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第12話 信頼できる兄
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私は、お姉様との話し合いを終えて、廊下を歩いていた。
結局、私はお姉様に対する追及はやめておいた。恐らく、追及しても有益な情報など得られないからだ。
お姉様が嘘をついている。私がそれを自覚していれば、何も問題ないのだ。
「あれ? ミリティア? どうしたんだい。そんな暗い顔をして……」
「え?」
そんなことを考えながら歩いていると、目の前から一人の男性が歩いて来た。
彼は、私のお兄様であるマルグルスである。この家において、私が一番気軽に話せる人だ。
お兄様は、端的に言うととても普通の人である。いや、普通よりは少し優秀な人くらいの評価が一番正しいだろうか。
彼も、私程ではないが、お姉様と比較されてきた。ただ、彼は最初に生まれていたため、そこまで色々と言われることはなかったらしい。
お姉様という優秀な人間の後に生まれた私の方が、比較されることは多かったのである。だが、それでも、私にとっては唯一気持ちをわかってくれる人だ。
「何かあったのかい?」
「お兄様、えっと……実は、色々とありまして」
「色々と? それは大変そうだね」
お兄様は、私のことを心配してくれた。
どうやら、私は結構深刻な顔をしていたようだ。考えてみれば、それは当然かもしれない。今まで考えていたことは、そのような顔をするべきことだ。
「僕で力になれることかな?」
「そうですね……力になってもらえますか?」
「もちろん、いいさ」
少し悩んだが、私はお兄様に相談してみることにした。
こんなことを一人悩んでいても、仕方ないだろう。誰かに打ち明けて、知恵を借りる方が絶対にいい。
そして、この家で力を貸してもらえそうなのは、お兄様だけだ。私のことを信じてくれるし、私が信じられる人は、この人しかいないだろう。
「それで、一体何があった……いや、ここで話すようなことではないか」
「そうですね。少し、場所を変えてもらってもよろしいでしょうか?」
「そうか……それなら、僕の執務室に行こうか?」
「あ、はい。そこでお願いします」
お兄様の言う通り、ここで話すような話ではない。執務室で話していいなら、そこに移ってもらうことにしよう。
こうして、私はお兄様に色々と話を聞いてもらうことになるのだった。
結局、私はお姉様に対する追及はやめておいた。恐らく、追及しても有益な情報など得られないからだ。
お姉様が嘘をついている。私がそれを自覚していれば、何も問題ないのだ。
「あれ? ミリティア? どうしたんだい。そんな暗い顔をして……」
「え?」
そんなことを考えながら歩いていると、目の前から一人の男性が歩いて来た。
彼は、私のお兄様であるマルグルスである。この家において、私が一番気軽に話せる人だ。
お兄様は、端的に言うととても普通の人である。いや、普通よりは少し優秀な人くらいの評価が一番正しいだろうか。
彼も、私程ではないが、お姉様と比較されてきた。ただ、彼は最初に生まれていたため、そこまで色々と言われることはなかったらしい。
お姉様という優秀な人間の後に生まれた私の方が、比較されることは多かったのである。だが、それでも、私にとっては唯一気持ちをわかってくれる人だ。
「何かあったのかい?」
「お兄様、えっと……実は、色々とありまして」
「色々と? それは大変そうだね」
お兄様は、私のことを心配してくれた。
どうやら、私は結構深刻な顔をしていたようだ。考えてみれば、それは当然かもしれない。今まで考えていたことは、そのような顔をするべきことだ。
「僕で力になれることかな?」
「そうですね……力になってもらえますか?」
「もちろん、いいさ」
少し悩んだが、私はお兄様に相談してみることにした。
こんなことを一人悩んでいても、仕方ないだろう。誰かに打ち明けて、知恵を借りる方が絶対にいい。
そして、この家で力を貸してもらえそうなのは、お兄様だけだ。私のことを信じてくれるし、私が信じられる人は、この人しかいないだろう。
「それで、一体何があった……いや、ここで話すようなことではないか」
「そうですね。少し、場所を変えてもらってもよろしいでしょうか?」
「そうか……それなら、僕の執務室に行こうか?」
「あ、はい。そこでお願いします」
お兄様の言う通り、ここで話すような話ではない。執務室で話していいなら、そこに移ってもらうことにしよう。
こうして、私はお兄様に色々と話を聞いてもらうことになるのだった。
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