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兄の物語[60]どれで試す?
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「バルガス、この辺りで良いんじゃないの?」
「おぅ、そうだな!!!」
二人はダッシュでドーウルス周辺の森へ入り、入ってからも走り続け……自分たちのランクに合うエリアに到着。
「てかよ、フローラと二人で探索すんのは結構久しぶりだな!!」
「そうだね。もうここ最近はちゃんと四人で探索してるからね」
ルーキーがソロでDランクやCランクの魔物がうじゃうじゃ居るエリアに足を踏み入れるなど、自殺行為に等しい。
それはルーキーに才能があっても同じ。
二人という少人数でも不安が残るものだが……バルガスとフローラはそんじょそこらのCランク冒険者とは違う。
「つか、そろそろあの鍛冶屋のおっちゃん…………ドゴールさんだったか? が、クライレットの魔剣を完成させるよな?」
「……だね。明日か明後日あたりに鍛冶場を訪れてみようか」
「火竜と風竜の素材を使った魔剣だろ……想像するだけでテンション上がるな!!」
「鉱石はおそらくミスリルを使ってる。もしかしたら、他の属性が付いている鉱石も使ってるかもしれない。そう考えると、本当に楽しみだね」
パーティーメンバーの武器とは言え、実際のところあまり自分たちには関係無い。
しかし、パーティーメンバーであり友人であるクライレットの武器。
加えて一流の鍛冶師が素材を惜しむことなく造った武器となれば、例えバルガスたちの様なクライレットのパーティーメンバーではない冒険者であっても、いったいどんな魔剣が出来上がるのか気になる。
「まぁ、クライレットのことだから、本当に危ない場面にならないと使わなさそうだけどね」
「だろうな。けどよ、俺はもう拳や脚を使って戦うことに慣れてっから関係ねぇけど、剣とか槍とか新しい得物を手に入れたら、しっかり馴染むまで使わねぇといざって時上手く使えないんじゃないのか?」
「そうだね。クライレットもそれが解ってないとは思わないけど……まず、そう簡単に出来上がる魔剣に耐えられる魔物がいない、かな」
フローラの予想では、最低でもランク五以上の魔剣が出来上がる。
属性効果が付与されている魔剣は、使用者が消費する魔力量によって最終的な攻撃力が変わる。
クライレットの魔力量は前衛で戦う剣士とは思えない程多く、結果的にランク以上の攻撃力を放つことが出来てもおかしくない。
「Dランクの魔物は論外。Cランクの魔物でも…………Cランクの中でも特に堅い個体。もしくは十数体規模の相手じゃないと、練習にならないかな」
「確かにそりゃそうなるか。けどよ、一人で十数体のCランク魔物と戦うとか、ペトラが許すか?」
「超一級品の武器を装備した状態なら、検証も兼ねて許すと思うよ」
「…………けどよ、どうせならBランク魔物と戦った方が、より検証出来るんじゃねぇか? 造ってもらってる魔剣って、Aランクの怪物と出会った時の為に奥の手として使える……のを想定してるんじゃなかったっけ?」
バルガスの言う通り、ドゴールに造ってもらっている魔剣はそういった最悪のイレギュラーに遭遇した時に使える切り札。
その切り札がある程度使えるか否かを確かめるとなれば、Bランクの魔物の方が相手として相応しいと言える。
「クライレットなら大丈夫な気がするけど……いや、でもペトラもそれぐらいの強敵が相手じゃないと、試せないのは解ってるか……そうだね。ここら辺ならBランクの魔物と遭遇するのはそこまで難しくないだろうし、私たちが賛成すれば大丈夫そうだね」
ペトラはパーティーで一番の心配性。
しかし、パーティー内で意見が別れた際、基本的に多数決を取る、
半分に別れた場合は更に話し合いをしてという形になるが……クライレットがソロでBランク魔物と戦うのに反対するとは思えない二人。
「っと、良い感じの奴が来たっぽいな」
匂いで察したバルガスは野性的な笑みを浮かべ、フローラは冷静に盾を取り出した。
「おぅ、そうだな!!!」
二人はダッシュでドーウルス周辺の森へ入り、入ってからも走り続け……自分たちのランクに合うエリアに到着。
「てかよ、フローラと二人で探索すんのは結構久しぶりだな!!」
「そうだね。もうここ最近はちゃんと四人で探索してるからね」
ルーキーがソロでDランクやCランクの魔物がうじゃうじゃ居るエリアに足を踏み入れるなど、自殺行為に等しい。
それはルーキーに才能があっても同じ。
二人という少人数でも不安が残るものだが……バルガスとフローラはそんじょそこらのCランク冒険者とは違う。
「つか、そろそろあの鍛冶屋のおっちゃん…………ドゴールさんだったか? が、クライレットの魔剣を完成させるよな?」
「……だね。明日か明後日あたりに鍛冶場を訪れてみようか」
「火竜と風竜の素材を使った魔剣だろ……想像するだけでテンション上がるな!!」
「鉱石はおそらくミスリルを使ってる。もしかしたら、他の属性が付いている鉱石も使ってるかもしれない。そう考えると、本当に楽しみだね」
パーティーメンバーの武器とは言え、実際のところあまり自分たちには関係無い。
しかし、パーティーメンバーであり友人であるクライレットの武器。
加えて一流の鍛冶師が素材を惜しむことなく造った武器となれば、例えバルガスたちの様なクライレットのパーティーメンバーではない冒険者であっても、いったいどんな魔剣が出来上がるのか気になる。
「まぁ、クライレットのことだから、本当に危ない場面にならないと使わなさそうだけどね」
「だろうな。けどよ、俺はもう拳や脚を使って戦うことに慣れてっから関係ねぇけど、剣とか槍とか新しい得物を手に入れたら、しっかり馴染むまで使わねぇといざって時上手く使えないんじゃないのか?」
「そうだね。クライレットもそれが解ってないとは思わないけど……まず、そう簡単に出来上がる魔剣に耐えられる魔物がいない、かな」
フローラの予想では、最低でもランク五以上の魔剣が出来上がる。
属性効果が付与されている魔剣は、使用者が消費する魔力量によって最終的な攻撃力が変わる。
クライレットの魔力量は前衛で戦う剣士とは思えない程多く、結果的にランク以上の攻撃力を放つことが出来てもおかしくない。
「Dランクの魔物は論外。Cランクの魔物でも…………Cランクの中でも特に堅い個体。もしくは十数体規模の相手じゃないと、練習にならないかな」
「確かにそりゃそうなるか。けどよ、一人で十数体のCランク魔物と戦うとか、ペトラが許すか?」
「超一級品の武器を装備した状態なら、検証も兼ねて許すと思うよ」
「…………けどよ、どうせならBランク魔物と戦った方が、より検証出来るんじゃねぇか? 造ってもらってる魔剣って、Aランクの怪物と出会った時の為に奥の手として使える……のを想定してるんじゃなかったっけ?」
バルガスの言う通り、ドゴールに造ってもらっている魔剣はそういった最悪のイレギュラーに遭遇した時に使える切り札。
その切り札がある程度使えるか否かを確かめるとなれば、Bランクの魔物の方が相手として相応しいと言える。
「クライレットなら大丈夫な気がするけど……いや、でもペトラもそれぐらいの強敵が相手じゃないと、試せないのは解ってるか……そうだね。ここら辺ならBランクの魔物と遭遇するのはそこまで難しくないだろうし、私たちが賛成すれば大丈夫そうだね」
ペトラはパーティーで一番の心配性。
しかし、パーティー内で意見が別れた際、基本的に多数決を取る、
半分に別れた場合は更に話し合いをしてという形になるが……クライレットがソロでBランク魔物と戦うのに反対するとは思えない二人。
「っと、良い感じの奴が来たっぽいな」
匂いで察したバルガスは野性的な笑みを浮かべ、フローラは冷静に盾を取り出した。
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