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第二章 最愛の人との再会
閑話 2 彼等の事をお話しましょうか?(一柳院京平編)
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勝手に婚約破棄した俺を責める親父から、母も祖母も一生懸命庇ってくれたんだが、親父は
「お義母さんもお前(母の事)もいい加減にしろ!俺が婿養子だからといってずっと蔑んできやがって!!そもそも、俺がこの家に入った時には、うちの会社は火の車状態だったんだ。それをここまでもたせてやったにも関わらず、お前達は碌に経営に携わらなかったばかりか、高額な役員報酬をお前達に媚びへつらう親戚連中から受け取って、『ウチは旧華族。一流なの。名門で一流な一家なのだから、服装も生活も一流でないと』とほざいて、収支に合わない生活してばかり。これではいよいよもって会社が倒産してしまう!と、お前達の様に親戚連中を除く、まともな幹部達と話して七菱物産に頭を下げて融資をお願いして取り付けたっていうのに…。聞けばお前達は、お嬢さんの優花さんに対して、見当違いな暴言 ┄ 七菱物産の方から融資を申し出て来た。融資する代わりに優花を俺の婚約者にして欲しいと言ってきたと思っていた。実際母からそう聞いていたからな。 ┄ を吐いていたそうじゃないか!!もうやってられん!俺は降りる!!金輪際一柳院とは関わらん!」
と言って、自分の辞表とその他幹部数名の辞表、それから離婚届を母達に叩き付けたんだ。
オロオロする母と激怒する祖母、そして唖然とする俺。
そんな俺達を一瞥すると、父は一旦今いる20畳程あるリビングダイニングから出ていった。そして、大きなスーツケースを2つ転がしながら再び部屋に入って来てこう言った。
「俺は暫くビジネスホテルに泊まる。そこから出社し、社長退任に向けた手続きに入る。それに伴い、株主総会を開催する。その日程が決まり次第お前達を呼び出すから、それ迄に誰が社長になるか?を決めておいてくれ。あー。離婚届は明日、弁護士を寄越すから、署名捺印しといてくれよ?じゃあな。」
そして親父は、旧華族である一柳院家に相応しくない安っぽいキーホルダーから、屋敷の鍵を外してリビングテーブルの上にポイっと放り投げ、俺達の方を振り向く事無く出ていった。
後日、株主総会で俺が社長になったのは良いが、父が連れて出ていった社員達と始めた事業の方に、今まで取り引きのあった会社が流れて行ってしまった為、経営は一気に傾いてしまった。
だが、俺が残った一柳院の使えない親戚連中と一緒に何とか立て直そうと金策に駆けずり回っているというのに、母も祖母も優雅な暮らしを継続したがる。
腹が立って母達に文句を言うと、
「あら京平?貴方何を言っているの?お金がないのなら貴方が三橋珠梨愛さんと結婚して、三橋家に融資をお願いしたら良いんじゃないの?」
と、家に招いたネイリストにネイルして貰いながら母はそう言った。その言葉に目からウロコだった俺は直ぐに珠梨愛に連絡をした。
「珠梨愛、俺、社長になったぞ!」
「え?本当に?凄いじゃない」
「あぁ。だから珠梨愛。結婚しよう」
「嬉しいー!じゃじゅり、直ぐにそっちの御屋敷にお引越しするわ。」
「おー。珠梨愛の部屋、家のメイドに掃除させとくな。」
「うん!」
よし!これでいい
その後珠梨愛は、俺の正式な婚約者になった。
早速珠梨愛の実家から金をがっぽり引き出してやるぜ。と意気込んでいたんだが、結局は、七菱物産グループから追い出された珠梨愛の実家の会社の方も資金繰りに困っていた。しかも珠梨愛が優花に対して派手な嫌がらせ ┄ なんか、地味女が勤めてた大学で、ないことないこと吹聴し地味女を退職させるとか┄ したせいで、名誉毀損だと地味女から訴えられたらしく、示談金の支払い命令をくらってて、それを俺と結婚する事で俺ん家に払わせようとしてたらしいという、とんでもなく迷惑なオチが待っていた。
当然俺達は、(示談金を)払う払わないで大喧嘩になったのは言うまでもない。が、更に追い討ちをかける様に、慰謝料請求書が俺の所に届いた。内容は、俺の不貞に拠る地味女との婚約破棄に対するものだ。勿論だがそれは、不貞の相手だった珠梨愛の所にも届いたんだ。その事で、互いに金の無い俺達の付き合いに不協和音が鳴り響いたのは言うまでもない。
「お義母さんもお前(母の事)もいい加減にしろ!俺が婿養子だからといってずっと蔑んできやがって!!そもそも、俺がこの家に入った時には、うちの会社は火の車状態だったんだ。それをここまでもたせてやったにも関わらず、お前達は碌に経営に携わらなかったばかりか、高額な役員報酬をお前達に媚びへつらう親戚連中から受け取って、『ウチは旧華族。一流なの。名門で一流な一家なのだから、服装も生活も一流でないと』とほざいて、収支に合わない生活してばかり。これではいよいよもって会社が倒産してしまう!と、お前達の様に親戚連中を除く、まともな幹部達と話して七菱物産に頭を下げて融資をお願いして取り付けたっていうのに…。聞けばお前達は、お嬢さんの優花さんに対して、見当違いな暴言 ┄ 七菱物産の方から融資を申し出て来た。融資する代わりに優花を俺の婚約者にして欲しいと言ってきたと思っていた。実際母からそう聞いていたからな。 ┄ を吐いていたそうじゃないか!!もうやってられん!俺は降りる!!金輪際一柳院とは関わらん!」
と言って、自分の辞表とその他幹部数名の辞表、それから離婚届を母達に叩き付けたんだ。
オロオロする母と激怒する祖母、そして唖然とする俺。
そんな俺達を一瞥すると、父は一旦今いる20畳程あるリビングダイニングから出ていった。そして、大きなスーツケースを2つ転がしながら再び部屋に入って来てこう言った。
「俺は暫くビジネスホテルに泊まる。そこから出社し、社長退任に向けた手続きに入る。それに伴い、株主総会を開催する。その日程が決まり次第お前達を呼び出すから、それ迄に誰が社長になるか?を決めておいてくれ。あー。離婚届は明日、弁護士を寄越すから、署名捺印しといてくれよ?じゃあな。」
そして親父は、旧華族である一柳院家に相応しくない安っぽいキーホルダーから、屋敷の鍵を外してリビングテーブルの上にポイっと放り投げ、俺達の方を振り向く事無く出ていった。
後日、株主総会で俺が社長になったのは良いが、父が連れて出ていった社員達と始めた事業の方に、今まで取り引きのあった会社が流れて行ってしまった為、経営は一気に傾いてしまった。
だが、俺が残った一柳院の使えない親戚連中と一緒に何とか立て直そうと金策に駆けずり回っているというのに、母も祖母も優雅な暮らしを継続したがる。
腹が立って母達に文句を言うと、
「あら京平?貴方何を言っているの?お金がないのなら貴方が三橋珠梨愛さんと結婚して、三橋家に融資をお願いしたら良いんじゃないの?」
と、家に招いたネイリストにネイルして貰いながら母はそう言った。その言葉に目からウロコだった俺は直ぐに珠梨愛に連絡をした。
「珠梨愛、俺、社長になったぞ!」
「え?本当に?凄いじゃない」
「あぁ。だから珠梨愛。結婚しよう」
「嬉しいー!じゃじゅり、直ぐにそっちの御屋敷にお引越しするわ。」
「おー。珠梨愛の部屋、家のメイドに掃除させとくな。」
「うん!」
よし!これでいい
その後珠梨愛は、俺の正式な婚約者になった。
早速珠梨愛の実家から金をがっぽり引き出してやるぜ。と意気込んでいたんだが、結局は、七菱物産グループから追い出された珠梨愛の実家の会社の方も資金繰りに困っていた。しかも珠梨愛が優花に対して派手な嫌がらせ ┄ なんか、地味女が勤めてた大学で、ないことないこと吹聴し地味女を退職させるとか┄ したせいで、名誉毀損だと地味女から訴えられたらしく、示談金の支払い命令をくらってて、それを俺と結婚する事で俺ん家に払わせようとしてたらしいという、とんでもなく迷惑なオチが待っていた。
当然俺達は、(示談金を)払う払わないで大喧嘩になったのは言うまでもない。が、更に追い討ちをかける様に、慰謝料請求書が俺の所に届いた。内容は、俺の不貞に拠る地味女との婚約破棄に対するものだ。勿論だがそれは、不貞の相手だった珠梨愛の所にも届いたんだ。その事で、互いに金の無い俺達の付き合いに不協和音が鳴り響いたのは言うまでもない。
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