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第一章
幕間2 アデリナが思うこと④
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そのあとは、微かに聞こえてくる閨の音と声を聞かぬ振りをして、三人で衣類や小物を全部片づけていく。
そりゃ、あんなに激しくしてたら喉も渇くよー。お茶とか所望されそうだな。厨房に用意しておくように一言伝えておこう。
「…アデリナ、どうやら終わったみたいだ」
終わったとかゆうな!あからさますぎる。
カサンドラが言うなり、姿が消えた。控室のリネン置き場にシーツを取りに行ってくれたんだろう。
公爵様が、イカされる、とか言ったのが聞こえたあと静かになったもんね。
それにしてもサラディーヌ様、もう公爵様を翻弄なさってるのか。すごいなー。
この後の行動が読めなかったので、念のためのナイトガウンと普段着使いのドレス一式、新しい下着を脱衣所に置いておく。
例の胸だけを矯正する下着と、下半身に身に着ける小さい下着だ。動きやすそうだから流行るんじゃないかな。
丁度公爵様がサラディーヌ様を抱き上げて浴室に移動したので、私も寝台に移動する。
カサンドラが予想通り真新しいシーツを手にしていた。
本職はメイドなので、寝台を整えるのは朝飯前でございまーす。特に二人でやってるから余計に。
「必要なさそうだけど、湯浴みを私たちがするか聞いてくるね」
私がそう言うと、
「必要なさそうだけど、一言お聞きしたほうが良さそうだ」
カサンドラも頷いた。
必要なさそうで一致したけど、本来なら私たちの仕事だ。お聞きするのが筋だろう。
浴室に入ると、お二人とも全裸で公爵様がサラディーヌ様のお身体を隅々まで触りまくりながら洗っておられた。
あー。サラディーヌ様、また気を失ってらっしゃるよ。抱き潰されちゃったか。お気の毒すぎる。
それにしてもサラディーヌ様のお身体、もの凄い数の所有痕が白い肌の至る所についている。
言っちゃなんだけど今まで公爵様は、女性にこんな執着を見せたことなんてただの一度だって無い。たいてい一回きりの、性欲解消のお相手ばっかりだった。
だけど女性のほうが勘違いして、公爵様に夢中になってしまうのを何度見てきたことか。
この執着ぶりはただ事じゃない。
所有痕を隠してくれる服はいったい何着あるだろうかと考えてしまう。
一番驚いたのが、寝台に剣を置きっぱなしにしていることだった。いつでもどこでも剣だけは手放さない御方だったのに。
湯浴みはやっぱり断られた。その代わり、予想もしてなかったことを切り出された。
「アデリナ。暗部で新しい戦闘メイドを育成中だろう?一名見どころのある者を選んで、見習いとして其方たちの下に付けなさい」
「一名、筋の良い者がおります。その者で宜しいですか?」
「任せる」
サラディーヌ様がもう少し落ち着かれてからの目通りをお約束して、その場を離れる。
一人の奥方に三名の戦闘メイドなんて聞いたことない。
自分で言うのも何だけど、私たちを育成するのに手も金も相当費やされている。一人前になるまでに手間暇が相当かかる、いわば少数枠だ。
現在公爵家が囲っている戦闘メイドは見習いも含めて四名。そのうちの三名がサラディーヌ様につけられることになる。公爵様がどれだけ大事に思っているのか分かろうというものだ。
のちに、公爵様が私たちに交代で休日を下さるために、三名に増やしたと知って驚愕する。
私たちのためだったのか。
何か心境の変化でもあったのだろうか。大事にされるのはとても嬉しいけど。
サラディーヌ様がいらっしゃって、公爵家が大きく変貌なさることは間違いないだろう。
公爵様が甲斐甲斐しく面倒を見てらっしゃることにも驚いたし、いつもの公爵様とは明らかに違う、優しいお顔にびっくりだ。
そしてその所有欲の凄さにも。
そりゃ、あんなに激しくしてたら喉も渇くよー。お茶とか所望されそうだな。厨房に用意しておくように一言伝えておこう。
「…アデリナ、どうやら終わったみたいだ」
終わったとかゆうな!あからさますぎる。
カサンドラが言うなり、姿が消えた。控室のリネン置き場にシーツを取りに行ってくれたんだろう。
公爵様が、イカされる、とか言ったのが聞こえたあと静かになったもんね。
それにしてもサラディーヌ様、もう公爵様を翻弄なさってるのか。すごいなー。
この後の行動が読めなかったので、念のためのナイトガウンと普段着使いのドレス一式、新しい下着を脱衣所に置いておく。
例の胸だけを矯正する下着と、下半身に身に着ける小さい下着だ。動きやすそうだから流行るんじゃないかな。
丁度公爵様がサラディーヌ様を抱き上げて浴室に移動したので、私も寝台に移動する。
カサンドラが予想通り真新しいシーツを手にしていた。
本職はメイドなので、寝台を整えるのは朝飯前でございまーす。特に二人でやってるから余計に。
「必要なさそうだけど、湯浴みを私たちがするか聞いてくるね」
私がそう言うと、
「必要なさそうだけど、一言お聞きしたほうが良さそうだ」
カサンドラも頷いた。
必要なさそうで一致したけど、本来なら私たちの仕事だ。お聞きするのが筋だろう。
浴室に入ると、お二人とも全裸で公爵様がサラディーヌ様のお身体を隅々まで触りまくりながら洗っておられた。
あー。サラディーヌ様、また気を失ってらっしゃるよ。抱き潰されちゃったか。お気の毒すぎる。
それにしてもサラディーヌ様のお身体、もの凄い数の所有痕が白い肌の至る所についている。
言っちゃなんだけど今まで公爵様は、女性にこんな執着を見せたことなんてただの一度だって無い。たいてい一回きりの、性欲解消のお相手ばっかりだった。
だけど女性のほうが勘違いして、公爵様に夢中になってしまうのを何度見てきたことか。
この執着ぶりはただ事じゃない。
所有痕を隠してくれる服はいったい何着あるだろうかと考えてしまう。
一番驚いたのが、寝台に剣を置きっぱなしにしていることだった。いつでもどこでも剣だけは手放さない御方だったのに。
湯浴みはやっぱり断られた。その代わり、予想もしてなかったことを切り出された。
「アデリナ。暗部で新しい戦闘メイドを育成中だろう?一名見どころのある者を選んで、見習いとして其方たちの下に付けなさい」
「一名、筋の良い者がおります。その者で宜しいですか?」
「任せる」
サラディーヌ様がもう少し落ち着かれてからの目通りをお約束して、その場を離れる。
一人の奥方に三名の戦闘メイドなんて聞いたことない。
自分で言うのも何だけど、私たちを育成するのに手も金も相当費やされている。一人前になるまでに手間暇が相当かかる、いわば少数枠だ。
現在公爵家が囲っている戦闘メイドは見習いも含めて四名。そのうちの三名がサラディーヌ様につけられることになる。公爵様がどれだけ大事に思っているのか分かろうというものだ。
のちに、公爵様が私たちに交代で休日を下さるために、三名に増やしたと知って驚愕する。
私たちのためだったのか。
何か心境の変化でもあったのだろうか。大事にされるのはとても嬉しいけど。
サラディーヌ様がいらっしゃって、公爵家が大きく変貌なさることは間違いないだろう。
公爵様が甲斐甲斐しく面倒を見てらっしゃることにも驚いたし、いつもの公爵様とは明らかに違う、優しいお顔にびっくりだ。
そしてその所有欲の凄さにも。
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