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第二十話 恋心
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僕の名前はエレネ。
ただのエレネ。
元々はナサヤ子爵家の長女だけど、無罪の罪を掛けられた。
そう、僕は当主争いに巻き込まれたんだ。
僕はこのままでは捕まって、殺されると思い、そのまま逃げ出した。
逃げている時、足の裏がとても痛かった。
多分だけど、血が出ていると思う。
なんとか、道に出ると僕の前に馬車が止まった。
その馬車からは明かりを持った僕と同い年ぐらいの少年が降りて来たんだ。
僕が正体を聞くと、その少年はビリーと答え、追っ手では無いと言ってくれた。
僕はそれに安心してしまい、意識を手放してしまった。
次に目を覚ますと何処かの部屋の中にいた。
部屋の中を見ているとメイド服を着た女性が入って来た。
その女性はソフィアと名乗り、僕の体調を確認するとビリー様とリリアお嬢様を呼んでくると言い、部屋を出て行ってしまった。
もう1人居るんだと思っているとドアをノックされた。
僕が入室の許可を出すとビリーと金色の髪を腰まで伸ばし、紫色の瞳を持つ僕と同い年ぐらいの少女が入って来た。
多分だけど、彼女がリリアだろう。
僕が自己紹介するとビリーとリリアも自己紹介してくれた。
驚いたことにビリーはあのランガン伯爵の当主だったんだ。
そして、リリアは隣国のベンネット伯爵家の長女でビリーの婚約者らしい。
元々、ビリーとリリアは婚約関係だったけど、あの事件のせいで一旦白紙なったけどまた元に戻ったらしい。
それから、僕はリリアの屋敷で世話になることになったけどみんな優しかった。
僕の事情もあるからもしれないけど、とても居心地が良かった。
こっちの王立学院に編入という話の時は1度は断ったけど、ビリーとリリアと一緒に通えるなら良いと思ってしまった。
実際に王立学院に通ってみると、とても楽しかった。
貴族学院と違って、身分の差なんか関係なかった。
王立学院では、ビリーとリリア以外の友達も出来た。
今が凄く楽しい。
ビリーは優しいけど、少し変わっている。
いい意味で変わっているけど。
リリアも優しくて、友達想い。
僕のことを友達として扱ってくれる。
僕は最近ビリーのことをよく目で追ってしまう。
なんでだろうと思っていると、僕の友達が僕と同じように1人の少年を目で追っていた。
僕はそこで気付いた。
僕がビリーに恋しているのだと。
でも、ビリーにはリリアがいる。
僕はビリーと同じくらいリリアも好き。
だから、この恋心を僕だけの中で閉まっていれば良いんだ。
でも、もしビリーに2人目の妻が必要になったり許してくるなら、僕はビリーの隣にいたい。
そんなことは無いけど。
でも、期待ぐらいしてもいいよね。
ねぇ、ビリー、リリア。
でも、今はビリーとリリアの友達としていつづけるよ。
だって、僕は2人に救われたから。
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