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【緊急事態(10)】宇宙軍⇔キュートなガスマスク⇔異様なほどにシュール
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「このガスマスクは、快適だな」
倉橋が言った。
倉橋は、自分が先ほどまでしていたガスマスクより、息がしやすいと思った。
「でしょ」
少女が喜んでいる。
「これは、どこの製品なの?」
「宇宙軍」
「宇宙軍?」
「そう。この前、再編成された米国のマジの軍隊。陸海空軍、海兵隊及び、沿岸警備隊に続く、6番目の軍」
「再編成? 6番目の軍?」
「うん。2002年に一度廃止されているから、再編成」
少女が答える。
「なんでそんなに詳しいの?」
倉橋は聞いた。
聞いた後に(しまった)と思った。どうせ、こいつは『私、本当は宇宙人なの』とか、【ぶりっこ】しながら言うにきまっている。
(聞かなければ良かった)
後悔先に立たず――このコトワザは心理の真理を、異様なほどに言い当てている。
その時、辺りが真っ暗になった。それまでついていた、非常灯が消えたのだ。
――元々暗かったのに、これじゃ何も見えない。
会話も、宙に浮いたままだ。
会話も、宙に浮いたままだ。
(しようがない)
倉橋は無言のまま、ハシゴを登り続けている。
ガスマスクをつけたキュートなパンク少女も、黙って、後ろから登ってくる。もし電気がついていたら、お揃いのガスマスクは、異様なほどにシュールに見えただろう。
倉橋が言った。
倉橋は、自分が先ほどまでしていたガスマスクより、息がしやすいと思った。
「でしょ」
少女が喜んでいる。
「これは、どこの製品なの?」
「宇宙軍」
「宇宙軍?」
「そう。この前、再編成された米国のマジの軍隊。陸海空軍、海兵隊及び、沿岸警備隊に続く、6番目の軍」
「再編成? 6番目の軍?」
「うん。2002年に一度廃止されているから、再編成」
少女が答える。
「なんでそんなに詳しいの?」
倉橋は聞いた。
聞いた後に(しまった)と思った。どうせ、こいつは『私、本当は宇宙人なの』とか、【ぶりっこ】しながら言うにきまっている。
(聞かなければ良かった)
後悔先に立たず――このコトワザは心理の真理を、異様なほどに言い当てている。
その時、辺りが真っ暗になった。それまでついていた、非常灯が消えたのだ。
――元々暗かったのに、これじゃ何も見えない。
会話も、宙に浮いたままだ。
会話も、宙に浮いたままだ。
(しようがない)
倉橋は無言のまま、ハシゴを登り続けている。
ガスマスクをつけたキュートなパンク少女も、黙って、後ろから登ってくる。もし電気がついていたら、お揃いのガスマスクは、異様なほどにシュールに見えただろう。
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