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第一章

結局してしまう①

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 ハインリヒ様の唇が口内を舐ってくると、徐々に気持ちよさが身体の隅々にまで這い上がってきて、我慢出来なくなり自分から舌を絡めてしまう。
 くぷちゅぷと、いやらしい水音がして堪らない快感を生んでいた。
 
 眠る前、欲しいとねだって陥落してしまったのを思い出す。
 このままずっとされちゃってたら、心は、犯されたって思ってるのに、身体はこの快楽を覚え込んでしまって、溺れちゃうのも時間の問題だった。
 

 この先自分がどうなってしまうのか、まるで分からなくて怖かった。
 どうにもならない身体と心が、既に自分のものじゃないみたいだ―――

 ハインリヒ様も興奮していて、私たちの荒々しい息が溶け合って何度も何度も舌と舌で交わり合う。

 唾液を流し込まれ、飲んで、と言われると、私に分泌液を上からも下からも注いで所有しようとする意図が分かっているのに、喜んで飲み込んだ。
 唾液を飲み込んで上下した喉に興奮した手が、胸をまさぐってきて尖った頂きに到達すると、わざとコリコリと摘ままれる。

「やっ、やん…っ…あぁん…あん……っ。摘まんじゃ、やだぁ…」

「…っ!あまり煽るな…っ。貴女の膣内なかを貫いても痛くないように、グズグズに蕩けるまで挿れられないんだから…」

「だって…っ、もう辛いのっ…」

 声に出して首をイヤイヤすると、くそっ、という罵声と呻き声が聞こえてきて荒々しく唇を塞がれる。
「……はぁ……っ止まらない……」
 切なさそうな小声が息と共に吐き出される。
 
 どこで息継ぎをしたらいいのか分からなくて声を出すことが出来なくなり、喘ぎ声も出せなくなると、触られ続けている胸の快感が一気に高まってきて下半身から何かがじゅくっと溢れ出した。

「…っつ、……ふ……、んぅ……んっ…んん~~……っっ」
 乳首がきつく摘ままれ、持ち上げられると、唇を塞がれ身体が跳ねて痙攣が止まらない。

 唇が離れると、堪え切れなくて大きく嬌声を放ってしまう。
 それも部屋中に聞こえるような大声で……。
 誰かいたら、ベッドで何をしてるかなんてすぐ分かってしまうだろう。
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