恋愛音痴による恋愛のすゝめ

ハリネズミ

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 ――というわけで俺は白井に『恋愛』を教えなくてはいけなくなったわけだが……。
 具体的に何したらいいかまーったく分からんっ。
 俺はちらりと白井を盗み見た。
 いい顔をして俺が何かを言うのを待っている。

「…………」

 期待の眼差しが痛い……。

 知らずへにゃりと眉が垂れた。

 何を言ったらいいのか分からないでいると、白井が助け船を出してきた。

「先輩、『恋愛』を教えて欲しいだなんて言っても大雑把すぎましたよね」

「うん。まぁそうだな」

 とりあえず肯定しておく。

「それでですね。考えたんですが僕と先輩が付き合って、色々な事をやって、それで『恋愛』を学んでいくっていうのはどうでしょうか? 先輩には僕がとる行動に赤ペンで採点するみたいに、色々アドバイスしていただいて」

 すごくいい意見でしょう? 褒めてほめて? って感じでキラキラの目で見てくる。

 しかし、『付き合う』『色々な事をやって』とちょいちょい危険なワードを入れてくるな。
 でも、実際俺が舵取りしてあーだこーだと『恋愛』について教えるなんて無理があるから、フリならまぁそっちの方が楽なのかもしれない。

 アクションは白井の方から起こしてくれるみたいだし、俺はそれに対して思ったこと言ってればよさそうだ。

「それでいいんじゃね? でも、あくまでもフリだからな? 忘れるなよ?」

 一応念押ししておく。
 変に暴走されても困るしな。

「勿論です! よろしくお願いします! へへ」

 わずかばかり頬を朱に染めて嬉しそうにしている。
 ちょっと可愛いかもなんて、自分より大きな男に対して可愛いだなんてどういう事だ? と思ったが、ワンコと思えば可愛いと思ってもおかしくはない、と自分を納得させた。


 フリではあるが初めて付き合うという事にてんぱってしまった俺は、白井の目がキラリと光ったのに気づいていなかった。



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