Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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嬉しい…けど。

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 「ノエル!」

アーノルドの声はするけど本人が見えない。玄関ホールの外かな?
 花の上に花が浮いてる所があるけど、そこがアーノルドのいる場所かな?

「お帰りなさいアーノルド。今日のお土産は凄い量の花だね~」

「只今ノエル!この花は明日のお祝い用だよ。お土産は別にあるよ。ここはいっぱいだからもう爺に預けている。さぁ部屋に行こう?」

 ……部屋に入って驚いた。出るときは運び込む様子すら無かったのに、この短時間でこんな大きな家具をよく運び込めたな。
 実は僕の部屋の家具は城で城から持ち出し、店で使っていた物を持ち込んで使っていた。でもそれだとアーノルドには小さいようで少し窮屈そうだった。それなら成人したら家具も変えようと言っていたのだが……ベッドに本棚、机に椅子。ソファーとテーブル全てお揃いだ。

「凄く綺麗!」

 白地に金の縁取りって完全に汚れやすさを考慮してないけど、それは突っ込まない。これはアーノルドの好意だからね、素直に受け取るよ。
……自分で揃える気は無いけど、こういう部屋は大好きだ!

 あ…天蓋の布が総レースって!!キャー!嬉しい!
すごいよー!

「気づいた?ノエルはこういうの大好きだものね。だいぶ前から作らせ始めたんだ。そのレースはノエルが好きだと言ったニゲラの模様を編んでもらったんだ。」

 嬉しい!あの花は珍しいのであまり知られて無いからレースの模様にするとなると完全にオリジナルになるね……腕のいいレース職人を抱えているらしい。そのうち誰か留学にだそうかな?

 新しい家具にうかれていたけど、そろそろ離宮に向けて出立の時間だろう。今日の夜に彼方についておかないと明日忙しさに目が回る羽目になりかねない。

「爺、そろそろ時間じゃない?」

「はい。下でご準備いただけますか?」

 じゃぁ早速行こう!今日は時間の関係上、馬に乗ると言われている。日頃はポニ太達ばかりだからたまには良いね~。

 離宮に向かうのは僕とアーノルド、2人の世話役としてそれぞれ3人に護衛10人となかなかの人数で移動する。僕の世話役は母が送ってくれた侍女達だ。だって「久し振りにゆっくり王妃様のお顔を拝見したいです。」なんて頼まれたら連れて行ってあげたいよね。

 ……さて、ウキウキ気分だった僕が今、気分がだだ下がりしています。それは何故でしょうか?
……答えは、1人で馬に乗せてもらえなかったからです。

 僕1人で馬に乗れると言っても「無理でしょう」「どうやって?」と聞かれたからやってみせた。

まず、馬を引いて柵まで行く。柵に登って馬の鞍に移る。「ほら出来た!」と言ったら今度は、「降りるときは?」って言うから、鞍に捕まって鐙から足を離してお腹でズリズリっと降りてみせた。

 ね?って皆を見たら無言でアーノルドの前に僕を乗せたんだ!酷くない?
 しかも侍女さんから「美しくないので不許可」って……。

 アーノルドだけは「上手に乗れてるけど道中は私に守らせて?今度一緒に遠乗りに行こうか」って優しかったよ!皆、見習って!!








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