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8章聖戦?
閑話 テミルの決意
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「限界突破にアップスピード、それに闘気術・・・う~んこれじゃまだバンヨウに勝てないなぁ~」
僕は自分のステータスを見ながら悩んでいます、どうもテミルです。
「やっぱり武技の上級は欲しいかなぁ~」
あの体が重くなる腕輪を外してからすごく体の調子が良いんです、これならバンヨウにも勝てるんじゃないかって思って作戦を立てているんですが、どうにも決定打が無い気がします。
「せめてバンヨウに知られていない手を持ってないと・・・とはいっても手早く手に入るのは初級だし、訓練は時間かかるし」
僕は唸っています・・・別に今すぐでなくてもいいと思います、でも今のこの感じを逃したくないんです。
「お金を使って武技を買うしかないかな・・・そうと決まれば」
(コンコン)
僕がスクロール屋に行こうと支度をしていると部屋のドアを誰かが叩きました。
「空いてますよ、どうぞ」
「いたワンねテミル」
「ポチーノ?」
珍しくポチーノ1人で僕の所に来ました、いつもはラビーかバンヨウと一緒なんだけど、何だろうね?
「テミル、何か困っていないかワン?」
「え!?」
すごく驚きました、なんでわかるのさ。
「テミルは顔に出やすいワン、ラビーもバンヨウ姉さんも気付いてるワン」
「げ!?」
僕ってそんなに顔に出るの!?どうしよう、もしバンヨウに知られていたら勝つのが更に難しくなるよ。
「そんなテミルにこれを渡すワン」
「スクロール・・・うそ!?」
僕はスクロールを見て驚きました、普通は鑑定を掛けて内容を読まないと分からないけど、これはすごく有名な物なんだ。
「紫電一閃じゃないか!?」
「知ってるワン?」
「あ、当たりまえだよ!これは勇者の物語で騎士が使った最後の武技なんだ」
武技の中で最速と言われている超級武技です、そんなスクロールがあるなんて、目の前にあるのに信じられません。
「知ってるなら話は早いワン、それを覚えるワン」
「ど、どうしてさ!?」
「バンヨウに勝つためワン、今が好機ワンよ、というか今しかないワン」
ポチーノがそう言ってきました、何故今しかないのかは分からないけど、僕も感じています。
スキルを色々覚えレベルもかなり上がりました、そして今後は上がりにくく新しく覚えることも少ないでしょう、つまり変化があまり見られなくなると思うんです。
だから僕も今が好機と思っているんですけど、まさかこんなすごい武技が出てくるなんて思いませんよね。
「でも貰えないよこんな高価な物」
「何言ってるワン、これは今まで頑張ってきたテミルにご褒美ワン、使ってくれないなら・・・『炎狼牙』燃やすワンよ」
ポチーノが火を牙に纏わせ始めて口を大きく開けています。
「ななな、なに考えてるんだよ!?」
僕は直ぐにスクロールをテーブルから取りましたよ、燃やすなんてもったいない。
「じゃあ使うワン、そして作戦を立てるワンよ」
「うぅ~・・・分かったよポチーノ・・・でも作戦って?」
「何言ってるワン、超級を普通に使っても今のテミルはバンヨウには勝てないワン、ここは作戦を立てないとワン」
こうして僕はポチーノと一緒に作戦を立てました、凄く細かくて・・・ほんとにポチーノが考えたの?
「あらテミル、どうしたのこんな夜遅くに」
僕はポチーノから武技を貰った次の日、バンヨウの部屋に行きました。
しっかり武技も練習したし、新しく覚えた限界突破の持続時間も把握した、きっと大丈夫だよね。
「バンヨウ!僕と戦ってくれないかな?」
「え!?・・・そう・・・分かったわ、じゃあ私の知ってる訓練場に行きましょう」
訓練場?そう言えば最近コルル街に勉強とか訓練が出来る施設が出来たけど、そこかな?
「では、武器は木の剣ですね」
「う、うん」
着いた場所はその施設ではなくて、誰かの家の地下施設でした、バンヨウの知り合いの家みたいでメイドさんに挨拶をしていましたよ。
「それで勝敗はどうしますか?さすがに倒れるまではできませんし・・・降参を宣言するは、無しですよ」
「う!?」
僕はこの家の事を考えていて先手を取られました、降参を勝敗に入れれば僕が挫けなければいい事になるんです、でもそれを封じられました。
僕とポチーノの作戦の中で一番成功率の高い物を取られちゃったんだ、だって僕はバンヨウに告白をするんだ!その為ならどんなにダメージを受けても立ち上がる自信がある、それを封じられちゃったよポチーノ。
「どうしましたテミル止めますか?」
「じゃ、じゃあどちらかが一撃を・・・決定打を当てるってのはどうかな?」
僕は直ぐにポチーノと考えた次の手を打ちました、これならあの武技の一撃が生きます。
「決定打ですか・・・いいでしょう」
「じゃあ開始の合図はこのコインが落ちた時ね、行くよ!」
僕は銅貨を空に投げ、落ちる前に構えました、バンヨウもすでに構えています。
(キン)
「『身体強化』『ファイアーボール』」
僕はコインが落ちたのと同時に魔法の身体強化と、ファイアーボールを使い炎の玉と一緒にバンヨウに向かって行きました。
「はぁー!」
「やりますねテミル、でも手数がまだ足りませんよ」
バンヨウも炎の玉を出し、僕のファイアーボールがすべて消されました、そしてバンヨウが僕の剣を受けている間に、3発もの魔法が後ろから飛んできて僕の背なかに直撃したんです。
「あつっ!」
「これでお終いですねテミル」
「ま、まだだよ!決定打って言ったじゃないか、今のはヒールでも回復できるよ」
そうなんです、こうなるのは解っていたんだ、魔法でも剣技でも僕はバンヨウに勝てない、でも決定打って言うのは大ダメージって事で、初級魔法は範囲に入らない。
これが僕とポチーノの作戦その2だ、その1はもう止められちゃったからね。
「そうですか、そう言った考えなんですね・・・ではブツブツ」
バンヨウが僕の剣を受けたまま詠唱をし始めました。
「やば!?」
直ぐに離れましたよ、だってあれはバンヨウがいつも戦闘で使う魔法の1つ。
「行きますよ『サンダーレイン』」
「うわ!」
何とか魔法の範囲内から離れられました。
「あ、危なかったもう少しでっ!?」
「油断ですよテミル、はぁっ」
僕が離れてバンヨウの雷魔法を見ていたら、後ろでバンヨウの声がしたんだ。
「くっ『アップスピード』」
「あら、避けたのね・・・でも次はどうかしら『能力強化』『身体強化』『アップスピード』」
バンヨウがスキルの能力強化と魔法の身体強化、それと武技のアップスピードを同時に使ってきたよ。
バンヨウが本気を出してきた、ここからが踏ん張りどころだね。
「こ、こっちだって!『限界突破』」
僕はスキルの能力強化はまだ持ってないんだ、だから限界突破とアップスピードで対応したよ。
「はあぁぁー」
「な、なんのぉー」
かなりのスピードで剣撃が来て、僕は防ぐだけで手いっぱいだよ、限界突破が無ければ一瞬で終わってた。
「あの時のスキルですね、でもそろそろでしょう、はぁっ」
「ぐあっ!?」
バンヨウの下からの斬撃で僕の剣が手を離れ宙を舞ってしまいました。
「良く頑張りましたね、さあこれでお終いですテミル!」
バンヨウが上段に構えています、限界突破のスキルも切れ掛けてるし、武器も手元にない、ホントならこれでお終いだったよ、でも僕はこの時違う事を考えていたんだ。
だってこれってポチーノの作戦通りなんだよ、まあ最初の魔法を躱したり、バンヨウの剣撃を防ぎきらないとダメだったけどね、でも流れはホント予定通りです。
「ここだぁ!『紫電一閃』」
僕はマジックバッグから木の剣を出してバンヨウの胴体を切りつけました、バンヨウは壁まで吹き飛んでいます、これは誰がどう見ても決定打です。
「はぁっはぁっはぁっ・・・や、やった!はぁっはぁっ」
「ぐっ・・・ど、どうして」
僕が息を整えている間にバンヨウがヨロヨロと歩いてきました。
「僕の奥の手だよ、超級の武技なんだ」
「そこではないです!どうしてマジックバッグから木の剣が出てくるのです、これは無効です!」
バンヨウがすごく怒って言ってきたよ、まあそうだよね。
「何言ってるのさバンヨウ、誰もあの木の剣とは言ってないだろ?木の剣を使用するってだけだった、それにマジックバッグだって常備してるでしょ」
「た、確かにそうですけど」
「約束だよバンヨウ、僕の勝ち」
そう言ったらバンヨウは渋々頷いていたよ、やったよ勝った!
「はぁ~参りましたね、まさかテミルがこんな作戦を立ててくるとは、油断でした・・・誰かの」
「そ、そんな事よりバンヨウ!」
僕は今日の目的を実行しました、この為にバンヨウと戦ったんだからね。
「な、何ですかテミル!?そんな顔して」
「僕はバンヨウがす、すすす、好きなんだ!結婚してください」
頭を下げて目を閉じました、もうバンヨウの顔を見てられないよ、恥ずかし過ぎるよ。
「テミル・・・ごめんなさい」
バンヨウからは断りの言葉が帰って来ました、目をぎゅって瞑ってるけど更に力いっぱい瞑ったよ、そうしないと涙が出てきそうなんだ。
そして頭を下げたまま聞いてみました。
「ど、どうしてダメなのかな?」
「私がまだ幼生体だからです」
僕はクラクラした頭を戻して目を開けてバンヨウを見たよ、凄く困った顔をしてるね。
「あなたの気持ちは嬉しいのよ、でも私はまだ子供なの、だから進化して成体になったらちゃんと返事するわ、それでいいかしら?」
「こ、断られたんじゃないってことかな?僕」
「そ、そうね・・・で、でも勘違いしないように!ハイとは言ってませんからね、そこらへん・・・い、いいですねテミル!」
顔を赤くして何か言ってるけど、僕はそれだけで嬉しいよ。
「わかってるよ、でも魔族って進化するんだね・・・それっていつできるの?」
そんな話をして恥ずかしい気持ちをごまかしたよ、だってそうしないとバンヨウの顔見てられないよ。
照れてる顔がすごく可愛いんだよ!!
僕は自分のステータスを見ながら悩んでいます、どうもテミルです。
「やっぱり武技の上級は欲しいかなぁ~」
あの体が重くなる腕輪を外してからすごく体の調子が良いんです、これならバンヨウにも勝てるんじゃないかって思って作戦を立てているんですが、どうにも決定打が無い気がします。
「せめてバンヨウに知られていない手を持ってないと・・・とはいっても手早く手に入るのは初級だし、訓練は時間かかるし」
僕は唸っています・・・別に今すぐでなくてもいいと思います、でも今のこの感じを逃したくないんです。
「お金を使って武技を買うしかないかな・・・そうと決まれば」
(コンコン)
僕がスクロール屋に行こうと支度をしていると部屋のドアを誰かが叩きました。
「空いてますよ、どうぞ」
「いたワンねテミル」
「ポチーノ?」
珍しくポチーノ1人で僕の所に来ました、いつもはラビーかバンヨウと一緒なんだけど、何だろうね?
「テミル、何か困っていないかワン?」
「え!?」
すごく驚きました、なんでわかるのさ。
「テミルは顔に出やすいワン、ラビーもバンヨウ姉さんも気付いてるワン」
「げ!?」
僕ってそんなに顔に出るの!?どうしよう、もしバンヨウに知られていたら勝つのが更に難しくなるよ。
「そんなテミルにこれを渡すワン」
「スクロール・・・うそ!?」
僕はスクロールを見て驚きました、普通は鑑定を掛けて内容を読まないと分からないけど、これはすごく有名な物なんだ。
「紫電一閃じゃないか!?」
「知ってるワン?」
「あ、当たりまえだよ!これは勇者の物語で騎士が使った最後の武技なんだ」
武技の中で最速と言われている超級武技です、そんなスクロールがあるなんて、目の前にあるのに信じられません。
「知ってるなら話は早いワン、それを覚えるワン」
「ど、どうしてさ!?」
「バンヨウに勝つためワン、今が好機ワンよ、というか今しかないワン」
ポチーノがそう言ってきました、何故今しかないのかは分からないけど、僕も感じています。
スキルを色々覚えレベルもかなり上がりました、そして今後は上がりにくく新しく覚えることも少ないでしょう、つまり変化があまり見られなくなると思うんです。
だから僕も今が好機と思っているんですけど、まさかこんなすごい武技が出てくるなんて思いませんよね。
「でも貰えないよこんな高価な物」
「何言ってるワン、これは今まで頑張ってきたテミルにご褒美ワン、使ってくれないなら・・・『炎狼牙』燃やすワンよ」
ポチーノが火を牙に纏わせ始めて口を大きく開けています。
「ななな、なに考えてるんだよ!?」
僕は直ぐにスクロールをテーブルから取りましたよ、燃やすなんてもったいない。
「じゃあ使うワン、そして作戦を立てるワンよ」
「うぅ~・・・分かったよポチーノ・・・でも作戦って?」
「何言ってるワン、超級を普通に使っても今のテミルはバンヨウには勝てないワン、ここは作戦を立てないとワン」
こうして僕はポチーノと一緒に作戦を立てました、凄く細かくて・・・ほんとにポチーノが考えたの?
「あらテミル、どうしたのこんな夜遅くに」
僕はポチーノから武技を貰った次の日、バンヨウの部屋に行きました。
しっかり武技も練習したし、新しく覚えた限界突破の持続時間も把握した、きっと大丈夫だよね。
「バンヨウ!僕と戦ってくれないかな?」
「え!?・・・そう・・・分かったわ、じゃあ私の知ってる訓練場に行きましょう」
訓練場?そう言えば最近コルル街に勉強とか訓練が出来る施設が出来たけど、そこかな?
「では、武器は木の剣ですね」
「う、うん」
着いた場所はその施設ではなくて、誰かの家の地下施設でした、バンヨウの知り合いの家みたいでメイドさんに挨拶をしていましたよ。
「それで勝敗はどうしますか?さすがに倒れるまではできませんし・・・降参を宣言するは、無しですよ」
「う!?」
僕はこの家の事を考えていて先手を取られました、降参を勝敗に入れれば僕が挫けなければいい事になるんです、でもそれを封じられました。
僕とポチーノの作戦の中で一番成功率の高い物を取られちゃったんだ、だって僕はバンヨウに告白をするんだ!その為ならどんなにダメージを受けても立ち上がる自信がある、それを封じられちゃったよポチーノ。
「どうしましたテミル止めますか?」
「じゃ、じゃあどちらかが一撃を・・・決定打を当てるってのはどうかな?」
僕は直ぐにポチーノと考えた次の手を打ちました、これならあの武技の一撃が生きます。
「決定打ですか・・・いいでしょう」
「じゃあ開始の合図はこのコインが落ちた時ね、行くよ!」
僕は銅貨を空に投げ、落ちる前に構えました、バンヨウもすでに構えています。
(キン)
「『身体強化』『ファイアーボール』」
僕はコインが落ちたのと同時に魔法の身体強化と、ファイアーボールを使い炎の玉と一緒にバンヨウに向かって行きました。
「はぁー!」
「やりますねテミル、でも手数がまだ足りませんよ」
バンヨウも炎の玉を出し、僕のファイアーボールがすべて消されました、そしてバンヨウが僕の剣を受けている間に、3発もの魔法が後ろから飛んできて僕の背なかに直撃したんです。
「あつっ!」
「これでお終いですねテミル」
「ま、まだだよ!決定打って言ったじゃないか、今のはヒールでも回復できるよ」
そうなんです、こうなるのは解っていたんだ、魔法でも剣技でも僕はバンヨウに勝てない、でも決定打って言うのは大ダメージって事で、初級魔法は範囲に入らない。
これが僕とポチーノの作戦その2だ、その1はもう止められちゃったからね。
「そうですか、そう言った考えなんですね・・・ではブツブツ」
バンヨウが僕の剣を受けたまま詠唱をし始めました。
「やば!?」
直ぐに離れましたよ、だってあれはバンヨウがいつも戦闘で使う魔法の1つ。
「行きますよ『サンダーレイン』」
「うわ!」
何とか魔法の範囲内から離れられました。
「あ、危なかったもう少しでっ!?」
「油断ですよテミル、はぁっ」
僕が離れてバンヨウの雷魔法を見ていたら、後ろでバンヨウの声がしたんだ。
「くっ『アップスピード』」
「あら、避けたのね・・・でも次はどうかしら『能力強化』『身体強化』『アップスピード』」
バンヨウがスキルの能力強化と魔法の身体強化、それと武技のアップスピードを同時に使ってきたよ。
バンヨウが本気を出してきた、ここからが踏ん張りどころだね。
「こ、こっちだって!『限界突破』」
僕はスキルの能力強化はまだ持ってないんだ、だから限界突破とアップスピードで対応したよ。
「はあぁぁー」
「な、なんのぉー」
かなりのスピードで剣撃が来て、僕は防ぐだけで手いっぱいだよ、限界突破が無ければ一瞬で終わってた。
「あの時のスキルですね、でもそろそろでしょう、はぁっ」
「ぐあっ!?」
バンヨウの下からの斬撃で僕の剣が手を離れ宙を舞ってしまいました。
「良く頑張りましたね、さあこれでお終いですテミル!」
バンヨウが上段に構えています、限界突破のスキルも切れ掛けてるし、武器も手元にない、ホントならこれでお終いだったよ、でも僕はこの時違う事を考えていたんだ。
だってこれってポチーノの作戦通りなんだよ、まあ最初の魔法を躱したり、バンヨウの剣撃を防ぎきらないとダメだったけどね、でも流れはホント予定通りです。
「ここだぁ!『紫電一閃』」
僕はマジックバッグから木の剣を出してバンヨウの胴体を切りつけました、バンヨウは壁まで吹き飛んでいます、これは誰がどう見ても決定打です。
「はぁっはぁっはぁっ・・・や、やった!はぁっはぁっ」
「ぐっ・・・ど、どうして」
僕が息を整えている間にバンヨウがヨロヨロと歩いてきました。
「僕の奥の手だよ、超級の武技なんだ」
「そこではないです!どうしてマジックバッグから木の剣が出てくるのです、これは無効です!」
バンヨウがすごく怒って言ってきたよ、まあそうだよね。
「何言ってるのさバンヨウ、誰もあの木の剣とは言ってないだろ?木の剣を使用するってだけだった、それにマジックバッグだって常備してるでしょ」
「た、確かにそうですけど」
「約束だよバンヨウ、僕の勝ち」
そう言ったらバンヨウは渋々頷いていたよ、やったよ勝った!
「はぁ~参りましたね、まさかテミルがこんな作戦を立ててくるとは、油断でした・・・誰かの」
「そ、そんな事よりバンヨウ!」
僕は今日の目的を実行しました、この為にバンヨウと戦ったんだからね。
「な、何ですかテミル!?そんな顔して」
「僕はバンヨウがす、すすす、好きなんだ!結婚してください」
頭を下げて目を閉じました、もうバンヨウの顔を見てられないよ、恥ずかし過ぎるよ。
「テミル・・・ごめんなさい」
バンヨウからは断りの言葉が帰って来ました、目をぎゅって瞑ってるけど更に力いっぱい瞑ったよ、そうしないと涙が出てきそうなんだ。
そして頭を下げたまま聞いてみました。
「ど、どうしてダメなのかな?」
「私がまだ幼生体だからです」
僕はクラクラした頭を戻して目を開けてバンヨウを見たよ、凄く困った顔をしてるね。
「あなたの気持ちは嬉しいのよ、でも私はまだ子供なの、だから進化して成体になったらちゃんと返事するわ、それでいいかしら?」
「こ、断られたんじゃないってことかな?僕」
「そ、そうね・・・で、でも勘違いしないように!ハイとは言ってませんからね、そこらへん・・・い、いいですねテミル!」
顔を赤くして何か言ってるけど、僕はそれだけで嬉しいよ。
「わかってるよ、でも魔族って進化するんだね・・・それっていつできるの?」
そんな話をして恥ずかしい気持ちをごまかしたよ、だってそうしないとバンヨウの顔見てられないよ。
照れてる顔がすごく可愛いんだよ!!
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