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結ばれた朝は気恥ずかしくて

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スマホのタイマーが鳴り、朝の訪れを伝える。


枕もとのそれに手を伸ばせば、あともう少しならゆっくりできる。

僕は、微睡む目を必死に開ける。


ホテルの分厚いカーテンは光を通さないけど、カーテンレールからは漏れているみたい。


あの隙間から誰かが見ていたら嫌だなぁ…。


掛け布団を被りながら、窓を背に、同じベッドの太陽を見る。

僕が眠るまで様子を見張っていてくれたから、まだ眠たいみたい。


受け入れたところがちょっと違和感。

だけれど、太陽が気を使ってくれたから、腰は痛くない。



……本当にしちゃったんだなぁ。



太陽の男らしい体つきが好き。

服を着ていると気づかないのに、ちゃんと筋肉の弾力がある。

左右対称の黄金比で整った顔。



あっ。


睫毛が震えた。



「おはよう。」

「おはよう。」


ぎゅっと抱きしめて。抱きしめあって。


「からだ、平気?」

「うん…。」


「気をつけなきゃだけど、海もたのしみたい…。」

「守って。」


「守る。」



夕べは色々あったけれど、不安なこともあるけれど。
それでも、初めて結ばれた朝は気恥ずかしい。


だけど僕らは役者だから。


衣装をつけて外へ出れば。



念のため、中で秋口さんと入れ替わって、同時に外へ。


「今日は撮影場所同じでしょ。足はどうするの?」

「昨日借りたレンタカー、今日空港で返却だからそのままですよ。」

「モーニングビュッフェ食べたらすぐチェックアウトするか。」



「あ。おはよー。」
「おはようございます。」

入道アポロとマネージャーの平良子さん。
通称ヘラさんは、いつもビジネススーツでビシッとしてて、宝塚の男役みたいな人。
アポロとは実の姉弟みたいな関係のマネージャーだ。
エレベーターの前で合流する。

みんなで乗り込み、階下へ向かうと、一つ下で停まった。



へこっと頭を下げて入って来た男の人は、なんだか草臥れている。




海かぁ。

太陽の水着姿、かっこいいだろうなぁ。

僕、カレンダーの撮影なんて初めてだけど、どうすればいいのかなぁ。
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