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学園4年生編

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 あれから数日経つが、グラスは今までと変わらず僕に仕えてくれている。
 いや…やはり一線引かれている感覚は否めない。でも遠いものではなく、そうだな…バジルと同じくらいかな?

 親しいけれど、友人ではない…きっとそれが、彼の答えなんだろう。
 僕としては、恋人にはなれないけど友人として在りたいと思っていたが…うん。もう彼の軽口を聞けなくなるのは少し寂しいけど、これでいいんだ…。



「行ってきます、グラス」

「行ってらっしゃいませ、お嬢様」

 今日も彼らに見送られ、僕らは学園へと向かうのだ。





 ハズだったのだが。

「「「「「…………」」」」」

「み…みずぅ…」

 僕らの家は、学園から歩いて10分程。なので一々馬車を使うのも面倒だし大抵歩く。
 今日もジェイルとデニスをお供に5人で歩いていたのだが…いつもの通学路に、なんか人が倒れてる…。

「おばちゃーん…この子いつからここに…?」

「それが…たった今なんです。向こうからフラフラと歩いて来て、力尽きてバターンと。
 なので警備隊に通報しようと…」

 すぐ近くの花屋のおばちゃんはそう教えてくれた。よかった、何時間も放置されてたなら首都の治安を疑うところだったよ。

 その子はゆっくりと顔を上げ、綺麗な水色の髪の…女の子?うお、美少女!!僕らよりちょっと年下かな?ややつり目気味の可愛い子だ。


「そ、の、道ゆく貴方…どうか水を…恵んでいただきたく…」

「わわっ!大丈夫!?」

 彼女はプルプルと僕に向かって腕を伸ばす。僕は慌ててしゃがみ、その手を取った。観察すると…怪我は無さそうだね。服は上等な物ではなく、薄汚れてるし少し傷んでいる。
 話を聞くと警備隊は呼ばないで欲しいんですって…訳ありか?何この出会いイベント…。


 a 助ける
 b 無視する
 c 通報する


 思わず僕の脳内に選択肢が見えた。現実的にはcだが…とりあえず、水あげとくか…?


「それと…できれば美味しいごはんと…シャワーと…着替えと…ふかふかのお布団を…」

 オウ…結構図々しいな…。
 いやまあ、もちろん放っておくつもりはないが。今から学校だしー…。


「うお…絵に描いたような訳あり少女、面白っ」

 デニスがぼそっと呟いた。彼は普段目が死んでいるのだが、こういう時は輝かせている。気持ちは分かるぞ。

「デニス…学園までの護衛はジェイルだけでいいから、この子お願い出来る?…目を離さないでね」

「かしこまりました」

 そのまま彼に押し付ける事に。騎士団でも最強クラスの彼が目を光らせていれば、この子が何者であろうと下手には動けまい。更に師匠もいるしね!

 師匠はうちで僕とグラスに稽古をつけてくれたり、ジェイルとデニスの訓練にも付き合ってくれている。
 この間の建国祭から少し距離も縮んで、よく笑うようになってくれた。そしてクッキー作りで判明したが…料理が上手い。なのでレベッカとモニクのお手伝いもしてくれるのだ。
 ……師匠さえよければ、公爵家に就職してくれないかな~?引き抜いちゃおうかな~…?とも思うが、彼にも故郷で帰りを待つ家族がいるだろう。無理強いはせんとこ。







「…って事があったよ~」

「なんだソイツ…拾って大丈夫だったのか?」

「うちには強い人いっぱいいるから大丈夫じゃない?もし逃げたら、それはそれでいいし」

「呑気だな其方は…」

 始業前、エリゼとルシアン、少那と話し中。早速今朝の出来事を報告した。

「優しいんだね、セレスは。私だったらすぐに通報して終わりかな…」

「それが普通ですよ、殿下」
 
 失礼な、人を変人みたいに言いおってからに。ただこれがゲームだったらあの子はヒロインで、悪い奴らに追われていて僕が匿って…って僕主人公かしら?なんちゃって。


「ま、そのうち事情を聞き出すさ。
 それより…皆今度のパスカルの誕生日パーティー呼ばれてるでしょ?プレゼント、何贈る…?」

「そんなモン聞いてどうするんだ?あいつはお前から貰えれば食べ残しでも喜びそうだが」

「食べ残しで喜ばれたら複雑だなあ。じゃなくて!
 あんまり…皆と被らないほうがいいかなって思って」

 その為に僕は、皆に事前調査をしているのだ。ちなみにロッティは「秘密だけど絶対にお姉様とは被らないから安心して!」と言って教えてくれなかった。

「(シャルロットは『お姉様秘蔵アルバム』を贈るっつってたな…)オレは魔術用の杖の予定だ」

「私は聖遺物のレプリカだ!」

「うーん…私は政治的な物でなく、友人にプレゼントっていうのは初めてで…迷ってるんだ…」

 ふむふむ。少那は箏の何かがいいんじゃない?箸…いや刀?じゃなくて…手ぬぐいとか?
 とアドバイスしたら、笑顔でお礼を言われた。いやあ、お役に立ててなにより…って僕は何を贈ればいいんだ!?もういっそ漢字Tシャツとかにしてやろうか。『変態紳士』とか。

「もう其方は全身にリボン巻いて「プレゼントは僕だよ!」とか言っていればいいと思うぞ」

 ルシアンの発想が僕と同レベル。
 その後パスカルもやって来たので、会話はそこで終了した。折角だから喜んでもらいたいけど…本人にさり気なく聞いてみようっと。
 



 ※※※




 その日の放課後、保護した少女が気になるので生徒会はお休みにしてもらって、早く帰ろうと思ったのだが…。

「学長が僕らになんの用事だろうね?」

「見当もつかないな…」

 何故か僕とパスカルは学長室に呼ばれた。扉をノックして中に入ると…お婆ちゃん先生が神妙な面持ちで僕らを出迎えてくれた。


「実は…セフテンス国の王女、ヴィルヘルミーナ・アヌ・セフテンス様がこの国に留学を希望しゃれていてねえ。
 突然の事なので、ニ学期中だけの短期留学なんだけど…」

 セフテンス…グランツからはまあ近い、島国だったな。
 学長が言うには、王女は僕らと同学年で…学園の案内、授業や生活のサポートを頼みたいらしいのだが。

「何故俺達に…?王女なのですから、女性であるロッティやルネ嬢に話を通すべきなのでは?」

 パスカルの言葉に僕もこくこくと頷く。すると学長はパスカルの頭の上をじっと見てため息をついた。

「しょれが王女直々のご指名でねえ。生徒会としてとか言われてるけどまあ、十中八九最上級精霊目当てでしょうね」

 僕らは顔を見合わせた。
 あくまで学長の予想だけれど。僕とパスカルを誘惑して自分に惚れさせて…国に連れて帰るつもりじゃないか、と。
 

「まあ君達なら心配ないと思ってるけどね。一応、伝えておきたくて。もちろん純粋に勉強したくて留学したいだけかもしれないし…。
 可能性の1つとして、胸に留めておいてね」


 どうやら話はそれだけのようで、もう帰っていいと言われその通りに。

 廊下を歩きながら…僕らは小声でさっきの話を繰り返す。

「やっぱり…精霊目当てかなあ?」

「俺もそう思う。そういえばうちにはたまに、国内だけでなく他国から使者が来るんだが…そっちも?」

「うん。招待状が届いたり直接挨拶に来たり、稀に不法侵入してきたり。まあ侵入者は優秀な番猫が全員眠らせて、お父様に突き出してくれるんだけどね!」

「へえ…番猫…(精霊かな?)」

 そう。シグニはちゃんと仕事をしているのである!ただ食っちゃ寝してるだけでは無いのだ!!
 とにかく、今までに最上級精霊と契約した僕らを狙う刺客とは、何度も相対してきているのだ。彼らは無理矢理連れ去るんじゃなくて、あの手この手で自国に連れて行こうとする。
 まあ、どんな餌を吊るされようとも釣られる僕らじゃないけど!



「おや、王に姫。もしや今お暇ですか!?」


 あ。お父様達に警戒されているタオフィ先生だ。でも僕、一度も「テノーに来ませんか?」とか言われた事無いけど。
 
「(親しくなって連れて行く計画かもしれないだろう…)残念ですけど、暇ではないんです。俺は今から生徒会ですし、彼は用事があり帰るので」

「それは残念。では精霊殿とお話させていただけませんか?今日こそ闇の精霊殿のデータが欲しいのです!それとヘルクリス殿の鱗についてお聞きしたい事がありまして」

 先生はいつもこんな調子だ。あからさまに精霊目当てすぎて、逆に安心するわ。だが僕以外の人はそう思ってはいないらしい。

「……先生はどうしてそこまで最上級精霊に興味があるのですか…?」

 パスカルはなんだか呆れながらそう言った。タオフィ先生はその質問に、うーんと唸ってしまった。


「難しいことを仰いますねえ…。それは読書が好きな人に、「本を読んで何が楽しいの?」と言っているようなものですよ。
 此方は魔術と精霊の研究が趣味ですから、純粋に知りたいだけなんですよ。納得していただけなくても、それ以上答えようがありませんねえ」

「そう、ですか…」

 それがタオフィ先生の答え。彼は今まで知った最上級精霊についての知識もヘルクリス、ヨミ、セレネが望むのなら世間には発表しないって断言してるし。
 それに実はヘルクリスと仲が良い。今ではタオフィ先生に名前呼びを許している程にね。
 僕の目には先生は純粋な研究者にしか見えないんだが…パスカルの警戒はいつ解けるのやら。


「王だって、姫のどこが好きかと聞かれたら返答に困るのでは?」

「失礼な!俺はシャーリィの魅力などレポート用紙100枚でも足りない程に語る自信がありますが!?………あれ?」

「せ、先生…知って、たんですか…!?」

 突然の爆弾投下に、僕は狼狽えてしまった。友人と僕の家族以外知らないはずだったの、に…!? 

「え。もしかしてお2人共…隠しているつもりでしたか?はっきり言いまして、バレバレです」

 はっきり言って欲しくなかった!!!パスカルも手で顔を覆っている…。
 でも、この国は同性愛とかにそこまで寛容じゃないから…周囲に知られたら、非難も覚悟してたけど…?


「なんで誰にも、何も言われないんでしょう…?」

「(この様子…もしや王は、姫が女性だとご存知ない?)うーん、此方の考えですが…姫が愛らしすぎて違和感が無いから、もしくは精霊殿を怒らせたくないかのどちらかかと」


 愛らしいって…やーだー、照れるう!…じゃないよー!!

「ん゛ん…っ!ま、まあシャーリィの愛らしさは隠しようもありませんしね!仕方ないですね!」

「(なるほど王の弱点は姫か。この一時だけ警戒心が完全に消えてる)……ご不快にさせてしまったらお答えいただかなくて結構ですが、貴方方は同性愛者でいらっしゃいます?ちなみにですが、此方の弟は両性愛者なんですよ」

 へー、そうなんだ。って先生弟さんいたんだ。

「僕、は……うん、男性が好き、です…」

「俺は…ノーコメントで…」

「(姫はともかく、王は否定も肯定も無しか。判断が難しいけど…)そうでしたか、不躾な質問申し訳ございませんでした。
 では此方はこれで失礼しますね。また今度、精霊殿とお話しさせてください!」


 先生はそれだけ言い残し去って行く。


「どうせバレバレなら…もっと堂々とイチャついてもいいと思わないか!?俺はスキンシップが足りないと日々考えていたんだが!」

「それだよバレる理由は!君すでに人前で僕の腰に手を回したり、髪にキスしたり愛おしそうに見つめて来たり……そりゃバレるわなっ!!?」

 今更だが、心当たりが多すぎる!!これ以上人前で何する気か君は!?


「ナニって、シャーリィ大胆だな…」

 彼はポッと頬を染めた。何考えてんだ君は!!?



 ※※※



 その後パスカルは放置して、僕はロッティ達と合流し急いで帰る事に。
 少女の正体が気になるし、もしも本当に追われているなら助けになりたい。


「ただいまー。モニク、あの子は?」

「おかえりなさいませ、お嬢様。彼女は…今は客間でお休みです。朝からの様子をお話しすると長くなるので…まずお着替えをなさいますか?」

 それもそうね。ただ部外者がいるため僕は、まだサラシも取れないけど…致し方なし。サッと着替えリビングに移動しよ。
 部屋を出ると師匠と鉢合わせた。そのまま連れ立って歩くが、話を聞くと彼も少女の見張りを手伝ってくれていたらしい。


「なんか師匠…色々手伝ってもらっちゃってるね。これはお給料を支払うべきなのでは?」

「えっと…お金、箏…から。貰う。俺、仕事」

 ………………漢語でオッケー。

『伝わりませんでしたか…こほん。俺は王弟、王妹両殿下の護衛としてこの国に来ていますから。
 その殿下の命で公爵家にお邪魔させていただいておりますので、これも仕事の一環なんです。なので今も箏よりお給金は戴いてますからご心配なく』
 
 ふむふむ。それなら、いっか?


 さて。今少女の見張りはデニスがやっている。リビングには僕、ロッティ、バジル、グラス、モニク、ジェイル、師匠が勢揃い。
 レベッカがお茶を淹れてくれて、では後はお若い人同士で…と去って行った。お見合いか?

「俺…部外者。部屋、出る?」

「いやいや関係者だから。ほら座って!」

 今から内緒話をするので、全員椅子やソファーに座っている。なので師匠の腕を引っ張って座らせると、彼は控えめに微笑んだ。
 


 じゃ…聞かせてもらおうかね?僕の言葉に、モニクに視線が集まる。


「では私から。まず今朝デニス卿がお腹を空かせた少女を抱えて帰って来ました。
 少女は「ファイ」と名乗り今年で15歳になるそうです。…ご飯を出したところ…お嬢様の1日分の食事量を軽く超える程食べてました」

 そ、そんなにお腹空かせてましたか。その結果食材が心許なくなってしまったので、グラスと師匠が買い出しに行ってくれたと。どんだけ食ったんだ…。


「ファイさんはお腹いっぱいになったようで、次に服が汚れていたのでお風呂を勧めて着替えを渡したのですが…服を広げるとなんだか顔を引き攣らせていました」

「え、どんな酷い服渡したの?フリフリハデハデゴテゴテなやつ?」

「もう、普通のワンピースですっ!私のなので、高価でもないんですけど…」

 ふーん?単に趣味に合わなかっただけかなあ?

「それでサッパリすると…彼女は床に手を突いて「行き倒れていたボクにここまでの手厚い施し、ありがとうございます!どうかご恩をお返しさせていただきたく!」と言いました。
 すぐに起こして…「それは私ではなく、坊ちゃんにおっしゃってください」と言っておきました。
 それでお嬢様達のお帰りを待っていたんですけど、どうやら相当疲弊していたようで。ソファーで眠ってしまったので、ジェルマン卿に運んでもらって客間に寝かせました。

 私からは以上です。旦那様にはハンスさんが報告してくださいました」


 ボクっ娘かー!いや、それなら僕もかな!?
 と、くだらない事を言うのは後にして。うーん。


「モニク、グラス、ジェイル、師匠。皆から見て彼女はどういう印象だった?」

「私は…普通に可愛い女の子、だなあと。訳ありみたいですけど…名前と年齢以外は訊ねても口を閉じてしまいます」

「何かを隠しているのは確実ですね。とはいえ、ここで悪さをしてもいないので手荒に扱う訳にはいかず」

「怪しさ半端ないけど…立ち振る舞いや足の運び方から、戦闘力は皆無と言っていいでしょう」

『口を閉ざすのは恐らく、嘘が下手なのでは?言い訳や誤魔化しが苦手なんだと思います』


 ふむふむ~。皆で唸っていたら、ハンスが部屋に入って来た。

「お嬢様、殿下からお返事です」

「お父様?ありがとう、どれどれ…」

 渡された手紙には…

「「今すぐ警備隊に預けなさい」ですってよ」

「でしょうね。じゃあお姉様…通報しとく?」

 
 ロッティの発言に、全員の注目が僕に集まる。
 この場では長子である僕が一番発言力がある。と言っても公爵家トップはもちろんお父様。なのでお父様の命に従うべきなんだが…
 

 なんとなく…放っておけない。本人が警備隊は呼んで欲しくないって言ってたし…実は彼女は犯罪者で、捕まりたくないだけかもしれない。
 それでも逮捕されても酷い扱いは受けないはずだし…でもなあ…。他には家出少女とか、考え始めたらキリが無い。



 悩みに悩み…出した答えとは。


「………とりあえず、本人が目を覚ましたら話を聞くよ。ごめん、それまで待ってくれる?僕からお父様には手紙書いておくから…」

  
 僕がそう言うと…皆仕方なさそうに笑った。
 







「オーバン、お嬢様なんて返事してきた~?」

「…ま、予想通りか。見てみろ」

 ひょいっとバティストが手紙を覗き込むと…


『警備隊に突き出すのはもうちょっと待ってくれないかな?一度ファイさんの話を聞いてみたいの。
 いや別に相手が可愛い女の子だから情けをかけている訳じゃないからね?本当に。とにかく、何かあったら僕が責任取るから!
 一応ジェイルとデニスに、彼女の特徴と合致する指名手配犯とかがいないか調べてもらってる。もしも犯罪者だったら、すぐに通報するから!
 なので格好良くて強くて優しいお父様なら分かってくれると信じています。シャルティエラより』


「……あの子が自分に助けを求める子供を突き放せる訳ねーっての」

「それを分かってて「通報しろ」なんて言ったクセによー」

「俺にも立場っつーもんがあんだよ。ま、これで「愛娘に説得された父親」の出来上がりだ。
 このファイとかいう少女…偶然シャーリィ達の前に倒れたとは信じ難い。調査頼むぞ、バティスト」

「あいよっ。久々に便利屋さんの仕事しますかねー!」


 という会話が本邸であったとか。

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