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本編
思い人には冷たくない
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バンッ!!!
小型ハリセンをドアに叩きつけると、ドアは外に倒れた。利き手ではない方の手でもこの威力である。
外はとてつもなく長い廊下に明かりは一切ない。
でも、これからどうしよう。。。大きな音がなったから気付かれた可能性が高い。早くこの場所から逃げなければまた捕まってしまう。
俺はフードを深くかぶりなおす。本当は走りたい。でも、身体中が痛く思うように体が動かない。壁に左手をつきながら歩く。一歩ずつ、一歩ずつ。俺は暗闇の中を歩き続ける。
どれだけの時間がたったのだろう。こちらに近づいてくる足音が聞こえる。
逃げなきゃだめだ、、、でももう無理かもしれない。。。体がいうことを、きか、、ない。力がはいらな、、い。。
誰か助けて
俺は冷たい床に倒れこむ。しかし、すぐに温かい腕の中に包まれている気がした。
ーーーーー
時は少し戻る。僕がシノとデートに行った次に日。
いつも通りこの国の宰相として仕事をしていた。
「この書類はなんですか。」
僕は目の前の男に言った。ガリガリの体にもかかわらず額には大量の汗をかいている。
「ヒィ、、、っ三か月後の第二王子の誕生日祝賀会の予算に関しての書類です。。。」
「それはわかっています。僕はその予算の詳細について言っているのです。これではどれがどれだけ金がかかっているのかわかりません」
俺は冷たく言い放った。
「も、申し訳ございません!!すぐに作り直してきます!」
男は何回の俺に頭を下げて走って行ってしまった。
「はぁぁぁ」
全く呆れる。今日はこんな感じのことがもう何回も行われている。使えない者ばかりである。
「お疲れ様です。こちら疲労に効くと言われている茶葉をブレンドしております紅茶でございます。」
俺の執事兼補佐のセドが花の香がする紅茶を入れてくれた。
「あぁ。ありがとう。」
一口飲むと少しだけ疲れた気がした。
俺が書類を見ながらも一息ついていると、セドがにこやかに言ってきた。
「今日はいつもよりご機嫌ですね」
「そうかな?」
「ええ。いつもならあんな書類投げてかえしますからね。」
「僕はそんなに鬼かい。。確かに今日は機嫌がいいのかもね」
僕は昨日のことを思い出す。頭を撫でてあげると、嬉しそうに僕の手にすり寄ってくる。俺が食べさせてあげると、耳どころか顔まで真っ赤になる。甘いものを食べているときの顔は最高だった。今にもキスしたいと思った。手を出さなかった僕をほめてほしい。しかも、別れ際彼は僕を家に入るように言ってきた。誘っているのか?と思ったが、彼の事だからそれはありえない。あのまま家に入っていたら、僕は彼をベッドに押し倒していただろう。
トントン
ノックの音と同時に扉が開いた。
扉の方を見ると昔からの腐れ縁の腹黒野郎の顔が見えた。
小型ハリセンをドアに叩きつけると、ドアは外に倒れた。利き手ではない方の手でもこの威力である。
外はとてつもなく長い廊下に明かりは一切ない。
でも、これからどうしよう。。。大きな音がなったから気付かれた可能性が高い。早くこの場所から逃げなければまた捕まってしまう。
俺はフードを深くかぶりなおす。本当は走りたい。でも、身体中が痛く思うように体が動かない。壁に左手をつきながら歩く。一歩ずつ、一歩ずつ。俺は暗闇の中を歩き続ける。
どれだけの時間がたったのだろう。こちらに近づいてくる足音が聞こえる。
逃げなきゃだめだ、、、でももう無理かもしれない。。。体がいうことを、きか、、ない。力がはいらな、、い。。
誰か助けて
俺は冷たい床に倒れこむ。しかし、すぐに温かい腕の中に包まれている気がした。
ーーーーー
時は少し戻る。僕がシノとデートに行った次に日。
いつも通りこの国の宰相として仕事をしていた。
「この書類はなんですか。」
僕は目の前の男に言った。ガリガリの体にもかかわらず額には大量の汗をかいている。
「ヒィ、、、っ三か月後の第二王子の誕生日祝賀会の予算に関しての書類です。。。」
「それはわかっています。僕はその予算の詳細について言っているのです。これではどれがどれだけ金がかかっているのかわかりません」
俺は冷たく言い放った。
「も、申し訳ございません!!すぐに作り直してきます!」
男は何回の俺に頭を下げて走って行ってしまった。
「はぁぁぁ」
全く呆れる。今日はこんな感じのことがもう何回も行われている。使えない者ばかりである。
「お疲れ様です。こちら疲労に効くと言われている茶葉をブレンドしております紅茶でございます。」
俺の執事兼補佐のセドが花の香がする紅茶を入れてくれた。
「あぁ。ありがとう。」
一口飲むと少しだけ疲れた気がした。
俺が書類を見ながらも一息ついていると、セドがにこやかに言ってきた。
「今日はいつもよりご機嫌ですね」
「そうかな?」
「ええ。いつもならあんな書類投げてかえしますからね。」
「僕はそんなに鬼かい。。確かに今日は機嫌がいいのかもね」
僕は昨日のことを思い出す。頭を撫でてあげると、嬉しそうに僕の手にすり寄ってくる。俺が食べさせてあげると、耳どころか顔まで真っ赤になる。甘いものを食べているときの顔は最高だった。今にもキスしたいと思った。手を出さなかった僕をほめてほしい。しかも、別れ際彼は僕を家に入るように言ってきた。誘っているのか?と思ったが、彼の事だからそれはありえない。あのまま家に入っていたら、僕は彼をベッドに押し倒していただろう。
トントン
ノックの音と同時に扉が開いた。
扉の方を見ると昔からの腐れ縁の腹黒野郎の顔が見えた。
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