53 / 83
再びリハビリ
しおりを挟む
1ヶ月以上も寝ていた為、目覚めてからはまたリハビリ。
マジでつまんない。
思うように動かない体にもイライラするし、ダンジョン探索チームの責任者になったエドガーもちょくちょく来ては小言を言って帰るのがストレス!
まぁ、”何故身内の俺は面会制限があるのに奴は常に側にいるんだ?”とか”奴とくっ付きすぎじゃないか?”とか”奴は一体なんなんだ”とか、何かとシルバリウスの事を執拗に聞くから、この間とうとう”一生を共に過ごす伴侶だよ”と宣言したよ!
その時のエドガーの固まりっぷりは今思い出しても笑えるくらい面白かった。
貴族で最低限のマナーは出来る筈なのに、その日の晩餐では皿を替えるたびにフォークを落としていたとか。
めちゃくちゃ動揺していたらしい。
まぁ、自分で”これからはリューイの好きなように生きてほしい”と言った手前、反対するのも難しいよね。
ククク。
「リューイ、可愛い顔でどうした?」
……だから、シルバリウスの目のフィルターは洗った方が良いって。
今は腹黒い顔してたんだよ!
リハビリ期間の何が辛いって、エッチも制限されちゃった事だよ!
別に性欲が強いわけではないけど、お年頃なんです。シルバリウスを見ているとどうしてもあの多幸感をまた味わいたくなって……。
でも、完全に体調が戻るまで禁止ときっぱりシルバリウスに言われてしまってしょんぼり。
もう無理はしないと心から誓ったよね。
まぁ、後はシルバリウスの過保護具合が更に上り、時々闇落ちしそうになるのを戻してとやっていたら、あっという間に2ヶ月とちょっと経ちまして現在は8月も半ば。
ゲームの時系列で言えば、確かそれまでのチュートリアルを兼ねた修行が終わり、9月から勇者パーティの発足・旅立ちだから、あと半月もしないうちに旅がスタートするね。
そして、そっちの勇者パーティの動向も気になるが、こちらでも新たな問題が発生中です。
スタンピートの様子について、エドガーが必死に俺の活躍が出回らないように根回ししたけど、ダンジョンの件もあったから、結局噂が流れてしまったと。
ただこちらは幸い、王家の隠密が調査の為に屋敷へ訪れていたが、最初の1ヶ月は本当にめざめないし、目覚めてからも、起きている時間は少なく、少し無理をすれば体調を崩してベッドに逆戻り。
そんな様子を逐一報告してくれた王家の隠密さん? のおかげで監視対象は免れそう。
困ったのが、褒賞の件。
流石にスタンピートの存在を隠すのは無理だし、魔物の数を誤魔化すのも無理だった。
その100年振りに起こったスタンピートのそれも、100年前より規模も大きいスタンピートで1人の死者を出す事のなかった采配に、今回スタンピートに関わったほぼ全員に何かしらの褒賞があるのだ。
それには勿論俺も含まれていて、実際の戦闘については確認が取れなかったものの、後方支援担当として褒賞があるらしい。
遊撃部隊は全員勲章授与の対象で、全体指揮を務めたクリスも勲章授与の対象であり、他には調査に関わりスタンピートに魔力計測が役に立つ事を発見した学者も対象になり、バジリスクの足止めをしたハワードも勲章授与対象だったが、ハワードは騎士団でも兵団でもないただの平民の使用人という事で授与を辞退、サスケは闇魔法を使用していたからか、そもそも存在がばれ無かった。
同じ理由でシルバリウスも勲章授与を辞退したかったが、シルバリウスの場合はバジリスク討伐があった為、避けられない事態となっていた。
そして、この勲章授与だが国で大規模に行うらしい。
それというのも、スタンピートが起きた場所も問題で、漆黒の森は俺のいるフォゼッタ王国と隣国のローワン王国にまたがっているのである。
危険を近隣諸国に伝える意味と、ダンジョン発見時のダンジョンの利権などの話し合いも上層部でするんじゃないかというのが、父親の見解らしいとエドガーが伝えてくれた。
そんな訳で、10月には王都での勲章授与式へ行かなければならないのだ。
正確に言えば、俺は勲章授与の対象ではない為体調不良もあり断れたのだが、シルバリウスが俺が行かないなら行かないと、闇落ち気味の暗い目で言い張るから、行かざるを得なくなった。
結局俺ではなく、シルバリウスが王家から目をつけられそうで、困っているのだ。
今の所は平民であり、偽造した戸籍上、魔力は無属性しかない事になっており、”加速”についても知られないように隠密の前では使わず、無属性魔法である”身体強化”とたまたま手にしたオリハルコンの剣のおかげでバジリスクを倒せたと押し切るつもりである。
それに伴い、今度はシルバリウスの調査で王家の隠密がやたらと屋敷へ来るのが少々うざいがしょうがない。
王家の隠密より優秀なサスケが、毎回合図をくれるので、特に困る情報は漏れていないと思う。
今の所、勲章授与の話だけで、叙爵の話は出ていないから大丈夫だとは思うが、シルバリウスの「時」属性魔法の事がバレたら、叙爵される可能性が出てくる。
もし叙爵なんて事になったら、俺と別れさせられる事になるだろう……。
そもそもこの国の貴族は異性婚が普通なのだし、シルバリウスの優秀な種を残したいと思うのも分からなくはない。
絶対バラさないようにしないと!
っていうか俺達の関係を見せつけた方が良いのか?
王家の隠密に。
俺とシルバリウスがラブラブな事を。
「ねぇ、ヴィー、俺もう体調回復して来たよね? そろそろさぁ」
「そうだな。明日は庭の散歩の時間をもうちょっと増やそうか」
「いや、そういう事じゃなくて」
「ほらほら、さっきから百面相していて疲れただろう。また明日ゆっくり話そう」
「むー」
シルバリウスにベッドに入れられて、後から入ってきたシルバリウスの胸元に頭を引き寄せられる。
やっぱり、シルバリウスのこの胸元は魔性の胸元だと思う。
布越しに感じる人肌と適度な弾力がよくて、スコンと寝た。
マジでつまんない。
思うように動かない体にもイライラするし、ダンジョン探索チームの責任者になったエドガーもちょくちょく来ては小言を言って帰るのがストレス!
まぁ、”何故身内の俺は面会制限があるのに奴は常に側にいるんだ?”とか”奴とくっ付きすぎじゃないか?”とか”奴は一体なんなんだ”とか、何かとシルバリウスの事を執拗に聞くから、この間とうとう”一生を共に過ごす伴侶だよ”と宣言したよ!
その時のエドガーの固まりっぷりは今思い出しても笑えるくらい面白かった。
貴族で最低限のマナーは出来る筈なのに、その日の晩餐では皿を替えるたびにフォークを落としていたとか。
めちゃくちゃ動揺していたらしい。
まぁ、自分で”これからはリューイの好きなように生きてほしい”と言った手前、反対するのも難しいよね。
ククク。
「リューイ、可愛い顔でどうした?」
……だから、シルバリウスの目のフィルターは洗った方が良いって。
今は腹黒い顔してたんだよ!
リハビリ期間の何が辛いって、エッチも制限されちゃった事だよ!
別に性欲が強いわけではないけど、お年頃なんです。シルバリウスを見ているとどうしてもあの多幸感をまた味わいたくなって……。
でも、完全に体調が戻るまで禁止ときっぱりシルバリウスに言われてしまってしょんぼり。
もう無理はしないと心から誓ったよね。
まぁ、後はシルバリウスの過保護具合が更に上り、時々闇落ちしそうになるのを戻してとやっていたら、あっという間に2ヶ月とちょっと経ちまして現在は8月も半ば。
ゲームの時系列で言えば、確かそれまでのチュートリアルを兼ねた修行が終わり、9月から勇者パーティの発足・旅立ちだから、あと半月もしないうちに旅がスタートするね。
そして、そっちの勇者パーティの動向も気になるが、こちらでも新たな問題が発生中です。
スタンピートの様子について、エドガーが必死に俺の活躍が出回らないように根回ししたけど、ダンジョンの件もあったから、結局噂が流れてしまったと。
ただこちらは幸い、王家の隠密が調査の為に屋敷へ訪れていたが、最初の1ヶ月は本当にめざめないし、目覚めてからも、起きている時間は少なく、少し無理をすれば体調を崩してベッドに逆戻り。
そんな様子を逐一報告してくれた王家の隠密さん? のおかげで監視対象は免れそう。
困ったのが、褒賞の件。
流石にスタンピートの存在を隠すのは無理だし、魔物の数を誤魔化すのも無理だった。
その100年振りに起こったスタンピートのそれも、100年前より規模も大きいスタンピートで1人の死者を出す事のなかった采配に、今回スタンピートに関わったほぼ全員に何かしらの褒賞があるのだ。
それには勿論俺も含まれていて、実際の戦闘については確認が取れなかったものの、後方支援担当として褒賞があるらしい。
遊撃部隊は全員勲章授与の対象で、全体指揮を務めたクリスも勲章授与の対象であり、他には調査に関わりスタンピートに魔力計測が役に立つ事を発見した学者も対象になり、バジリスクの足止めをしたハワードも勲章授与対象だったが、ハワードは騎士団でも兵団でもないただの平民の使用人という事で授与を辞退、サスケは闇魔法を使用していたからか、そもそも存在がばれ無かった。
同じ理由でシルバリウスも勲章授与を辞退したかったが、シルバリウスの場合はバジリスク討伐があった為、避けられない事態となっていた。
そして、この勲章授与だが国で大規模に行うらしい。
それというのも、スタンピートが起きた場所も問題で、漆黒の森は俺のいるフォゼッタ王国と隣国のローワン王国にまたがっているのである。
危険を近隣諸国に伝える意味と、ダンジョン発見時のダンジョンの利権などの話し合いも上層部でするんじゃないかというのが、父親の見解らしいとエドガーが伝えてくれた。
そんな訳で、10月には王都での勲章授与式へ行かなければならないのだ。
正確に言えば、俺は勲章授与の対象ではない為体調不良もあり断れたのだが、シルバリウスが俺が行かないなら行かないと、闇落ち気味の暗い目で言い張るから、行かざるを得なくなった。
結局俺ではなく、シルバリウスが王家から目をつけられそうで、困っているのだ。
今の所は平民であり、偽造した戸籍上、魔力は無属性しかない事になっており、”加速”についても知られないように隠密の前では使わず、無属性魔法である”身体強化”とたまたま手にしたオリハルコンの剣のおかげでバジリスクを倒せたと押し切るつもりである。
それに伴い、今度はシルバリウスの調査で王家の隠密がやたらと屋敷へ来るのが少々うざいがしょうがない。
王家の隠密より優秀なサスケが、毎回合図をくれるので、特に困る情報は漏れていないと思う。
今の所、勲章授与の話だけで、叙爵の話は出ていないから大丈夫だとは思うが、シルバリウスの「時」属性魔法の事がバレたら、叙爵される可能性が出てくる。
もし叙爵なんて事になったら、俺と別れさせられる事になるだろう……。
そもそもこの国の貴族は異性婚が普通なのだし、シルバリウスの優秀な種を残したいと思うのも分からなくはない。
絶対バラさないようにしないと!
っていうか俺達の関係を見せつけた方が良いのか?
王家の隠密に。
俺とシルバリウスがラブラブな事を。
「ねぇ、ヴィー、俺もう体調回復して来たよね? そろそろさぁ」
「そうだな。明日は庭の散歩の時間をもうちょっと増やそうか」
「いや、そういう事じゃなくて」
「ほらほら、さっきから百面相していて疲れただろう。また明日ゆっくり話そう」
「むー」
シルバリウスにベッドに入れられて、後から入ってきたシルバリウスの胸元に頭を引き寄せられる。
やっぱり、シルバリウスのこの胸元は魔性の胸元だと思う。
布越しに感じる人肌と適度な弾力がよくて、スコンと寝た。
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
1,299
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる