「帳簿しか見えぬ女は要らぬ」と追放された令嬢——赤字の額が頭上に浮かぶようになったのは、偶然ではありません
経理令嬢ヘレーネは公爵家の帳簿を十年間、一銭の誤差もなく管理してきた。
出納帳、給与台帳、外交費明細——全てが彼女の手を通り、全てが正確だった。
婚約者カールは言った。「帳簿しか見えぬ女は要らぬ。花の一輪も愛でられぬ女に何の価値がある」
追放されたヘレーネが去った翌月、公爵家の使用人の頭上に赤い数字が浮かび始めた。
盗み食いの厨房番に「2」。横領していた執事に「3,418」。そしてカール自身の頭上には——。
ヘレーネの帳簿は単なる記録ではなかった。彼女の「誠実さ」が結界となり、不正を見えなくしていた。
「赤字は、隠せませんの」
出納帳、給与台帳、外交費明細——全てが彼女の手を通り、全てが正確だった。
婚約者カールは言った。「帳簿しか見えぬ女は要らぬ。花の一輪も愛でられぬ女に何の価値がある」
追放されたヘレーネが去った翌月、公爵家の使用人の頭上に赤い数字が浮かび始めた。
盗み食いの厨房番に「2」。横領していた執事に「3,418」。そしてカール自身の頭上には——。
ヘレーネの帳簿は単なる記録ではなかった。彼女の「誠実さ」が結界となり、不正を見えなくしていた。
「赤字は、隠せませんの」
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不正を見ているものがいるぞと示すのは、不正の抑制に繋がるっていうのはとても正しい考えですね。
誰もが誠実というわけではないし、できごころでとかこれくらいならとか、それは現代でもある。窓口のボールペン持ってっちゃう人とかね。もちろん悪意で不正をする人もいる。
人の暮らしが見える帳簿を理解しあえる人に出会えて、よかった。
お読みいただき、ありがとうございます!
クレサさんに楽しんでいただけて、書いた甲斐があります。引き続きお楽しみいただければ嬉しいです。
今後ともよろしくお願いいたします!