【完結】恋する雪だるま ⛄

 雪夜(ゆきや)はとある理由から二次性が発現する前からΩだと思われて育った。
 そして犯罪に巻き込まれないようにと、まるまるふくふくと肥え太らされた。それは愛する息子を護る為にとられた上策、ではなく愚策だった。

 そのせいで『雪だるま』だと同級生の十時(ととき)たちに揶揄われながら雪夜は幼少期を過ごすことになる。
 暴力のような過剰な攻撃は受けないものの雪夜にとってつらい毎日だった。
 ともに助け合い励まし合えるような友だちでもいれば少しは違っていたのかもしれないが、誰だって揶揄いの対象になるような相手と関わり合いになりたくはないことは雪夜も理解していたし、助けてくれなくても責めるつもりもなかった。ただ寂しいとは思っていた。

 勿論父親に相談すればすぐに解決してくれることは分かっていたが、心配をかけたくなくてひとりで耐えることを選んだ。

 だけどある日のこと、雪だるまである雪夜のことを抱きしめて「大好き」と言ってくれる子に出会ったのだ。
 その子は知らない子で、すぐに迎えに来た母親に連れられていき、名前を知ることもできなかったが、『あの子』として雪夜の心の中にずっとい続けた。


 ふたりの偶然の出会いと雪だるま。
 雪が溶けてなくなってしまうようにこの恋も消えてなくなってしまうのだろうか――?


 雪だるまだった僕は太陽のようなあの子に恋をした。淡い初恋のお話。
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