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【ウィルフレッドside】バラすのはやめてくれ!!
しおりを挟む「それに、手紙の内容も素敵でしたわ」
そんなに喜んでくれるような内容の手紙書いただろうか?知らずに喜ばせていれたのならよかった
「森の中に綺麗な湖があるらしいのです。ぜひ連れて行って欲しいですわ」
あぁ、ぜひ一緒に行きたいものだ。あの湖はブルーノの休憩場所でもあるからな。遠乗りの途中でよく寄るんだ
「私は甘いものが好きです。男一人では入りづらいカフェがあるらしいのです。それは、ご一緒して差し上げませんとね。デートの計画を練っているらしいので楽しみにしていますの」
そうか、甘いもの好きなんだな。いいカフェを見つけてあるんだ、連れて行かないといけないな。デート・・・楽しみすぎる・・・
「私、馬は乗れませんの。でも、アバンス団長様が今度愛馬のブルーノに乗せてくれるらしいのです。楽しみにしてますのよ」
馬乗れないのか・・・俺がしっかりと抱きしめておくから心配はない
「街の花屋の前を通るたびに、どの花なら喜んでくれるかなんて考えるらしいですわ。決めきれないくらい悩む必要はないのです。だって、どの花だって嬉しいのですから」
そうか・・・悩まなくてよかったんだな
「他の人の話を聞いて羨ましかったのでしょう。ピクニックで手作りのお弁当を食べて、膝枕して欲しいんですって。ブルーノに乗って遠乗りしたいですわね」
あぁ、ブルーノに乗って・・・ピクニックで膝枕を・・・あ・・・手紙の返事をもらっている気分で聞いていたが、これって・・・会場中の貴族達に全て聞かれている・・・な・・・
や・・・や、やめてくれ!!
気付いてしまうと恥ずかしさが込み上げてきた!!お願いだ、後でゆっくり聞かせてくれ!
「アメジストを見ると、私の瞳を思い出すらしいですわ。そんなに色味が似ているかしら?
夜会の警備中に、他の令息を見るたびに羨ましいって思っていたらしいのです。こんな事を考えながら仕事をしていたら、私に怒られるかもしれない。でも、怒られたいんですって、どう思います?
会えないからって寂しくて枕を抱きしめながら眠る騎士団長様って可愛いでしょう?夢の中に私が出てくるだけで幸せな気分になるんですって。起きたら目の前にいなくて絶望するらしいのです。
アバンス団長様の瞳の色はサファイアと同じ色らしいのです。青いドレスが似合うなんて言うものですから、今日はお望みを聞いてみましたの。エスコートしてダンスしたいなんて言ってましたけど、鍛錬ばかりでダンスの腕前は落ちてないかしら。
変わらぬ愛をなんて言うのは簡単ですわよね。でも、やっぱり人の気持ちは変わるものなのです。好きが大好きになるんですの。それを気持ちが変わってしまったって表現するんですのよ?可愛いでしょう?」
は、恥ずかしすぎる・・・しかし、嬉しいの方が勝るのか・・・俺を可愛いって・・・格好悪いとは思わないのか?
「でも、そんな手紙の中にも、一通だけ聞けないお願いがありましたのよ」
えっ!?な、なんだ・・・
俺、手紙にあと何を書いたんだ?
お願い?俺・・・レティシア嬢に何を望んだんだ?
「あれは聞けないお願いでしたわね・・・」
聞けない願い・・・何か気に触るような事を言ってしまったんだろうか・・・
「だって・・・君が他の令息に恋をしてしまったら、一番近くで見せてくれ。そうしないと、君を諦める事はできなさそうだ。目の前で失恋したら、諦める事ができるかもしれない。その時は、容赦なく振ってくれ。君への気持ちが跡形も残らないようにですって。ねぇ、無理でしょう?」
そ、その事か・・・聞けない願い・・・俺の事を受け入れると決めたから聞けない願いという事か?俺・・・本当に、レティシア嬢の夫になれるんだな・・・
「はっ!そう言う事でしたの!?」
むっ!?・・・何をそんな楽しそうな顔をしてヴィンセント殿下を見てるんだ?
「私とした事が、今、気付きましたわ。ヴィンセント殿下に向けてやってくれって事でしたのね?ようやく理解ができましたわ!!」
ち、違う!そう言う事では・・・でも・・・
そんな満足そうな顔をして・・・
本当にヴィンセント殿下に興味がないんだな・・・
俺の腕の中からは離れていかない・・・
もう、レティシア嬢は俺のものなのか・・・
この腕に抱ける日がくるなんて、本当に夢みたいだ・・・でも、これは覚めない夢。そう、現実なんだから
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次回
そのままの君が好きだそうですので
応援ありがとうございます!
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