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第四章 白魔導師の日々
収穫祭~7
フロルを乗せたキースが、リード子爵領からかなり離れた所にさしかかった場所に来た時のことだ。
「・・・もうそろそろだな」
キースがそう呟く声が聞こえる。何かを見計らっているような意図を感じて、フロルはキースを振り返る。
「そろそろって、どういうことです?」
キースはにやりと粋な笑いを浮かべる。
「まあ、見てればわかるさ」
それから、長い時間はかからなかった。フロルの耳に聞き慣れた声が微かに響いた。
あれは・・・あれはリルの声だ!
自分がリルの声を聞き間違えるはずがない。フロルがじっと耳と澄ますとそれは確かに聞こえた。
「きゅうぅぅぅ・・・・」
「リルっ」
フロルがぱっと顔を輝かせる。
「あれ?リルだ。仕方ないな。ついて来ちまったのか」
そう言うキースだが、全然、驚いている様子はない。むしろ、大根役者なみの演技に、フロルはふふと笑う。
「・・・キースさん、全然、演技になってませんよ?」
「そうか? 俺は予想外だったんだがなあ」
しらじらしいキースの声は、リルが追いかけてくることは想定内だったようだ。
そうこうしているとすぐ後から、リルの必死の声が聞こえる。リルは、すぐに追いついて、待って!と言いたげに、きゅうきゅう鳴きながら、ぴったりと二人の後について来た。
そうして、進み行く先には、広場のようなものが広がっているのが目にはいった。月に明るく照らされている夜は意外と見通しがいいものだ。
キースは、無言のまま、竜を操り広場へと着陸する。他にもキースに追いついてきた竜騎士達も同じように地面に舞い降りてきた。
どういうことなのかとフロルが不思議に思っていると、地表に降り立ったキースが竜から降りるようにフロルを促す。
「キースさん、どうしてこんな所に?」
何もないただの開けた場所だ。フロルは不思議に思いながら、キースに尋ねても何も答えてくれない。当然、フロルが着地してすぐに、リルも同じように空から舞い降りて来るのが見える。
リルをつないでいた頑強な鎖はどこにもない。フロルを見つけて、リルが嬉しそうに大きく鳴くのが聞こえた。
「きゅう!」
「リル! こっち!こっちにおいで」
嬉しそうにフロルが叫ぶ。
「もうリルと離ればなれになるのかと思った」
フロルが正直な気持ちを言うと、キースがそんなの当たり前だという顔をする。
「そんなことがあるもんか。どんなことになっても、竜が自分の主を見捨てる訳ないだろう?」
リルが砂ぼこりを舞い上げながら、地上に降りると、フロルは思いっきり走ってリルに近寄る。
「ああ、リル!リルー」
リルは、フロルの胸に頭をこすりつけながら、きゅうきゅうと甘えた声を上げる。
「ほら、これを使え」
竜騎士の一人がが木の陰に隠していたものを持ち出してきた。リルの予備用の鞍だ。
「キースさん、ありがとう!」
フロルが思わずキースに抱き着こうとすると、キースはすっと身をかわして、にやりと笑う。
「ドレイク様に睨まれるからな」
「え、これはそもそも、ドレイク様の指示だったの?」
フロルが目を丸くするとキースはそうだと深く頷く。
「あんまりペラペラ喋るなとドレイク様から釘をさされていてな。あんまり話してやれないんだ」
全てはドレイク様の差し金ということか。
すまんなと申し訳なさそうなキースに、フロルは大きく頷いた。
「いいんです。でも、もう出発してもいいんじゃないですか?」
不思議そうな顔をするフロルに、キースはまだ飛び立とうとしない。
「まだだ。もう少し待っててくれ」
キースが眺めている方角に目をこらすと、空の向こうにまた一つ竜の陰が見えた。グレイに乗ったドレイクが遅れてやってきたのだ。
◇
この辺が区切りがいいので、短いけどごめんなさい。
「・・・もうそろそろだな」
キースがそう呟く声が聞こえる。何かを見計らっているような意図を感じて、フロルはキースを振り返る。
「そろそろって、どういうことです?」
キースはにやりと粋な笑いを浮かべる。
「まあ、見てればわかるさ」
それから、長い時間はかからなかった。フロルの耳に聞き慣れた声が微かに響いた。
あれは・・・あれはリルの声だ!
自分がリルの声を聞き間違えるはずがない。フロルがじっと耳と澄ますとそれは確かに聞こえた。
「きゅうぅぅぅ・・・・」
「リルっ」
フロルがぱっと顔を輝かせる。
「あれ?リルだ。仕方ないな。ついて来ちまったのか」
そう言うキースだが、全然、驚いている様子はない。むしろ、大根役者なみの演技に、フロルはふふと笑う。
「・・・キースさん、全然、演技になってませんよ?」
「そうか? 俺は予想外だったんだがなあ」
しらじらしいキースの声は、リルが追いかけてくることは想定内だったようだ。
そうこうしているとすぐ後から、リルの必死の声が聞こえる。リルは、すぐに追いついて、待って!と言いたげに、きゅうきゅう鳴きながら、ぴったりと二人の後について来た。
そうして、進み行く先には、広場のようなものが広がっているのが目にはいった。月に明るく照らされている夜は意外と見通しがいいものだ。
キースは、無言のまま、竜を操り広場へと着陸する。他にもキースに追いついてきた竜騎士達も同じように地面に舞い降りてきた。
どういうことなのかとフロルが不思議に思っていると、地表に降り立ったキースが竜から降りるようにフロルを促す。
「キースさん、どうしてこんな所に?」
何もないただの開けた場所だ。フロルは不思議に思いながら、キースに尋ねても何も答えてくれない。当然、フロルが着地してすぐに、リルも同じように空から舞い降りて来るのが見える。
リルをつないでいた頑強な鎖はどこにもない。フロルを見つけて、リルが嬉しそうに大きく鳴くのが聞こえた。
「きゅう!」
「リル! こっち!こっちにおいで」
嬉しそうにフロルが叫ぶ。
「もうリルと離ればなれになるのかと思った」
フロルが正直な気持ちを言うと、キースがそんなの当たり前だという顔をする。
「そんなことがあるもんか。どんなことになっても、竜が自分の主を見捨てる訳ないだろう?」
リルが砂ぼこりを舞い上げながら、地上に降りると、フロルは思いっきり走ってリルに近寄る。
「ああ、リル!リルー」
リルは、フロルの胸に頭をこすりつけながら、きゅうきゅうと甘えた声を上げる。
「ほら、これを使え」
竜騎士の一人がが木の陰に隠していたものを持ち出してきた。リルの予備用の鞍だ。
「キースさん、ありがとう!」
フロルが思わずキースに抱き着こうとすると、キースはすっと身をかわして、にやりと笑う。
「ドレイク様に睨まれるからな」
「え、これはそもそも、ドレイク様の指示だったの?」
フロルが目を丸くするとキースはそうだと深く頷く。
「あんまりペラペラ喋るなとドレイク様から釘をさされていてな。あんまり話してやれないんだ」
全てはドレイク様の差し金ということか。
すまんなと申し訳なさそうなキースに、フロルは大きく頷いた。
「いいんです。でも、もう出発してもいいんじゃないですか?」
不思議そうな顔をするフロルに、キースはまだ飛び立とうとしない。
「まだだ。もう少し待っててくれ」
キースが眺めている方角に目をこらすと、空の向こうにまた一つ竜の陰が見えた。グレイに乗ったドレイクが遅れてやってきたのだ。
◇
この辺が区切りがいいので、短いけどごめんなさい。
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