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第二十五話 第2夫人問題

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 侯爵に上がったのは良かったんだけど1つ問題が起きた。

 それは第2夫人問題だ。

 魔族というのは戦闘能力が高い。

 まず、普通の一般人には到底倒せない。

 普通の魔族でもその強さなのだ。

 俺が今回倒した魔族は高位魔族と言い、魔族の中でもトップレベルの強さを持っている。

 高位魔族を倒せる人間なんて各国に1人いるかどうかぐらいの人数だろう。

 しかも俺は無傷で倒した。

 そんな人はいないのだ。 

 そんな高位魔族を倒した俺の血を多く残すため、国王から第2夫人を娶れと命令が来た。

 結局は優秀な血を残すため、妻を1人増やせという話だ。

 リリアは伯爵家の令嬢だから、リリアよりも下の爵位でなおかつリリアと仲が良い令嬢が理想的だ。

 そう考えているとエレネの姿が頭に浮かんだのだ。

 な、何を考えているんだ俺はエレネはとても良い子だ。

 俺の第2夫人では無く俺と違うエレネだけを愛してくれる人の方がいいに決まっている。

 取り敢えず、このことをリリア達に話すか。

 俺は転移魔法を使い、ベンネット伯爵家の屋敷に向かった。

 リリアとエレネとベンネット伯爵を応接室に集め、侯爵になったことと国王陛下から第2夫人を娶れという王命を受けたことを話した。

 その話を聞いたリリアは嬉しさと驚きが混ざった表情を浮かべていた。

 ベンネット伯爵は頭を抱えていた。

 エレネは何故か顔を下に向けていた。

 俺はゲナバに用事があるので3人に少し用事があるので一旦席を外すことを伝え、転移魔法を使用し領地の屋敷に向かった。

 執務室には机に向かってゲナバが計画を練っていた。

 「うん?ビリーか。いきなりどうしたんだ?」

 「ああ、お前に伝えたいことがあって」

 「何だ?」

 「俺が侯爵に上がった報告と代官が平民だと色々と問題が起きるからゲナバが男爵に上がったことを伝えに来た」

 「ふーん、そうか」

 そう言いながら、ゲナバは興味なそうな表情を浮かべていた。

 「興味なさそうだな。まぁ、分かりきっていたけどな」

 「それはそうだろう。俺は領地を発展させたいただけだ。俺の意見を取り入れてくれたお前のな」

 「そうか。じゃあ、これからもよろしくな、ゲナバ」

 それを聞いたゲナバは椅子から立ち上がり、私の方を向いてきたのだ。

 そして、姿勢を正し、右手を胸に置き、綺麗に頭を下げたのだ。

 「私の方こそ、よろしく頼むぞ、ビリー。いや、ランガン侯爵」

 その後、ゲナバと領地に関する打ち合わせと書類処理をしていると夕方になっていたのだ。

 俺はゲナバに一声掛け、転移魔法を使用し、ベンネット伯爵家の屋敷に帰った。
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