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本編
いらない物でも役に立つ
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夢を見た。
俺が新所長になったばかりの頃の夢だ。俺はなれない書類仕事にあまり眠ることができない日々が続いた。そんなある日、俺はできた書類を届ける途中に突然眩暈に襲われ、書類を落としてしまった。俺は慌てて拾う。
何人もの人達が周りにいる。手を貸す者もいない。
『あれが新しい魔法学研究所の所長らしいよ』
『あぁ。あの身体を売ったと言われている?』
『汚らわしい。貧乏貴族の息子で学校にも行ってらないらしいわよ。』
俺を嘲笑うかのような汚い大人たちの笑い声が聞こえる。
俺は急いで書類を集める。早くこの場所から立ち去りたい。
でも、彼女だけが。。。彼女だけが書類を集める事を手伝ってくれた。そして、俺に手を差し伸べてくれた。俺に花が咲いたようなきれいな笑顔を見せてくれた。
しかし、彼女は父らしき人に呼ばれて俺の前から消えて行ってしまった。
穢れを知らなそうな白い控えめなドレスをまとい、金色の髪が風になびく人形みたいな女性。
名前を聞くのを忘れた。。。
しかし、俺はすぐに彼女の名前を知ることになる。
モナ・クラエス
三大貴族、クラエス家の一人娘。容姿端麗、成績優秀から彼女に婚約を申し込む男は後を絶たない。そして、宰相の婚約者になるのではないかとひそかに噂が流れていると言われている女性だということを。
彼女にお礼を言いたい。でも、それからというもの彼女と会うことはなかった。そして、こんな形でもう一度であった。彼女の美しい凛とした姿はもうなかった。
外が騒がしい気がする。俺は目を開ける。
「い、いてぇ」
全身が痛い。特に右手が痛く、全く動かない。これは骨が折れている気がする。それ以外は痛みはあるものの動きはする。頭から流れていた血は止まっている。騎士たちは俺の頭を一度も蹴らなかった。魔研の服はボロボロもうボロボロである。
「はぁぁぁぁぁあ」
俺は深いため息をついた。窓を見ると暗く、そこからは星が見える。
俺はこれからどうなるのだろう。今は夜ということは、俺はもうここに一日いることになる。ということは、俺は仕事を無断で休んだということである。職場の人間は俺が休んだということはわかるが、一日休んだだけで果たして誰が連れ去られたと思うだろう。
俺には選択肢がある
①助けを待つ
②自分でどうにかして脱出する
③諦めて寝る
現実的に考えると①、③だろう。だってこの部屋は密室だし、、、
確認のためもう一度ドアを開こうとするがビクともしない。
「俺はどうすることもできないのか。。。」
俺はもう一度座り込む。ここは大人しく助けを待つのが得策なのかもしれない。
全身の痛みとともに空腹を感じた。俺はこんな状況でも腹が減る案外図太い性格のようだ。自分にあきれる。何か食べるものがないかとポケットを探ると、、、、身に覚えのないものが入っていた。
なんだこれ?
俺はそれを取り出す。
『だから、もしあいつに変な事されそうになったらこれを使ってください』
これはあの恐ろしいミカから渡されたものだ。俺はそれをずっとポケットに入れたままであったのだ。
これがあれば、あのドアを壊せるかもしれない。
ミカ、ありがとう!これを俺に渡してくれて!
一発で机を壊せる『もしものときに!力のない女性でも安心。持ち運べる小型ハリセン』。このハリセンがあれば。。。あのドアを破壊することができかもしれない。
俺が新所長になったばかりの頃の夢だ。俺はなれない書類仕事にあまり眠ることができない日々が続いた。そんなある日、俺はできた書類を届ける途中に突然眩暈に襲われ、書類を落としてしまった。俺は慌てて拾う。
何人もの人達が周りにいる。手を貸す者もいない。
『あれが新しい魔法学研究所の所長らしいよ』
『あぁ。あの身体を売ったと言われている?』
『汚らわしい。貧乏貴族の息子で学校にも行ってらないらしいわよ。』
俺を嘲笑うかのような汚い大人たちの笑い声が聞こえる。
俺は急いで書類を集める。早くこの場所から立ち去りたい。
でも、彼女だけが。。。彼女だけが書類を集める事を手伝ってくれた。そして、俺に手を差し伸べてくれた。俺に花が咲いたようなきれいな笑顔を見せてくれた。
しかし、彼女は父らしき人に呼ばれて俺の前から消えて行ってしまった。
穢れを知らなそうな白い控えめなドレスをまとい、金色の髪が風になびく人形みたいな女性。
名前を聞くのを忘れた。。。
しかし、俺はすぐに彼女の名前を知ることになる。
モナ・クラエス
三大貴族、クラエス家の一人娘。容姿端麗、成績優秀から彼女に婚約を申し込む男は後を絶たない。そして、宰相の婚約者になるのではないかとひそかに噂が流れていると言われている女性だということを。
彼女にお礼を言いたい。でも、それからというもの彼女と会うことはなかった。そして、こんな形でもう一度であった。彼女の美しい凛とした姿はもうなかった。
外が騒がしい気がする。俺は目を開ける。
「い、いてぇ」
全身が痛い。特に右手が痛く、全く動かない。これは骨が折れている気がする。それ以外は痛みはあるものの動きはする。頭から流れていた血は止まっている。騎士たちは俺の頭を一度も蹴らなかった。魔研の服はボロボロもうボロボロである。
「はぁぁぁぁぁあ」
俺は深いため息をついた。窓を見ると暗く、そこからは星が見える。
俺はこれからどうなるのだろう。今は夜ということは、俺はもうここに一日いることになる。ということは、俺は仕事を無断で休んだということである。職場の人間は俺が休んだということはわかるが、一日休んだだけで果たして誰が連れ去られたと思うだろう。
俺には選択肢がある
①助けを待つ
②自分でどうにかして脱出する
③諦めて寝る
現実的に考えると①、③だろう。だってこの部屋は密室だし、、、
確認のためもう一度ドアを開こうとするがビクともしない。
「俺はどうすることもできないのか。。。」
俺はもう一度座り込む。ここは大人しく助けを待つのが得策なのかもしれない。
全身の痛みとともに空腹を感じた。俺はこんな状況でも腹が減る案外図太い性格のようだ。自分にあきれる。何か食べるものがないかとポケットを探ると、、、、身に覚えのないものが入っていた。
なんだこれ?
俺はそれを取り出す。
『だから、もしあいつに変な事されそうになったらこれを使ってください』
これはあの恐ろしいミカから渡されたものだ。俺はそれをずっとポケットに入れたままであったのだ。
これがあれば、あのドアを壊せるかもしれない。
ミカ、ありがとう!これを俺に渡してくれて!
一発で机を壊せる『もしものときに!力のない女性でも安心。持ち運べる小型ハリセン』。このハリセンがあれば。。。あのドアを破壊することができかもしれない。
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