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S級冒険者編
青の剣聖VS拳鬼
「牙斬!!」
「くっ!?」
「連撃!!」
「きゃっ!?」
アイラが不規則な軌道の斬撃をシズネは回避した直後、今度は拳が繰り出されて頬を掠めた。剣士の戦技だけではなく、格闘家としての戦技も織り交ぜて繰り出してくるアイラに対してシズネは冷や汗を流す。
(強い……流石はレナのお母さんね)
シズネは冷や汗を流しながらも雪月花を構え、アイラの強さを改めて思い知る。S級冒険者にして剣士と格闘家の極みに辿り着いた彼女の強さにシズネは圧倒されるが、それでも絶対に敵わない相手だとは思わなかった。彼女がずっと追いかけ続けた相手はもっと強い。
ゴウライに勝つことだけを考えて腕を磨き上げていたシズネにとってはアイラは確かに強いが、それでもゴウライには及ばない。しかし、剣士としてだけではなく格闘家としても一流な彼女の動作に翻弄されてしまう。それでもシズネは自分が負けるわけにはいかないと考えていた。
(あちらも大変そうね……どうにかして私がこの人を仕留めないと、レナに負担をかけるわ)
この場所が何なのか、どうして自分たちが戦わされているのかはシズネにも理解できていない。だが、先ほどの戦闘から戦った相手が光の粒子と化して消えていく様を見ていたシズネは、相手が本物の人間ではない事だけは見抜いていた。
(レナに母親を斬らせるわけにはいかない……そんな業は背負う必要はない)
もしもレナが偽物であるとはいえ、アイラを斬るような真似をすればきっと心が傷つくだろうと考えていた。剣鬼として目覚めたレナは今までに何人か斬ってきたが、それでも彼にとって大切な相手を殺した事はない。だからシズネは偽物とわかっていてもレナに自分の母親を斬らせるわけにはいかなかった。そのためにシズネはアイラに勝つために自分も本気の構えを取る。
(最高の一撃で……確実に仕留める)
レナ達と交わる様になってからは無暗に人を斬る事はなくなったシズネだが、彼女の本職は傭兵であって何度も戦場に立っている。シズネは雰囲気を一変させてアイラと向き直ると、彼女に向けて鋭い斬撃を放つ。
「刺突・閃!!」
「きゃっ!?」
高速に突き出された雪月花の刃がアイラの所持していた剣を狙うと、勢いよく弾いてアイラの剣を吹き飛ばす。自分の剣が弾かれた光景を見てアイラは驚くが、瞬時に拳を握りしめてシズネに反撃を繰り出そうとした。
「乱打……!?」
「まだよっ!!」
しかし、アイラの拳がシズネに触れる事はなく、既にシズネは上空に移動していた。攻撃を繰り出した後に跳躍を行ったシズネは空中にて雪月花を構え、全体重を乗せた一撃を繰り出す。
「落突!!」
「くぅっ!?」
上空から繰り出された刃に対してアイラは後方に転がって回避に成功するが、それさえも予測していたシズネは地面に刃を突き刺すと、両手で柄を握りしめて下から切り上げた。
「三日月!!」
「あうっ!?」
地面を利用してデコピンの原理で加速と力を増した一撃が放たれると、アイラの胸元に確実に刃が走った。それでも致命傷には至らず、アイラは苦痛の表情を浮かべながらもシズネの肩を掴む。
「くっ……このぉっ!!」
「まだよ!!」
「はぐっ!?」
シズネの両肩を掴んでアイラは引き寄せると、彼女の顔面に頭突きを繰り出そうとした。しかし、シズネは完全に引き寄せられる前に蹴りを繰り出してアイラの顎を打ち抜く。予想外の彼女の反撃にアイラは驚くが、シズネは笑みを浮かべて剣を構える。
「私は傭兵よ……剣だけが取り柄だと思わないで!!」
「がはぁっ!?」
隙だらけのアイラの胸元にシズネは刃を突き刺した瞬間、アイラは血反吐を吐いて膝を付き、やがて光の粒子と化して徐々に消えていく。その光景を目にしたシズネは安堵しかけたが、消える寸前にアイラは目を見開き、シズネの伸ばしきった腕に肘と膝を上下から叩き込む。
消えかける寸前で予想外の反撃を受けたシズネは悲鳴を上げる事も出来ず、左腕が完全に折れてしまった。その様子を見てアイラは微かに笑みを浮かべ、一言呟いた。
「……最後まで、油断しては駄目よ」
「っ……消えなさいっ!!」
最後に反撃を許してしまった自分自身に怒りを覚えながらもシズネは雪月花をアイラから引き抜くと、今度こそ彼女は光と共に消え去っていく。確実に骨が砕かれたシズネは腕を抑え込み、悔し気に呟く。
「……引き分けね」
結果的にはシズネはアイラを倒す事には成功したが、左腕を犠牲にしてしまった。命を奪っても剣士にとっては要である腕を折られてしまい、しかも骨を折るのではなく砕かれてしまえば治療も難しい。下手をしたら腕を使えなくなっていたかもしれない。
しかも恐るべきところはシズネが相対したのはあくまでも闘技祭に参加したときのアイラであり、全盛期の彼女ではない。だからもしも全盛期の彼女と戦っていた場合、シズネが必ず勝つという保証はなかった。それでもシズネは一人でアイラを倒したという事実は変わらず、彼女は雪月花の力で腫れた腕を冷やしながらレナ達の様子を伺うと、既にあちらの方も決着が付きそうだった
「くっ!?」
「連撃!!」
「きゃっ!?」
アイラが不規則な軌道の斬撃をシズネは回避した直後、今度は拳が繰り出されて頬を掠めた。剣士の戦技だけではなく、格闘家としての戦技も織り交ぜて繰り出してくるアイラに対してシズネは冷や汗を流す。
(強い……流石はレナのお母さんね)
シズネは冷や汗を流しながらも雪月花を構え、アイラの強さを改めて思い知る。S級冒険者にして剣士と格闘家の極みに辿り着いた彼女の強さにシズネは圧倒されるが、それでも絶対に敵わない相手だとは思わなかった。彼女がずっと追いかけ続けた相手はもっと強い。
ゴウライに勝つことだけを考えて腕を磨き上げていたシズネにとってはアイラは確かに強いが、それでもゴウライには及ばない。しかし、剣士としてだけではなく格闘家としても一流な彼女の動作に翻弄されてしまう。それでもシズネは自分が負けるわけにはいかないと考えていた。
(あちらも大変そうね……どうにかして私がこの人を仕留めないと、レナに負担をかけるわ)
この場所が何なのか、どうして自分たちが戦わされているのかはシズネにも理解できていない。だが、先ほどの戦闘から戦った相手が光の粒子と化して消えていく様を見ていたシズネは、相手が本物の人間ではない事だけは見抜いていた。
(レナに母親を斬らせるわけにはいかない……そんな業は背負う必要はない)
もしもレナが偽物であるとはいえ、アイラを斬るような真似をすればきっと心が傷つくだろうと考えていた。剣鬼として目覚めたレナは今までに何人か斬ってきたが、それでも彼にとって大切な相手を殺した事はない。だからシズネは偽物とわかっていてもレナに自分の母親を斬らせるわけにはいかなかった。そのためにシズネはアイラに勝つために自分も本気の構えを取る。
(最高の一撃で……確実に仕留める)
レナ達と交わる様になってからは無暗に人を斬る事はなくなったシズネだが、彼女の本職は傭兵であって何度も戦場に立っている。シズネは雰囲気を一変させてアイラと向き直ると、彼女に向けて鋭い斬撃を放つ。
「刺突・閃!!」
「きゃっ!?」
高速に突き出された雪月花の刃がアイラの所持していた剣を狙うと、勢いよく弾いてアイラの剣を吹き飛ばす。自分の剣が弾かれた光景を見てアイラは驚くが、瞬時に拳を握りしめてシズネに反撃を繰り出そうとした。
「乱打……!?」
「まだよっ!!」
しかし、アイラの拳がシズネに触れる事はなく、既にシズネは上空に移動していた。攻撃を繰り出した後に跳躍を行ったシズネは空中にて雪月花を構え、全体重を乗せた一撃を繰り出す。
「落突!!」
「くぅっ!?」
上空から繰り出された刃に対してアイラは後方に転がって回避に成功するが、それさえも予測していたシズネは地面に刃を突き刺すと、両手で柄を握りしめて下から切り上げた。
「三日月!!」
「あうっ!?」
地面を利用してデコピンの原理で加速と力を増した一撃が放たれると、アイラの胸元に確実に刃が走った。それでも致命傷には至らず、アイラは苦痛の表情を浮かべながらもシズネの肩を掴む。
「くっ……このぉっ!!」
「まだよ!!」
「はぐっ!?」
シズネの両肩を掴んでアイラは引き寄せると、彼女の顔面に頭突きを繰り出そうとした。しかし、シズネは完全に引き寄せられる前に蹴りを繰り出してアイラの顎を打ち抜く。予想外の彼女の反撃にアイラは驚くが、シズネは笑みを浮かべて剣を構える。
「私は傭兵よ……剣だけが取り柄だと思わないで!!」
「がはぁっ!?」
隙だらけのアイラの胸元にシズネは刃を突き刺した瞬間、アイラは血反吐を吐いて膝を付き、やがて光の粒子と化して徐々に消えていく。その光景を目にしたシズネは安堵しかけたが、消える寸前にアイラは目を見開き、シズネの伸ばしきった腕に肘と膝を上下から叩き込む。
消えかける寸前で予想外の反撃を受けたシズネは悲鳴を上げる事も出来ず、左腕が完全に折れてしまった。その様子を見てアイラは微かに笑みを浮かべ、一言呟いた。
「……最後まで、油断しては駄目よ」
「っ……消えなさいっ!!」
最後に反撃を許してしまった自分自身に怒りを覚えながらもシズネは雪月花をアイラから引き抜くと、今度こそ彼女は光と共に消え去っていく。確実に骨が砕かれたシズネは腕を抑え込み、悔し気に呟く。
「……引き分けね」
結果的にはシズネはアイラを倒す事には成功したが、左腕を犠牲にしてしまった。命を奪っても剣士にとっては要である腕を折られてしまい、しかも骨を折るのではなく砕かれてしまえば治療も難しい。下手をしたら腕を使えなくなっていたかもしれない。
しかも恐るべきところはシズネが相対したのはあくまでも闘技祭に参加したときのアイラであり、全盛期の彼女ではない。だからもしも全盛期の彼女と戦っていた場合、シズネが必ず勝つという保証はなかった。それでもシズネは一人でアイラを倒したという事実は変わらず、彼女は雪月花の力で腫れた腕を冷やしながらレナ達の様子を伺うと、既にあちらの方も決着が付きそうだった
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