻撃開始」
全長が7、8メートルを超える巨大なゴーレムを生み出したマリアはクレナイへ向けて攻撃をするように指示を出すと、アースゴーレムと呼ばれた巨大ゴーレムは拳を振り翳し、クレナイへ向けて叩き込む。
『オアアッ!!』
「このっ……ゴーレム如きにこの俺が後れを取ると思っているのか!!」
ゴーレムを生み出した事にはクレナイも驚かされたが、すぐに彼は怒りの表情を抱き、大剣でゴーレムの拳を受け止めようとした。しかし、刃が触れる寸前にゴーレムの拳が左右に分かれると、刃の部分だけを素通りして二つに分かれた拳がクレナイの身体に衝突した。
『オオオオッ!!』
「がはぁっ!?」
「しょ、将軍!?」
「そんな馬鹿な!!一体何が起きた!?」
「拳が途中で二つに分かれたように見えたが……」
最強の六聖将であるクレナイが吹き飛ばされ、そのまま城壁に叩きつけられた光景に家臣は騒ぎ出し、ツバサでさえも何が起きたのか一瞬理解できなかった。だが、クレナイが攻撃を受け止めようとした時にアースゴーレムの拳が分裂して刃を交わして彼の肉体のみに攻撃を仕掛けた事に気付く。
アースゴーレムは岩石や煉瓦で構成された「ロックゴーレム」「ブロックゴーレム」とは異なり、肉体は土砂で形成されている。性質的には「サンドゴーレム」に近いが、サンドゴーレムの場合は全体が砂で構成されているのに対してアースゴーレムの場合は砂だけでなく、土や石も多分に含んでいる。
攻撃の際にアースゴーレムは全身の土砂を自由自在に変形し、土砂を練り固める事で硬質化したり、場合によっては分裂を行う能力を持つ。謂わばスライムのような変形能力を手に入れた最強のゴーレムと言える。そのアースゴーレムを作り出したマリアは壁際に吹き飛ばされたクレナイに視線を向け、追撃を加えようとした。
「アースゴーレム……追撃」
「ぐうっ……舐めるなっ!!」
「そこまで!!」
迫りくるアースゴーレムに対してクレナイは血を流しながらも立ち向かおうとしたが、ツバサが二人の間に割り込み、両者に手を伸ばす。その姿を見てクレナイは大剣を止め、マリアもアースゴーレムの攻撃を中断させる。決闘を中断させたツバサはカレハに振り返り、これ以上の続行は認められない事を伝える。
「カレハ様!!マリア様の実力は十分に分かりました……これ以上に決闘を続ければクレナイ様とマリア様のどちらかが命を落としかねません!!」
「ツバサ!!余計な真似はするな!!」
「いいえ、ツバサさんの言う事は間違ってはおりません。味方同士、これ以上に争っても意味はありません。クレナイ将軍もマリアの力を認めて下さいますね?」
「ぐっ……!!」
「…………」
決闘を中断されたクレナイは悔し気な表情を浮かべながらマリアを見上げるが、そんな彼に対してマリアは無表情のままアースゴーレムを解除させると、カレハの前に跪く。その姿を見てカレハは笑みを浮かべ、ツバサは大きな不安を抱く。
これが数日前に王都で起きた出来事であり、マリアは実力を示して六聖将入りを果たし、そして現在は王都を守るただひとりの将軍としてカレハの傍に控えていた――
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