上 下
190 / 524

【ウィルフレッドside】隣に立つ君が

しおりを挟む


「ねぇ、馬車に乗る時は膝の上じゃなくてもいいんじゃないの?」




・・・えっ・・・
シアは、俺の事が煩わしくなったのだろうか?
離れたい?
俺は離れたくない
シアにこうやって触れられるのも、俺だけであって欲しいと思うから
嫌いになって・・・ないよな?




「私、最近普通に座った記憶がないんだけど?」




別にいいじゃないか・・・
シアの定位置は俺の膝の上であればいい
いつだってここに座っていい
ここに座っていいのはシアだけだからな?
先日の夜会で、シアが媚薬を飲まされた演技をした
色気がダダ漏れで・・・相当我慢した
いや、俺はいい
俺はいいんだ
だが、他の男まで魅了してしまうのはよくない
シアとの行為を想像させてしまうのはよくなかったな・・・
シアのそんな表情他の男になんか見せたくなくて、すぐに上着で隠したがな
本当にシアは男達を虜にしてしまいすぎる
今だって、二人きりだというのに、こうしてないと落ち着かない




「ウィルフレッド様、到着しました」




もう着いたのか
もっとこうしていたかったが、仕方ない





「ここが式を上げる教会だ」

「大きな教会・・・凄いわ」

「高位貴族は殆どがここで式を上げる。俺達も例外ではないからな」




貴族としては当たり前だ
だが、ここで式を挙げたらシアとは夫婦になる・・・
それが今だに信じられない
誰もが欲しがるような女であるシアが・・・俺の隣に立ち、神の前で、皆の前で永遠の愛を誓うんだぞ?




「・・・シア・・・今でも夢でも見てるのかと信じられない時があるんだ。シアが俺の嫁になる・・・これからもずっと側にいられるって・・・」

「夢のほうがよかったの?」

「そんな事あるはずないだろう?」

「私はここにいるわ。ウィルが私に興味を無くさない限りはずっと一緒にいる。約束するわ」

「あぁ、そうしてくれ。俺がシアに興味を無くすなんて絶対にない。だから、シアが嫌だと言ってもずっと一緒だ」

「ふふっ、確かにそう思うわ」




夢から覚めないままでは困る
抱きしめたって、こんな風に温もりを感じる事はない




ブーケはもちろん青に決まっているだろう!
他の色はダメだ
俺色で染まって欲しい
どの花を贈れば喜ぶか決めかねていたあの日の俺に言ってやりたい
頑張れば、諦めなければ、二人でブーケの花をどれにするかなんて話をしながら花屋で揉めるんだぞ?って
喧嘩じゃない
譲らない言い合いだ
幸せな言い合いだぞ?ってな




ーーーーーーーーーーーーーーーー

次回

までいかがなさいましたの?



しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

【R18】あんなこと……イケメンとじゃなきゃヤれない!!

恋愛 / 完結 24h.ポイント:156pt お気に入り:59

【完】君を呼ぶ声

BL / 完結 24h.ポイント:127pt お気に入り:87

ハヤテの背負い

青春 / 連載中 24h.ポイント:198pt お気に入り:0

びひんのひび

BL / 完結 24h.ポイント:49pt お気に入り:41

僕の番が怖すぎる。〜旦那様は神様です!〜

msg
BL / 連載中 24h.ポイント:198pt お気に入り:385

トラガスとクリームソーダ

エッセイ・ノンフィクション / 連載中 24h.ポイント:35pt お気に入り:1

BLはファンタジーだって神が言うから

BL / 完結 24h.ポイント:220pt お気に入り:29

処理中です...