イレブン

九十九光

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♯7ー9

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八幡新田の駅となると、なかなか人が集まらないという。おかげで土地が安いというメリットはあるらしく、明らかに年金暮らしの夫婦が五、六本の桃の木を気楽に育てられるだけの庭を確保しているという話も聞いたことがある。当然、無人の廃屋が点在する地域となると、そこで遊んでけがをする小中学生があとを絶たないという問題が起きることにもなる。田舎を中途半端に開発するとどうなるかという実例を顕著に示した場所と言えた。

 そして天草先生は、この変わった場所に内田がいることを知って、こんなことを口にした。

「そこって……。ああ。東中OBのワルのたまり場じゃん」

 私はあっけらかんとした表情の天草先生を見て、嫌な予感を全身で感じ取った。
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