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本編

兄さんのせいだ ※

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離宮のベッドルームに投げられた。秋は侍従君に任せ、ヴィがベッドの上にいる俺の上にのしかかる。

そのまま綺麗な顔が近づいて俺の唇を奪った。



「ん、ぐぅっ!?」



べろぉっと彼の舌が入ってきて執拗に口の中で切った傷を舐めてくる。

痛い。痛い!!

まだ血が滲んでいる状態なのにぐちゅぐちゅと舌で舐められて相当痛い。染みる。



「ぅ、ん、ぐ……っ!!」



涙目になってそれに耐えていると、ヴィの顔が離れた。俺はばっとすぐに口を手で押さえてぶるぶると首を振る。



「痛い!!」

「ごめんね?」

「このっ!」



悪びれたような表情でないヴィに俺は軽く殺意を覚えて枕を投げようとしたが、するっとヴィの手が俺の太ももを撫でた。それからその指は這って、ベルトにかかる。だからこれから何をするのかが容易にわかった。



まずい、最後の一発背中に貰ったやつ絶対赤くなってる。これ以上傷があるのを見られたくないので俺は、べしっとその手を払う。



「き、気分じゃない」

「そうなの?」



俺がそう言ったがヴィ首を傾げてふわっと笑顔を見せる。

そして、俺の両手を素早く俺から剥ぎ取ったベルトで拘束した。



ひっ!ま、まずい!!



「いや!いやだってば!!」

「んー?」

「……っ!わ、分かった!じゃあ今日は顔見てヤりたい!」

「今日は背中見ながらヤりたいな?」

「う、だ、だめ、だめだって!!」



そう言いながらあっさりと俺をひっくり返したヴィが俺に抱き着きながら乱暴にシャツを裂く。

首筋を舐められて軽く噛まれながらシャツを取られた。俺の背中が露になって、ヴィの動きがいったん止まる。それからすっと指がじんじんと痛むそこを撫でた。



「――――っ!!」

「ベルちゃぁん?」

「違う、兄さんのせいだもん!!」

「どうしてそんな事を言うの?」

「本当のことだし!」



ヴィが俺の言葉を信じていないようで疑いの目を向けてくる。。



あ、ああ、これ完全に俺がやられたと思ってる!本当に兄さんなのに!兄さんのせいだ、酷い!!



「ベルちゃん?悪い事したらどうするんだっけ?」

「ひっ!」



昔盛大に腹に穴を開けて死にかけたからか、少しの傷でも彼は過剰に反応する。それは悪い事だとヴィが延々と淡々と懇々と訴えられて、その事に関しては俺も細心の注意を払っていた。が、兄さんに関しては予備動作が見えた瞬間にはもう攻撃されているので避けるのが難しい。なので、避けるより防御に徹した方が被害は少ない。



つまり何が言いたいのかというと、兄さんのせいであるということだ。



「ご、ごめんなさい!」

「うん、それで?」

「わ、悪いことをした俺を。い、いじめて……ください……」



恥ずかしい!こんな言葉を口にしないといけないだなんて……っ!!



ヴィはこれを言わないと機嫌が最高潮に悪いまま手ひどく気持ちいをされるので、だめだ。

俺は堪えしょうがないのでちんこの根元を絞められて射精できないようにされるとかなり辛い。最後に、それを解かれたと思えばお尻もちんこも触っちゃダメと言った後に執拗に乳首を攻め立てられて、勢いをなくして静かにゆっくりと射精した。あの時はぐらぐらして、



思考もままならないままずっともっとだの気持ちいだのを口にしてヴィにくっついていた。



「うん、そうだねベルちゃん。じゃあ次は何するの?」

「う、うぅ……」



ヴィが俺の両手の拘束を解いてそれから俺の上体を起こす。俺はそう言われて服を脱ぎ始める。ヴィが俺の顔に触れて耳を触るので、ぞくぞくしてきた。



生まれたての姿となった俺を抱きしめて首筋からゆっくりと舐める。



「―――っ!!」



ちゅ、ちゅっと吸い付くように唇を這わせられくすぐったっくて身をよじると、がっと腰を掴まれてそのままベッドに押し倒される。俺は裸なのにヴィは服を脱いでいないのでボタンなどの装飾が痛い。だからヴィの服に手をかけて脱がすがその間に小さい刺激を与えられてすぐにそういう気分になり呼吸が荒くなってきた。



「んひぃっ!」



ヴィの服を脱がしていたら、ヴィが乳首に触れた。昔はそうでもなかったのだが、そこを触られると気持ちがいい。指でつまんで弾いてこするられるとびくびくと体が震える。自然と口元が歪んできた。早くもっと強い刺激が欲しくて両手で自分のちんこを触る。しかし、それだけじゃうまくイけなくて後ろも触ろうとすると、ヴィが俺の両手を包み込んだ。それからゆっくりと俺の手の上からぐちゃぐちゃと先走りで濡れている俺のそこを扱く。



両手を包まれているのでそれから手が離れずに自分で動かすことも出来ずに気持ちいいが渋滞し始める。



「はっ、はっ、んっ、やぁ、あ、あっ!」

「んー?」

「ま、へ、んっ、はなひて、はな……っんんっ!!」



自分の手の中でぐちゃぐちゃになっていくが、全く射精できない。やっぱり後ろじゃないと、後ろを弄らないとダメだ。



「なんで?」

「う、ひろ、さわるぅっ!」



こうなると頭がよく回らなくなってきてこらえ性のない俺はすぐに気持ちいいことを恥ずかしげもなく求める。



「後ろ?背中かな?」

「ちが、おひりのあな……っ、んんっ!」



俺がそう言うとヴィがああそうかっと絶対分かっているというのに、そんな事を言いながらそっと俺の後ろの孔に少しだけ指を入れた。穴の皺を伸ばすように弄られて声が漏れる。でも、その刺激はもどかしい。



「あ、あ、もっとおくにいれて……っ!」

「んー?どうしようかなー?」



そう言いながら浅いところをぐちゅぐちゃと動かすので、全く気持ちいいのがやってこない。あまりにももどかしい。身じろぎしようとしたがぎゅうっと片手でちんこを握っている手に力を入れるので、下手に動けない。



「や、やぁ、んっ、もっと、もっとぉ……」

「えー?」

「やだ、やだぁ!!」



ああ、まずい。これは絶対俺の頼みを聞いてくれない。このまま浅い刺激で俺をゆっくりとイかせようとしている。そんなの耐えられない。



どうにか、ヴィにその気になって貰うために縋りついて甘えるように首筋にキスをしたりちゅうっと肌に吸い付いたりする。しかし、ヴィはくすくすと笑う。



「もぉっと気持ちいい事しよぅ?」

「ひっ、ん、やっ!う、んっ、あぁっ!」



時間をかけてヴィが俺を気持ち良くする。びくびく体が震えてぐるんっと視界が回り始める。

どれだけの時間ゆっくり、少しずつ気持ちイイを受け取っていると一際大きく俺のものが動いた。



「あっ、あっ、い、いくぅ……っ!ん、いく、あっ、あっあああ―――っ!!」



ゆっくりゆっくりと俺のものから精液が溢れてくる。びくっ、と震えながらあまりの気持ちよさに全身の力が抜けるが、ぐちゃっと先の方で強い刺激を覚えた。其方を見る前に先の方をこすられてひっとひきつったような呼吸をして喘ぐ。



「ひっ、ひっ、あ、あっ!んぅうっ!!」



手には力が入らずにいるがヴィの手によって強制的に動かされてもう溢れ出る気持ちいいが爆発しそうだ。こみあげてくるそれを感じながら解放されるのをただひたすらに待ち望んでヴィの手に摩りつけるように腰を動かす。



―――――あ?



しかし、突然それが止まった。



「……ん、ん、あ、な、なんれ……」

「どうしたの?ベルちゃん」



どうした?そんなの俺のセリフだ。なんで手を止めた?お陰で吐き出せずにぐるぐると下腹部に熱がたまっている。



そして、そっと俺から離れた。

え―――?



「ヴィ……?」

「ん?なぁにベルちゃん」



そう言ったヴィがちゅっとキスを落としたあと、寝室を去ってしまった。



え?え?どうして?



ぽかんとしたが、この体の疼きに耐え切れずに自分でお尻とちんこを弄る。



「あ、あ、んっ、気持ちいい、気持ちいい……っ!」



そう言って脚を広げて快楽を貪ると、ガチャリとまた扉が開いてヴィが入ってきた。コップを持っておりにこにこの笑顔でその中身を煽ったかと思えば俺の口を塞いでそれを流し込む。



喉が渇いていたのでそれを甘んじて飲み込むと体が熱くなってきた。それと同時にもっと我慢できなくなって奥を摩りやすい様に体勢を変えると、ヴィがもう一度キスしてきた。そして、俺の指が入ったまま質量が大きく熱いそれをねじ込む。



「んっ、うっ!」

「はっ、ベルちゃん、奥弄ってあげるから早く指抜いて?」

「ん、んぅ!」



ヴィに言われたとおりに指を抜くとがつんっと遠慮なく奥を突かれた。そのまま中をかき混ぜるように腰を揺らされてびくぅっと俺のちんこが射精した。それを確認するとヴィはいったん動きを止めてしまう。またもどかしさに腰を動かすと結合部にヴィが触れた。そのまま縁を撫でるのでぞくぞくと気持ちいのがせりあがってくる。



「ぁ、あ……」

「今日はゆっくりやるから。いつも早くて余裕なくやっててベルちゃんも辛かったでしょう?絶対にベルちゃんが気持ちよくなったら動かないからね」

「や、やだ、それいやぁ……」



だって、それが一番つらい。俺にとってはじらされるのが一番ダメだ。頭がバカになる。

嫌々と首を振るがヴィは全く聞き入れる雰囲気もなく俺はそのまま気絶することも出来ずに気持ちイイ、をぐるぐるとずっと抱えながらドロドロに思考を溶かされた。もう何を言ってどんなことをしたのかよく覚えていない。



ひどい、全部に兄さんのせいだ。
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