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2人はいつもいっしょ

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それから一週間後、俺たちはエプロン姿でスタジオにいた。

料理系バラエティー番組の出演だ。


(ピンクのエプロン、可愛いよ…、似合ってる。)

(太陽も、カッコいい。えと、袖が折られてカッコイイ腕が見えているところとか…。太陽の血管の浮いた手、すき…。)

(///香月…。)




「今日のゲストは~!今夏公開予定の劇場版長編アニメ『洸の居場所』の黒影洸役の夏目太陽さんと、アッシュ役の冬木香月さんです~!冬木さんはテレビ初めて?」


「初めてというわけではないんです。実は僕、昔『雪村ルナ』という名前で子役をやっていまして。でも相当前なので、すっごく久しぶりで緊張しています。」


「えー。子役さんだったんですね!」

今日の生放送にあわせて、明日の朝には一斉に香月の過去が明かされる。

雪村ルナという子役だったこと。
虐待を受けたこと。
親の離婚で引き取り手がなく、春山監督が引き取って養子縁組してくれたこと。

監督には感謝していること。


色々言われてしまうこともあるかもしれないけど、探られて明かされるよりはいい。
間違ったふうに勘繰られてしまうから。


俺が支えていこう。



「田里さん、今日、俺たちは何を作ればいいんですか?」


「今日はですねぇ、お二人にグラタンと野菜サラダを作ってもらいます!お二人は料理とかするんですか?夏目さんは前にシェフの役をされていましたが。」

「そうですね、実家暮らしなんで元々は料理とかしなかったんですけど。シェフの役をいただいて、料理の勉強したんで、今でもたまには作ります。」

「僕は料理苦手ですね…。兄と姉がいるので甘えちゃって…。」

「冬木さんってオラオラ系の役もやってましたけど、なんか可愛い感じですね。」


「そうですか…?」


「でも緊張してます?表情かたいですけど。」


「大丈夫、俺に任せとけ?」

「うん…っ。」


「今の笑顔かわいいですっ。」


「照れますっ。」


「まずは材料を切って…………わっ、夏目さんさすが!」


トントンと一定のリズムで、玉ねぎ、人参、マッシュルーム、シーフードミックスを細かく刻み、バターを溶かしたフライパンで炒め、スープで煮て、小麦粉を炒めたルーを溶かし、牛乳でぐつぐつ。

「冬木さんはマカロニをゆでてもらいましょう!」

「ぱらぱら………あっ!」

高いところから落とすから、お湯がはねた。


「香月!」


指をとって水で冷ます。



「良かった。水ぶくれになってない。」

「ありがとう、太陽。」


「……甘々ですね。」




この日のXには、#夏冬 が上がってた。




「秘密って言ったよね!何やってんの!ゲイバレはマイナスになることもあるんだからね!」

「はい……。」


秋口と豊さんに二人で叱られた。
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