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第六十二話 アカザの移住先
しおりを挟む王立学院を卒業した俺達は魔導馬車でランガン公爵家の屋敷に向かった。
リリア達は俺の元に嫁ぐので、住む場所を俺も領地の屋敷に移す。
前々から準備はしていたので、何も起きずにリリア達の移動が完了した。
リリア達が俺の領地の屋敷に来てから1週間が経った頃、俺はアカザに呼ばれた。
リリア達に一声掛けてから、転移魔法を使用し、塔に向かった。
ちなみに、リリア達にはアカザのことを話している。
塔に到着した俺はいつものように塔の中に入った。
塔の中に入ると俺は固まってしまった。
そして、塔の中にエプロン姿の青色の髪をした女性が居たからだ。
「あ、あなた。い、いきなり入ってきてなんですか?」
「これは失礼。私はここの家主のアカザに呼ばれた者だ」
「えっ、アカザさんのお客さん。ご、ごめんなさい。不審者と間違ってしまって」
そう言いながら、女性は頭を下げたのだ。
「頭を上げてください。私もいつもの癖でノックしなかったので私にも非があります」
「ありがとうございます。では、私はアカザさんを呼んできますね」
そう言いながら、女性は頭を上げ、地下室に向かった。
数分すると、女性がアカザのことを連れてきた。
「来たか、ビリー。少し相談したいことが」
「ビリー?ア、アカザさん、もしかしてですけどビリーさんって、あのビリー・ランガン公爵ですか?」
「うん?ああ、そうだぞ。ビリーはビリー・ランガンだ。それが、どうかしたのか?ルナ」
そのことにルナさんは絶句してしまった。
「ビリー、なんでルナはここまで驚いているんだ?」
「まぁ、それは俺がそれなりに有名人だからだ」
「そうなのか。まぁ、あまり関係が無いことだな」
アカザは興味無そうな表情を浮かべていた。
「そんなことよりも相談なんだが。この塔をビリーの領地、いや、領地の屋敷の近くに転移させてくれないか?」
「俺としては嬉しいが。なぜ?」
「昔はこの辺は静かで良かった。だが、今はルナがいる。街の近くの方が何かと便利だ。それにビリーの近くだとビリーも楽だし、俺も色々と楽だ」
「分かった。じゃあ、早速やるぞ」
そう言いながら、転移魔法を使用し、塔を俺の領地の屋敷の近くの森の中に転移させた。
「完了だ」
「有難い。もう1つ頼みたいことがあるんだが」
そう言いながら、アカザが俺に近付いてきたのだ。
アカザはルナさんに聞こえないようにあることを伝えてきた。
俺はそれを聞いた時に察し、訳は聞かなかった。
俺は転移魔法のことをルナさんに説明するようにとアカザに伝え、塔を出た。
塔を出た後、アカザが望んだ物を持ってくることにした。
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