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第七章 ノベルvsイレイザー
58.矛盾点
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おい!
お前それってご都合主義展開すぎない?
矛盾だらけなのにどうしたんだこのラノベ!
って思っているそこのあなた!
俺がその矛盾点を1つずつ解説して差し上げましょうかね。
まず明らかな矛盾点1、『数秒で回復するイレイザーのカラクリ』について言及しよう。
1番最初、俺はイレイザーに不意打ちで全身が吹き飛ぶほどの一撃をお見舞いしてやった。
普通ならば、亜人族は15秒しないと組織が回復しないから立つことは不可能だ。
ただし、『今再生してるからカウントしないでくれ』ってイレイザーが言ってたらしいし、どの部位よりも先に足が再生していたならば『立つ』と言う条件はクリアしている。
つまり、この勝負において俺が最初から強硬手段で勝つことは恐らく不可能だったんだな。
俺って馬鹿だよな、そういう不測の事態とか不条理があり得るって気付かないと。
それに、こんだけ好条件だったらイレイザーが鼻を高くして余裕をぶっかますはずだ。
分析結果、イレイザーは俺の時間を削除していた。
ちょくちょくイレイザーの話が聞こえてなかったのは、俺の『意識』を削除してればあり得る話だ。
全快するまでの30秒間、イレイザーは俺の意識に対して削除魔法をかけまくり、砂埃の中からまるで『一瞬で再生した』ように見せかけた!
回復魔法ってのもおそらく『削除魔法』で、ダメージを受けたことをなかったことにし、そして削除魔法で回復している間の時間を削除!
戦闘の際、足の指にダメージを負ったはずなのに一瞬で回復したのも、俺の意識を削除しながらその間に回復した証だ!
俺に悟らせるつもりだったんだろうな、『イレイザーは一瞬で回復する事ができる、これはどうやっても勝てない』って。
それにしても、どんだけ強い能力なんだよ!
それほどの時間、相手を無力化できるんだったら、そりゃ拳法で用いる『急所特効』が超有効だろうな!
――ただし、その削除魔法も魔力消耗は激しいはずだ。
連発してればすぐに上限回数になるはず。
だからこそ、イレイザーは他の魔法は一切覚えようとはしなかった。
急所を撃つ素手技である『必中会心』と『削除魔法』のみを駆使してカナヤのNO.2まで昇り詰めた。
矛盾点2つ目、『イレイザーは馬鹿なのか? どうしてノベルの魔法を削除しなかったのか?』。
理由は1つしかない、できないんだろう。
いいや、できるかもしれないがそうなると莫大な魔力消費が発生してものすごく燃費が悪いということなのかもしれない。
俺みたいに銃を何百丁も召喚する魔法なら、尚更そんなことはしたくないはずだ。
矛盾点3つ目、『どうして俺の直前に来ると見えるようになるのか』。
恐らく、削除魔法のデメリットだな。
至近距離に生体が来ると、削除魔法が解けてしまうって感じかな。
それで、俺の目の前に突然現れたように見えるんだ。
そりゃ、デメリット無しにタコ殴りができたら、それこそこの世界の最強チートスキルになりうる。
というところで、この魔法の最大の弱点は、『誰かと手を繋ぐ』ことだ。
2人で手を繋いでいれば、須く生体が近い。
削除魔法はかからずに、イレイザーの強みが一切合切も失われる。
故に、イレイザーは『削除魔法』の存在の全てを隠し切りたいのだろうな。
解読されたら最後、イレイザーはただの空手家も同然だからな。
一撃必殺にこだわるのもそれが所以だ。
応援ありがとうございます!
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