ご主人様のオナホール

いちみやりょう

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戻ってくる姉

ご主人様が僕をオメガに変えてから、僕の体はどんどん変化していった。
少しずつ妊娠できる体に変化していったし、ヒートが定期的に来るようになった。
相変わらず、ご主人様の責めは優しくないし、きついけれど、何かが少しずつ変わってきているような気がした。
例えば、前戯もせずにいきなり挿入することが減ったとか、相変わらず痛いことはしても体に傷が残るようなことはしなくなったりだとか、好きな食べ物を聞いてくださって、それを使用人に伝えて夕飯に出してくれることがあったりだとか。
ご主人様はとてもかっこいい容姿をしているから、僕なんかを好きになることはないと分かっているのに、好きだと思われているんじゃないかと勘違いしそうになる。
見た目はとっても優しそうだし、声や話し方だって優しい。
だから、少しだけだったとしても行動まで優しくされたら、今までされたひどいことも全部忘れて僕はここにずっと居たいなんて思ってしまうような馬鹿だ。

つまり僕は、あれだけひどいことをされていたのに、ご主人様を好きになってしまった愚か者だ。ご主人様は僕をオナホールや孕み袋としか思っていないのに。決して叶うことのない恋だ。
 
「どうしたんだい。元気がないね」
「……いえ」

舐めていたご主人様のそれから口を離してそれだけ答えた。
今はご主人様に優しく頭を撫でられながら、ご主人様のものを奉仕している真っ最中だ。

「う゛っ」

僕の頭を優しく撫でていた手は急にグっと力が入り、一気に喉の奥まで挿入された。

「私のものを咥えている最中に考え事をしてはいけないよ」
「ん゛っあ゛っお゛ぉ」

ガコガコと頭を揺さぶられる。
けれど、それも以前までと比べれば些か優しくなっていた。
僕はそれでもご主人様に許して欲しくて、必死に舌を這わせて快感を促した。

「ん……いい子だね。ポチ……いや……方一」
「っ!?」

優しい声音で、僕の本当の名を呼ばれて僕はそれだけで達した。

「名前を呼ばれただけでイッたのかい。本当にかわいいね」

そう言いながらも、僕の頭を掴んで揺さぶる手は止めないご主人様に僕は困惑したままご主人様を見上げた。
ご主人様はその行動とは裏腹に優しい表情で僕を見つめている。

「ん゛ぁあ゛ぁっ!! あ゛っお゛っ」
「はぁ……いい子。気持ちいいよ」
「あ゛♡ んぁ♡お゛ぉ♡んぁ♡」

ご主人様の優しい声音は、まるで魔法だ。
それだけで気持ち良くなってしまう。

恋愛とかそういうことは僕には一生わからないと思ってた。
だけど僕はご主人様のことが好きになってしまった。
ご主人様も僕を好きになってくれたらいいのに。

ビュルルっと喉の奥に射精されて、むせそうになるのを必死に耐えて、喉を迫り上がってこようとするものを飲み込んだ。

「はぁ……、ああ……そうだ。私は今日から一週間出張に行かなければいけないけれど、方一は大人しく家にいるんだよ?」
「……はい」
「貞操帯の鍵はあげられないけど、このディルドを使うといい。1週間で穴が小さくなってしまったら、困るのは方一だからね」

ご主人様のものと同じくらい大きなディルドを僕は素直に受け取った。
いつもよりも慌ただしく準備して家を出るご主人様は、どこか生き生きしているように見えた。
前は、姉もご主人様に抱かれていたけれど、今は僕だけを抱いてくれている。
それが嬉しいと感じる僕はきっとドMで変態だ、と自覚しながらもご主人様から渡されたディルドを大切にベッドの脇に置いた。

『お、おかえりなさいませ!!』
『奥様!! 帰ってきてくださったのですか!?』

ご主人様が家を出てから2時間ほど経っただろうか。
玄関の方で使用人たちが騒ぐのが聞こえた。

何が起きたのかが分かって心臓がギュッと縮んだように痛んだ。

ああ。帰ってきたんだ。
ご主人様の愛する姉が。
両親から愛されて大切に育てられて、その後はご主人様に愛されて、大切にされてた。
なのに、ご主人様の元から逃げ出した姉が、帰ってきた。

でも、だからなんだというんだ。
どっちにしろご主人様は僕のことを好きではない。
姉が戻ってきたのなら、僕はまた姉に向けるはずの性欲の吐口に戻るだけだ。
……いや、戻るだけも何もないか。姉が戻ってこなくても、今だってただの性欲の吐口だし、ご主人様からもそう言われている。

ずるいずるいずるい。
誰からも愛されているのに、ご主人様を捨てたのは姉なのに。なんでなんでご主人様は姉を愛してるんだ。なんで僕を愛してくれないんだ。

黒い感情が僕の中を埋め尽くした。
ご主人様が帰ってきて、姉がいたら喜ぶだろうな。
そして、姉を優しく抱いて、その後足りない欲を僕で発散するんだ。
いや……。そういえば、使用人には僕の代わりに他の子を準備すると言っていた。
それなら僕ではなくその子で発散するのかもしれない。

僕は、優しい目で僕を見てくれるご主人様を知ってしまったから、もうここにはいられない。

僕はご主人様を好きになってしまったから、ここには居たくないんだ。

マジックミラーの向こう側で、使用人に甲斐甲斐しく世話をされている姉を見つめる。
ここにいるのが当然というように優雅な顔で微笑んで、まるで慈悲深い自分に酔いしれているかのように使用人に礼を言う。使用人も姉が帰ってきてみんな嬉しそうだ。

僕はこっそり荷物をまとめた。
僕の居場所はここにはない。
幸い、使用人たちは姉に夢中で、僕はこの屋敷から誰にも見つかることもなく簡単に抜け出すことが出来た。



次回は多分閲覧注意になります。
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