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1章 奇跡の魔法
15話 契約
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地上へ戻ると、ルーツエングとイールグが来ていた。
フォルが二人にゼノンを任せている間、ミディリシェルはフォルにべったりとくっついていた。
「一番危険だって分かってる?」
「うん。分かってるよ。でも、一緒にいたいの。離れたくないの」
「君って昔から変わんないよね」
「にゅ。でも、良いの?あの人達に逆らったら、もしまたぼうそぉした時止められる人いなくなるんじゃ」
その答えを聞くのはずっと不安だった。
だが、今は聞くべきなのだろう。
これはミディリシェルにとって大事な事だから。
「やっぱそういう事。主様の仕事を増やさないようにって聞いていただけだよ。あれを止めたのが誰なのかなんてどれだけ嘘を並べようと分かっている」
誰とは言ってくれなかった。それでも、その答えが間違いではない。そう言い切れる。
その答えを聞いたミディリシェルの瞳から涙が溢れた。
「自覚してないだけであの時からなんだろうね。本気で好きになったのは」
「ミディの事貰ってくれるの?ミディはいちゃいけない存在なのに」
「貰う以外の選択肢ってあると思ってたの?君こそ、ほんとに僕で良いの?今だったら変えるって言っても潔く身を引くけど」
「フォルだけなの!エレの事に気付いてて、それでも何も言わずに守ってくれたのは!あの虫だってエレは一人でどうにか出来たのに、助けてくれたの」
誰にも言う事のできないミディリシェルの秘密。
今回のフォルの仕事の件も、その秘密が知られたからだろう。
利用価値は高いのだろうが、危険視されているという事も自覚してる。
それがあるからこそ、ミディリシェルは自分の感情を出さないよう魔法で仮の心を作った。
この秘密に関してはミディリシェル本人もそれだけ恐れている。
それを知っても変わらず側で守ってくれる存在は貴重だ。
「それなら主様とかもそうだと思うよ」
「エレの我儘を全部呆れても聞いてくれて相手してくれるのフォルだけだもん。それに、奇跡の魔法はフォルがエレを好きにさせようとしていたんでしょ?愛魔法のために。そこまでできる人なんて他に知らないの」
「探せば他にもいると思うけど。ここまで言うなら変えないか」
フォルがミディリシェルの左手を持ち、口づけをした。
「にゃ?みゃぁぁ⁉︎」
「黄金に輝きし獣の血と生命の魔に誓う。我、フォル・リアス・ヴァリジェーシルは汝らの愛子エンジェリルナレージェ・ミュニャ・エクシェフィーと永遠契約を結ぶ」
永遠契約。その言葉だけは聞いた事があった。
黄金蝶が選んだ御子にする契約。簡単に言えばその代の御子だけを永遠に愛するという契約。
これには相当なリスクがあったはずだ。
「もう逃げられないから」
「ふぇ?」
「僕らは契約した星の御子に力を与える。僕らはこれで本来の力のナンパーかを与えて本気は出せない。でも元々滅多に本気なんて出さないから問題ないけど。で、御子である君は僕から逃げられなくなるわけだ。良かったね、エレ」
クロが変化してた偽を含めて今回会った中で最高の笑顔。
「主様、イールグ。ゼロの事宜しく。僕の可愛いエレ、ちゃんと大人しくしてるんだよ」
「おとなしい?エレは元々大人しいよ?」
「大人しかったらこんなとこに来てないんじゃないの」
「エレは大人しくしておきます」
大人しくしていると言って本当に大人しくしていた記憶はないが、今回は大人しくしようとは思っている。
ミディリシェルは真面目な顔で宣言した。
「本当に大丈夫なのか?命令無視と分かれば直ぐに」
「あの人達はこの子に利用価値があると言っている。今回の件はあれの独断。少し何かあったからといってあの人達は関与してこない」
「エレ道具じゃないの」
「あの人達は人を道具にしか見てないから。君は特殊な存在だという事もあるけど、何かをさせられる事はないと思うから安心して良いよ」
「じゃあ、どうしてりよぉ価値があるの?本物になり得るから?」
ミディリシェルを含めた、現在存在が確認されている御子はその素質があるだけ。
本物の御子にはなりきれていない。
だが、ミディリシェルとゼノンだけは可能性でいえばかなり高い。
フォルの選ばなかったもう片方の仕事の理由も、二人が本物になり得る可能性が極めて高いからだ。
「君に何かすればどうなるか、あの人達身をもって知ってるから」
「ふぇ?」
「君は知らなくて良い事だよ」
「気になる」
「これ以上聞こうとするなら君も主様に預けるけど?」
「一緒に行こ」
置いていかれたくなかったミディリシェルは洋館へスタスタと歩いて行った。
フォルが二人にゼノンを任せている間、ミディリシェルはフォルにべったりとくっついていた。
「一番危険だって分かってる?」
「うん。分かってるよ。でも、一緒にいたいの。離れたくないの」
「君って昔から変わんないよね」
「にゅ。でも、良いの?あの人達に逆らったら、もしまたぼうそぉした時止められる人いなくなるんじゃ」
その答えを聞くのはずっと不安だった。
だが、今は聞くべきなのだろう。
これはミディリシェルにとって大事な事だから。
「やっぱそういう事。主様の仕事を増やさないようにって聞いていただけだよ。あれを止めたのが誰なのかなんてどれだけ嘘を並べようと分かっている」
誰とは言ってくれなかった。それでも、その答えが間違いではない。そう言い切れる。
その答えを聞いたミディリシェルの瞳から涙が溢れた。
「自覚してないだけであの時からなんだろうね。本気で好きになったのは」
「ミディの事貰ってくれるの?ミディはいちゃいけない存在なのに」
「貰う以外の選択肢ってあると思ってたの?君こそ、ほんとに僕で良いの?今だったら変えるって言っても潔く身を引くけど」
「フォルだけなの!エレの事に気付いてて、それでも何も言わずに守ってくれたのは!あの虫だってエレは一人でどうにか出来たのに、助けてくれたの」
誰にも言う事のできないミディリシェルの秘密。
今回のフォルの仕事の件も、その秘密が知られたからだろう。
利用価値は高いのだろうが、危険視されているという事も自覚してる。
それがあるからこそ、ミディリシェルは自分の感情を出さないよう魔法で仮の心を作った。
この秘密に関してはミディリシェル本人もそれだけ恐れている。
それを知っても変わらず側で守ってくれる存在は貴重だ。
「それなら主様とかもそうだと思うよ」
「エレの我儘を全部呆れても聞いてくれて相手してくれるのフォルだけだもん。それに、奇跡の魔法はフォルがエレを好きにさせようとしていたんでしょ?愛魔法のために。そこまでできる人なんて他に知らないの」
「探せば他にもいると思うけど。ここまで言うなら変えないか」
フォルがミディリシェルの左手を持ち、口づけをした。
「にゃ?みゃぁぁ⁉︎」
「黄金に輝きし獣の血と生命の魔に誓う。我、フォル・リアス・ヴァリジェーシルは汝らの愛子エンジェリルナレージェ・ミュニャ・エクシェフィーと永遠契約を結ぶ」
永遠契約。その言葉だけは聞いた事があった。
黄金蝶が選んだ御子にする契約。簡単に言えばその代の御子だけを永遠に愛するという契約。
これには相当なリスクがあったはずだ。
「もう逃げられないから」
「ふぇ?」
「僕らは契約した星の御子に力を与える。僕らはこれで本来の力のナンパーかを与えて本気は出せない。でも元々滅多に本気なんて出さないから問題ないけど。で、御子である君は僕から逃げられなくなるわけだ。良かったね、エレ」
クロが変化してた偽を含めて今回会った中で最高の笑顔。
「主様、イールグ。ゼロの事宜しく。僕の可愛いエレ、ちゃんと大人しくしてるんだよ」
「おとなしい?エレは元々大人しいよ?」
「大人しかったらこんなとこに来てないんじゃないの」
「エレは大人しくしておきます」
大人しくしていると言って本当に大人しくしていた記憶はないが、今回は大人しくしようとは思っている。
ミディリシェルは真面目な顔で宣言した。
「本当に大丈夫なのか?命令無視と分かれば直ぐに」
「あの人達はこの子に利用価値があると言っている。今回の件はあれの独断。少し何かあったからといってあの人達は関与してこない」
「エレ道具じゃないの」
「あの人達は人を道具にしか見てないから。君は特殊な存在だという事もあるけど、何かをさせられる事はないと思うから安心して良いよ」
「じゃあ、どうしてりよぉ価値があるの?本物になり得るから?」
ミディリシェルを含めた、現在存在が確認されている御子はその素質があるだけ。
本物の御子にはなりきれていない。
だが、ミディリシェルとゼノンだけは可能性でいえばかなり高い。
フォルの選ばなかったもう片方の仕事の理由も、二人が本物になり得る可能性が極めて高いからだ。
「君に何かすればどうなるか、あの人達身をもって知ってるから」
「ふぇ?」
「君は知らなくて良い事だよ」
「気になる」
「これ以上聞こうとするなら君も主様に預けるけど?」
「一緒に行こ」
置いていかれたくなかったミディリシェルは洋館へスタスタと歩いて行った。
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