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第22話 感謝の気持ち
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私は、カルード様と話し合っていた。
カルード様が敵に回っていたのは、私を強い人間にするためだったようだ。
全てを聞いた今なら、カルード様の行動は理解できる。少々強引ではあるが、彼は私を強くするには最もいい選択をしていたといえるだろう。
「……ありがとうございます」
「む……」
全てを理解した私は、カルード様にお礼を言っていた。
お母さんから託された私のことを、カルード様はきちんと考えてくれていた。強い人間にするために敵に回る。その判断をしてくれたおかげで、私は強い心を持てたと思う。
だから、カルード様にはお礼を言うべきだろう。そう思ったら、自然に感謝の言葉が口から出てきたのだ。
「感謝する必要などない。俺はお前に何もしていない。お前が自らの力で這い上がってきただけだ」
「そんなことはありません。思い返してみれば、カルード様が私を導いてくれたことは確かだと思います。よく考えてみれば、カルニラ様がこの屋敷を取り仕切っていたなら、私はもっとひどい生活を送っていたはずです。私がきちんと生活を送れていたのは、カルード様のおかげなのですよね?」
カルード様は、私の言葉を否定した。
だが、考えてみれば、私はカルード様に色々な面で助けられていた気がする。
そもそも、私がここまで育ってこられたのは、カルード様の助力があったからだろう。
もしカルニラ様が主導していたなら、私は今よりもっとひどい生活を送っていたはずだ。食事が出されていたのも、教育を受けられていたことも、全てはカルード様がいなければ叶わなかったのではないだろうか。
「ふん……」
私の言葉に、カルード様は今までと違う反応をしてきた。
どうやら、カルニラ様が主導だったならもっとひどかったという論は、彼でも反論できないものだったようだ。
やはり、私はカルード様に救われていたのである。それが確信に変わった瞬間、私の中にはさらなる感謝の気持ちが芽生えてきた。
芽生えてきたのは、感謝だけではない。同時に親愛の感情も芽生えていた。
私を守り導いてくれていた人。それが、今のカルード様に対する私の印象である。そんな彼に対して、とある言葉が思い浮かんでいた。
「ありがとうございました……お兄様」
「む……」
少し躊躇いもあったが、その言葉を放つことはできた。
それが決意できたのは、ケルヴィルやコーリエとの交流があったからかもしれない。二人のおかげで、私は兄弟というものを実感して、このように呼ぶことができたのだろう。
カルード様が敵に回っていたのは、私を強い人間にするためだったようだ。
全てを聞いた今なら、カルード様の行動は理解できる。少々強引ではあるが、彼は私を強くするには最もいい選択をしていたといえるだろう。
「……ありがとうございます」
「む……」
全てを理解した私は、カルード様にお礼を言っていた。
お母さんから託された私のことを、カルード様はきちんと考えてくれていた。強い人間にするために敵に回る。その判断をしてくれたおかげで、私は強い心を持てたと思う。
だから、カルード様にはお礼を言うべきだろう。そう思ったら、自然に感謝の言葉が口から出てきたのだ。
「感謝する必要などない。俺はお前に何もしていない。お前が自らの力で這い上がってきただけだ」
「そんなことはありません。思い返してみれば、カルード様が私を導いてくれたことは確かだと思います。よく考えてみれば、カルニラ様がこの屋敷を取り仕切っていたなら、私はもっとひどい生活を送っていたはずです。私がきちんと生活を送れていたのは、カルード様のおかげなのですよね?」
カルード様は、私の言葉を否定した。
だが、考えてみれば、私はカルード様に色々な面で助けられていた気がする。
そもそも、私がここまで育ってこられたのは、カルード様の助力があったからだろう。
もしカルニラ様が主導していたなら、私は今よりもっとひどい生活を送っていたはずだ。食事が出されていたのも、教育を受けられていたことも、全てはカルード様がいなければ叶わなかったのではないだろうか。
「ふん……」
私の言葉に、カルード様は今までと違う反応をしてきた。
どうやら、カルニラ様が主導だったならもっとひどかったという論は、彼でも反論できないものだったようだ。
やはり、私はカルード様に救われていたのである。それが確信に変わった瞬間、私の中にはさらなる感謝の気持ちが芽生えてきた。
芽生えてきたのは、感謝だけではない。同時に親愛の感情も芽生えていた。
私を守り導いてくれていた人。それが、今のカルード様に対する私の印象である。そんな彼に対して、とある言葉が思い浮かんでいた。
「ありがとうございました……お兄様」
「む……」
少し躊躇いもあったが、その言葉を放つことはできた。
それが決意できたのは、ケルヴィルやコーリエとの交流があったからかもしれない。二人のおかげで、私は兄弟というものを実感して、このように呼ぶことができたのだろう。
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