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3章 秘密

閑話 装備を作ろう

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「ふんふんふふ~ん」


俺は今防具を作っています、鼻歌を歌っているのは楽しいからだ、俺は体を鍛えるのも好きだが物を作るのも好きなんだ、試行錯誤し良い物が出来た時の達成感がとても好きだ。


「おし!ジーラの装備完成っと、次はガーラのだな」


今作っているのは鎧とかではなく鎧の下に着る服だ、丈夫なものを作りたいからダイヤモンドスパイダーの糸を編んで行っている、見た目普通の布の服っぽいがなかなかの性能だぞ、今は警備を任せた2人を優先して作っているがなかなか順調だ、問題としていた体のサイズは魔法で調整出来たのが良かったな。


「二人の反応が変わらなければ順調だったのに、最初はそんな感じじゃ無かったんだけどなぁ~・・・はぁ~」


ジーラとガーラは最初俺を人族と思って少し嫌がっていた、しかし給金の話をし少し訓練をしたら変わってしまったんだ、軽めに相手をしたのにあれでは今後俺は相手をしない方が良いかもしれないと思っている。

もし俺が教えた者が全員ああなったら俺の体がもたない、その時そう思ったよ。


「まぁ気を使ってすれば問題ないんだが全員となると困るよなぁ・・・っと愚痴はこれくらいにしてっと」


ガーラの服を作り終わり、サイズ合わせの魔法陣を裏地に刻んでいった、この魔法陣はかなり簡単だ全ての装備に付けてあるだけはあるな。


「付与の仕方はこれと違うのが難点だな、誰かに教えて貰いたいものだ」


書物には記載されていないんだ、恐らく専門知識で秘匿されてるんだな、今度そう言った装備を買って分解して調べたいな。


「まぁ全員の装備を作り終わってからだな、ジーラとガーラにはこれ以外にも鎧を渡さないと見た目で弱そうに見えたらまずいからな」


今の所昼間に屋敷に忍び込んで来た者はいない、だが見張りの者の装備が貧相に見えれば狙われるかもしれない、ダイヤモンドスパイダーの服は普通の布に見えるからな、俺の着ている物を見てハルが言ってきたんだ、だからみんなにはモンスターの素材で鎧を作らないといけないんだ、ほんとは鉱石を使った金属鎧の方が門番って感じなんだがみんなの実力的に重すぎる。


「素材はここらへんで一番強かったレッドアイズケルピーだな、Aランクのモンスターだしマーメイダスっていう水系の種族である二人には丁度いいだろう、その素材を結合させるのにミスリルを使ってと・・・こんなもんか次は武器だ」


ケルピーの頭部をジーラは右肩にガーラは左肩に付けたんだ、モンスターの皮は牙や頭部分を使わないと見栄えが革鎧とあまり変わらないんだ、今回作ったのも頭が無ければ青い革鎧と思われただろう、だが俺としては青色がとてもきれいな鎧だと思っている、これが金属だったらどこかの勇者が装備したんじゃないかって程だ。

そして次の武器は二つ渡す予定だ、一つはミスリルの槍で見張りの時は持っていて貰う、槍はそれだけで凄味があるからな大剣でも良いのだがこっちにした、しかしそれは外見だけで本命はこっちだ。


「ふんっふんっ」


俺の気で密封した空間を高温の状態にし、その場所に鉄などを入れそれをオーラを纏った拳で叩いている、そう俺は今刀を作っているんだ、本来ならハンマーなどを使うのだが俺には必要ない、向こうでもこうやって色々な物を作っていたんだ。


「よしこれを研いて行って・・・出来たぞ斬鉄剣・・・こっちの金属で作ったから斬鉄ソードか?まぁ名前はどうでもいいか、これならオリハルコンも切れるかもな」


出来栄えを見て俺は感じた、ここでは鑑定があるから調べればわかるだろうが刀からのオーラで分かるんだ、そしてそれをもう一本作り二人の装備が完成した。


「後はこれを渡すんだが、俺が渡すとなぁ・・・よし!ハルに任せよう、他の装備も作らないといけないしな、うんうん」


ジーラとガーラはここの主力だ、エルとアルも最終的には強くなってもらうんだがまだまだ掛かる、サキエ先生と生徒も少しは強いのだがまだまだ実戦が足りない。


「まぁその内強くなるよな・・・さて、ハルいるかー」


今の時間が朝早かったので使用人の家に向かったんだ、俺はいつも夜に装備とかを作っている、今回は時間的に朝になったから食事をしているかもと思い家のドアを開けた。


「おう主、ここに来るなんてどうしたんだ?」


「は、ハル!?」


家に入ったらみんなが着替えの最中だった、どうしてカギを掛けてないんだよ。


「ご、ごめん!」


俺は急いでドアを閉めた、まさか着替え中とは思わなかったよ二階が寝室なんだから普通そこで着替えるものだろう、全員女性とは言えどうしてあそこで着替えてるんだよ。


「それにしてもどうして誰も悲鳴を上げないんだよ、まぁ助かったけどさ」


俺はしばらく外で待つことにした、誰かが怒って言いに来ると思ったのに誰も怒りながら出てこないんだ、どういうことだよ。


「どうして誰も出てこないんだ?」


俺はあれから30分位外にいる、だが誰も注意しに来ない、ほんとにどういうことだまさかまだ着替え中なのか?そう思っているとドアがやっと開いたよ。


「おう!?どうしたんだユーヤ?」


「ハル、そのなんだ・・・さっきはごめん」


頭を下げたんだが、反応がなかったので顔を上げたんだがみんなは首を捻っていた。


「どうしたのユーヤ様?」


「何を謝ってるんだ?主」


「いや、着替えを見てしまったからだけど」


そう言ったら更に首を捻りだした、なんでだよ。


「ユーヤ、着替えくらい見たって誰も怒らねぇって、俺たちは使用人だぜ」


そう言われた、雇っているからってなんでもして良いって事か、そんなだから変な奴が増えるんだまったく。


「僕はそう言った事はしないよ、それに悪い事でしょ」


「う~ん、成人していればそうかも・・・でもユーヤ様だしねぇ」


テオが少し赤くなって言っている、そう言えば他のみんなも赤いような、まずいのか?これはすごくまずいのか。


「と、兎に角悪い事だからね!次こんなことがあったら怒るんだよいいね」


そう言って俺は屋敷に走った、肝心の用事を忘れてな。
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