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なにかご用事?

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「ちょっと用があるんですけど……どうも」

「……? なにか……?」

 莉瀬は彼がためらっている理由がわからず首をかしげたのだけど、彼はきまり悪そうに頭に手をやった。

「バレエ教室っていうのは女の子ばっかりなので……入りづらいというか」

「……なるほど」

 納得した。

 確かに自分も、男の子ばかりのところへ入るにはちょっと勇気がいると思う。

 それこそ陸上部とか。

 それなら助けてあげたほうがいい。

 莉瀬は思ってたずねた。

「誰かに用事ですか? 呼んできますよ」

 きっとなにかを取ってきてほしいとかよりも、誰かに用があるのだろうと思った。

 バレエ教室にあるものといったら、バレエ教室の誰かの所有物だろうし。

 彼は莉瀬の提案に、ちょっと目を丸くした。

「え、本当ですか。あー……で、では。ここの先生を」

 頼むのは悪い、という様子だったけれど言われたこと。

 乙津先生?
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