空白の境界線―俺のことを好きと言い続けたストーカーが、ある日俺だけを忘れて笑っている―
「あやとくん、大好き!」——8年間、何度突き放しても、何度罵倒しても、日向朝陽(ひなた あさひ)は雑草のようなしぶとさで浅野絢斗(あさの あやと)につきまとってきた。
向けられる過剰な好意に吐き気を覚え、心底「消えてくれ」と願っていたはずだった。
しかし、ある春の日。事故に遭った朝陽の中から、「浅野絢斗」という存在だけが綺麗さっぱり消え去っていた。
他の友人とは穏やかに笑い合い、絢斗にだけは他人行儀な怯えを見せる朝陽。
自由になれたはずの絢斗を襲ったのは、狂おしいほどの喪失感と、どす黒い独占欲だった。
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