Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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シモン

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 僕は今、自分の部屋のベッドの上にいます。果てしなく疲れています。……ええ、おしおき終わりましたよ。「私の事忘れちゃダメだよ。」って……。ええ!忘れませんとも!
 今まではアーノルドの事は後回しにしていたりとかしても大丈夫だったけど、今回は嫌だったらしい。原因は多分、シモンの存在。爺が後からこっそり教えてくれた。

「シモン様はアーノルド様の実子とはいえどちらもαです。厄介なものですね、自分の子供でまだ何もわからないから赤ちゃんにすら嫉妬してしまうんですよ。
 ノエル様、昔申し上げましたね?αはその能力に応じてテリトリーを持つと。シモン様は母親であるノエル様は自分だけの母だと主張しているのです。それをアーノルド様はノエル様はご自分の番でありシモン様はご自分より格下αであると教えたいのですよ。」

 ……αの格付けか。Ωには関係ないからあまり考えて無かったなぁ……。

「シモンにどうやって教えるの?」

 単純に不思議に思ったから聞いたけど、聞かなきゃ良かった答えが返ってきた。

「簡単な事ですよ。ノエル様がアーノルド様の気配を内側に留めたままシモン様にミルクをあげたり、お昼寝すれば良いだけです。」

 ……ふーん。アーノルドの気配?
………………!“体の中に留めたまま”って、つまりアレ?つまりは今の状態…。ちょっと!恥ずかしすぎるから止めてよ~。

「さぁさ、そのような事よりも此方の方を早急にご判断ください。急がないと大事になりますよ。」

 そう手渡してくれたのは母様からのお手紙だった。……ぁ、嫌な予感。

【ノエル、元気なようで安心しました。あのような者達が城内にいたとは本当に腹立たしい事です。私とノエルの時間を奪った者は決して許しません。可愛い孫のシモンは元気かしら?ノエルが私におねだりしてくれたシモンのお披露目を決めました。場所はグリフウッドになるけどもちろんスサエナでもお披露目をしましょうね。】

 要約するとこんな感じ。
 孫フィーバーを邪魔した奴らは絶対に許さない!地獄の底へ突き落としてやる!
 シモンのお披露目はスサエナでもするけどグリフウッドでド派手にやるって決めたから!もう手配したから任せなさい!
……こんな母様の手紙、見なかった事に…できないよねぇ~。

 それに、間違ってるよ母様。僕はおねだりなんてしていません。僕が母様に言ったのは「祝砲なんて止めてください。それのシモンは多分グリフウッドの後継者候補ですから王族入りもダメです。もし、この子が成人して本人が必要としていればお願いします。ですからシモンのお披露目はグリフウッドでしようと思います。まぁ、今後の事を考えれば母様個人からお祝いの言葉を戴ければ充分かと思います。」だった筈だよ。
 あんまりにも寂しそうにするので、「じゃぁ、王都の花祭りのようにダンスでもする?」と提案したら「そうね~、今一ね~」って言っていたのは母様にもう違う考えがあったということ?










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