【短編】ウェザーリポーター~空の気持ちを伝える少女と、変な雪だるまの話~

アマギはとある街に訪れていた。
照り付ける太陽に嫌気が差しながら、街に入ってすぐにあった酒場へと逃げ込む。そして空腹からそのまま食事を取る事に。

異様に空気の乾いた酒場では、他の客の愚痴が響いていた。

「ったく、水不足はいつまで続くんだよ」

水不足を解決するために行われるこの街の儀式、雨乞い。
何度も行われる雨乞いとその捧げ物が、生活の負担になっているとの愚痴が溢れていたのだ。

店主に聞いてみると、もうずっと雨が降っておらず、たまに降る雨が待ち遠しくて仕方がないらしい。
こんな街はさっさと去った方が良いと助言され、諦めムードな住民を見たアマギは、つい不服そうな顔を返す。

「じゃあ会いに行こうか。空の精霊に」

雨の降らない異常気象。その理由を、アマギは知っていた。

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