無視された公爵夫人

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無視された公爵夫人

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「ルーファス様、お金は淡水の如く湧いてくる物ではございません。出費を抑えてくれませんでしょうか?」

「なんだとバール!世継ぎが生まれてくるのに、万全の体制をととのえるのは当たり前だろう!」

「御言葉ですが…ミーニャ様とのお子様は、公爵籍に登録出来ません。思い出せないのならば、勉強し直していただけないと仕事がはかどりません。お金も出てきませんよ?」

「うるさい!記憶のない療養中の私に働けと言うのか?…ならば、兄だと言う国王に金を出させればいい!」

「無茶苦茶な…身分として公爵になった時から王家の席は抜けています。独り立ちしているのですよ?甘えなさるな」

「くっ!…頭が痛い!1人にしてくれ!」

「医者をお呼びしましょう」

「いらん!1人にしてくれないのならば、私が出て行く!」

「公爵様?衝動的に動くのはおやめ下さい。一度暗殺されかかったのですよ?」

「ならばお前が出て行け!!」

「かしこまりました。しばらくは別館におります。出費は記憶のない方にはさせません。無論、ミーニャ様もです。公爵家の者でもない方に公爵家のお金は使えません。お控え下さいと、ミーニャ様にお伝えください」


部屋を出るとミーニャが扉が開くのを待っていたかのように立っていた。

「可哀想なルーファス様、公爵なのに…家令とメイドの皆さんにいじめられて…私は妻だと認められなくても大丈夫です。だから、慰めて上げますね?」

そう言って、身重のはずなのに走ってルーファスに抱きついた。

「おいおい、気をつけてくれ…お腹の子もびっくりするぞ?」

「少しくらい大丈夫です!うんどうは必要だと…村のおばあちゃんが言ってました」



バールは…不思議に思った。

今…彼女のお腹の赤ちゃんは何ヶ月なのだろうか?

医者にも見せてない…後で、見てもらうのも良いかもしれない。

ルーファス様の頭痛もついでに診てもらおう。



公爵家のお金は、バールかマドレーヌ以外自由に使えない。

商人を呼ぶのも控えて貰おう。



後は…マドレーヌ様と相談だなぁ。

しかし、マドレーヌ様はお優しい。

何故、ルーファス様に本妻がいることを伝えないのか?

まぁ、ミーニャのお子様のためだろう。


にルーファス様のお子なら良いのだが。




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